![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164000834/rectangle_large_type_2_f36e58fd2b086a65cf0fe24af0c406bb.png?width=1200)
『The Eclipse』はタイドラマクィア史に残る作品だ
こんにちは、
色々と周回遅れのチャニーブラウンです。
今回はタイドラマ『Eclipse』を今さら振り返っていこうと思います。
作者はつい最近YouTubeで見ました。
日本語字幕がなかったので、英語字幕(そのまま)で視聴しました。
今はジオブロがかかってVPN無いと見れない状態だと思います(´;ω;`)
本記事もがっつりネタバレを含むので、ネタバレしたくない方は先に作品を見ていただけると幸いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1733046404-5vVxmWEpfO3elJscXzSQwkMD.png?width=1200)
あらすじ
厳しい校則のなか長年にわたり名声を保ち続けてきた男子校「スッパロー校」。校則を破った生徒には“呪い”がふりかかるという噂があった。さらにその“呪い”は、日食が近づくほどに強くなるという…。スッパロー校で監督生のリーダーを務めるアックは、同じ監督生であるカンロンやワスワットと共に、校則を破る生徒達の指導をしていた。新学期が始まってしばらく経ったある日、転校生のアーヤンがやってくる。アーヤンは校則で決められている制服を着ないばかりか、指導するアックにも強く反発する。そんな中、デモを起こす生徒達に運転手のいない車が突っ込むという事件が起こる。そこにはアーヤンの姿があり…。アーヤンが転校してきた目的、そして“呪い”の真相とは?さらにアックとアーヤンの関係はどうなっていくのか?
端的にいうと、男子校×ミステリーのような内容になっています。
謎を解いていく中で二人が仲良くなっていくみたいな内容。
ストーリー:いろいろ長すぎ
個人的な感想としては、謎解きシーンとか、問題発生や揉め事のシーンが長すぎたかな…と思っています。途中から冗長な感じ。
ストーリーを伸ばすのであれば、学校で抗議を行う三人組の生徒(名前忘れた)等、脇役の性格を描写したほうが登場人物に感情移入できるのになと思いました。
また、あり得なさそうな設定(「パーフェクトクラブ」(=生徒会みたいな組織)に問題全部押し付けてくる教師たち、厳しすぎる校則)が盛りだくさんすぎて、物語に集中しにくかったです。
それでもEclipseは良い作品であると思う理由
ここまで読んでくれた皆さんの中に、
「えっ、じゃあなんで『The Eclipse』はタイドラマクィア史に残る作品なんて題名つけたんだよ」という疑問を持っている方もいると思います。
『The Eclipse』はそれ以上の良さを持つ作品なのです。
FirstKhaotungの演技がいい
先日『Only Friends』を見たことをきっかけに、FirstKhaotungこと"ふぁかお"のドラマに興味を持ちました。よく二人のインタビューでも上がっていたのがこのドラマ(『The Eclipse』)です。
『The Eclipse』は『Only Friends』よりも前の作品ですが、二人とも相変わらず演技がうまくてびっくりしました。Khaotungは元々演技うまいなと思っていたのですが、特にFirstの演技もすごく良かったです。
心にトラウマを抱えたアーヤン(Khaotung扮)が、完璧主義者のアック(First扮)と悲しみを癒す。
その過程がじっくりと丁寧に描かれています。
ストーリーにやたら口出ししましたが、二人のケミストリーを見るだけでもこのドラマに価値があると思います。
考えさせられるテーマ
このドラマの最も良かった点はテーマ力だと思います。
完璧主義である苦しみ、民主主義や声を上げる重要性、同性愛に対する差別や生きづらさなど、重要なテーマを取り扱っています。
このドラマで私が一番感動したのは、物語終盤に
アックが親に向かって「男が好きだ(英語字幕: I like men)」と告げるシーンです。
BLでよく見かける言葉として
「俺は〇〇(登場人物の名前)だから好きになったんだ」
「お前が男でも女でも好きだよ」
というセリフがあります。
しかしながらこの言葉は時に、実際のゲイカップルを無視した言葉になります。つまり、異性愛規範を念頭に置いた言葉になっているのです。
アックが「男が好きだ」と明言するこのシーンは、ドラマ全体においてアックが「ゲイというセクシュアリティである」上で、アーヤンを好きになったことを示唆します。
ここにおいて、”アーヤンが男である必要性が生まれる”わけです。
アックが物語の初めから「(自分がゲイという事実を認められない/隠している)ゲイである」ということを頭に入れてこの作品を見直すと、また違った見方ができるのではないでしょうか。
私自身LGBTQ+の当事者なので、このシーンに大変勇気づけられました。
まとめ
『The Eclipse』は、役者の演技力とテーマが非常に良い作品です。
作品内に登場する『1984』の小説も読んでみたいなと思いました。