医師と僧侶のカケコミ相談室 第19回 視点を変えれば、最低が最強に変わる
脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」。
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10月14日(月・祝)はスポーツの日。毎年10月第2月曜日がスポーツの日と定められており、「国民がスポーツに親しみ、健康な心身を培う日」だそうです。以前は10月10日が「体育の日」でしたが、2020年にスポーツの日へ改正されました。
秋らしくなってくると、外で体を動かすのが気持ちいいですね。カケコミ相談室では、ウェルビーイング実現には食事、運動、睡眠の三軸を整えることが欠かせないとお伝えしています。将太郎さんがいつも言っているのは、この3つを整えずにプラスアルファの何かをしてもあまり意味が無いということ。普段の食事がいい加減ならサプリメントをとっても効果を感じづらい。睡眠不足が続けば仕事を頑張ってもいいパフォーマンスは出せない。
運動も、年に1回スポーツの日だけだと良い効果は感じられないので(当たり前ですね)、習慣化が大切。そんな私は40代になるまで運動習慣がほぼゼロでした。運動を始めたら、それまで悩みだった疲れやすさ、イライラ、ひどい生理痛、突然やってくる気持ちの落ち込み…などなどが気付いたら解消されていたので、運動の効果は身をもって感じています。
今週のアプリ「InTrip」では、しんがりをテーマに、引き際を決めておくこと、チームワークの大切さなどをお伝えしています。しんがりとは戦で自軍が退却する際に最後尾を担当する人のことを言いますが、敵に背を向ける危険の中で戦い、味方の逃げ道を作るという超重要ポジション。スポーツでいうとディフェンスの立ち位置でしょうか。
スポーツでも、攻められているときにいったんラインを下げて、戦略やチームの士気を立て直すシーンがあります。上手くいかない場面を仕切り直せる力があると、なし崩し的にダメになってしまうことがなく、その後の回復も早いもの。これはスポーツだけでなく、日常でも言えることですね。コンディションが良くない、ショックなことがあったというときに、冷静に立て直すことができれば、雪だるま式に状況が悪化することはないでしょう。
今週のQ&Aでは、望んでいなかった状況になったときの視点の変え方を東凌さんが、人生を好転させるためにできることを将太郎さんが回答しています。誰しも、壁を前にして身動きが取れなくなることはあるもの。そんなとき使える視点の変え方、今日からできる小さな行動をお伝えします!
Q1 新卒から同じ会社で働き続け、移動で降格が決まりました。大企業で管理職へ就けなかった場合プレイヤーに戻るのは仕方ないのですが、年下上司の下で何年も働くと思うと落ち込みます。転職して年収を上げるほどのスキルもなく情けないのですが、どう気持ちを立て直したらよいでしょうか。
Q2 人間関係には傾聴が大事とよく聞きます。人の話を聞くのは得意ですが、自分の話をしたり意見を言うのが難しく感じて、モヤモヤして会話を終えることが多いです。聞く、話すのバランスと自分の話の上手な始め方を知りたいです
Q3 シングルマザーです。仕事を掛け持ちしていて、夜はバタバタと子どもを寝かせてからインスタを見るのが楽しみ。手に職を付けたり将来のために動きたいと思っても余裕がなく動けません。何から手を付けたら人生が好転するでしょうか。
Q4
著名人が「自己投資や経験にお金を使っているから貯金はほとんどない。お金は使った方が入ってくる」とよく言いますが、本当でしょうか。確かに私は節約やポイント交換に励んでいますがお金は増えません。
Q1
新卒から同じ会社で働き続け、移動で降格が決まりました。大企業で管理職へ就けなかった場合プレイヤーに戻るのは仕方ないのですが、年下上司の下で何年も働くと思うと落ち込みます。転職して年収を上げるほどのスキルもなく情けないのですが、どう気持ちを立て直したらよいでしょうか。
A1
「視点を変えると、そのポジションは最強かもしれません」東凌
相談者さんは、管理職になれなかったことにショックを受けている状態ですね。いわゆる出世コースから外れてしまった、年下上司の下で働くことが憂鬱だ…など憂慮する点にばかり目が向いている状態だと思います。
転職の予定はないようなので、視点を変えることで、現状認識を変えてみましょう。まず、相談者さんが管理職になっていた場合、ポジションが上がると同時に仕事への責任、重圧、物理的な労働時間、仕事のことを考える時間なども増える可能性が高いですね。そこにはもちろんやりがいや達成感がありますが、精神的な負担やストレスも伴ってきます。
一方、プレイヤーとして仕事を続ける場合、ポジションや給与のアップが無い分、管理職のような負担増もありません。私は経営者や管理職の方々のコーチング、メンタルサポートを行っていますが、彼らの頭の中は仕事のことでいっぱいです。管理職なら1日のうちで仕事について考えている時間が12時間以上、経営者ならほぼ24時間仕事のことが頭にあると言っても過言ではありません。
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脳神経外科医・道下将太郎&京都「両足院」副住職で「Newsweek」世界が尊敬する日本人100に選出された伊藤東凌が、みなさんからの質問・…
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