医師と僧侶のカケコミ相談室 第24回 人をアートと捉えると、欠点が魅力に!
脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」。
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11月、秋が深まってきましたね。いつも走っている地元の公園は、標高が高いのですでに紅葉が見頃。美しく染まった木々の中、かすかに鳥の鳴き声や風の音が聞こえてきます。樹木が発散するフィトンチッドや自然の音には人を癒す効果がありますが、秋の森は佇んでいるだけで最高に気持ち良く、自然の持つ力を実感しています。
11月17(日)から七十二侯は「金盞香(きんせんかさく)」になりました。七十二候のキンセンカは、キク科のキンセンカではなくスイセンのことだそうです。紅葉の美しさに意識が向かう時期ですが、寒い時季に開花する花たちの姿にもパワーをもらえます。スイセンの葉はニラと似ており、謝って食べて食中毒を起こす例が毎年あるとか。可憐な姿とは裏腹に取り扱い注意!な植物なのです。
アプリ「InTrip」の今週のテーマは、「現代の人間関係は取扱いに注意が必要」というお話。個人の時間、自由を侵害する行為に対して警戒感が強くなっている現代は、良好な人間関係を維持するための時間がとりづらくなっています。そんな現代に必要な人付き合いのマインドとは?
人付き合いにはさまざまな距離感があります。家族や友人のように親しい関係ではないけれど、一定の頻度と距離感でいい関係を続けていく間柄、例えば同僚や地域活動のメンバーなどは、互いを知り合い距離を縮める機会が少ないだけに、特に取り扱い注意なのかもしれません。
とはいえ、家族にだってもちろん気遣いは必要だし、友人といい関係を続けるためにはケアや努力が必要。「コミュニケーションは基本難しいもので、簡単なものは無い」とよく東凌さんが言っていますが、その通りだと思います。
今週のQ&Aには、義母とのコミュニケーションが上手くいかない、自分と人を比べて落ち込んでしまうというお悩みが。人と関わるということは、大きな喜びや幸福感を生むのと同時に、多様な悩みの原因にもなるもの。人の悩みの多くは人間関係の悩みと言いますよね。
医師と僧侶の俯瞰した視点で人間関係を捉え直し、ご自身の人間関係に役立てみてください!
Q1 同居している義母の主張が強く、自分の意見が通らないと不機嫌になります。建設的に話をしたいのですが、すぐむきになり話になりません。どうコミュニケーションを取ったらよいでしょう。
Q2 夫婦ともにリモートワークが日常になり、一緒に過ごす時間が増えてから夫の欠点が目に付きます。気になりだすと欠点ばかりに目がいってしまい、気持ちの切り替え方が分かりません。
Q3 朝時間の大切さは分かっていますが、昔から朝が苦手で(低血圧もあり)起きてしばらくダラダラしてしまいます。朝一番にスッキリ目覚める方法、起きてすぐした方がよいことなど、朝が得意になる方法が知りたいです。
Q4
仕事と趣味のスポーツで努力しても、思うように成果が出ず落ち込んでいます。私より仕事時間も練習量も少ない人が結果を出しているのを見て情けなくなります。人と比較して落ち込んでしまいますが、どう気持ちを立て直したらよいでしょうか。
Q1
同居している義母の主張が強く、自分の意見が通らないと不機嫌になります。建設的に話をしたいのですが、すぐむきになり話になりません。どうコミュニケーションを取ったらよいでしょう。
A1
「今の3倍機嫌をとるつもりで接してみてください」東凌
家族は身近であるだけにぶっきらぼうな態度になったり、言葉足らずになりがちです。さらに、家族と接するときには飾らない素の自分でいたいという思いもあるもの。けれど、日々接する時間が長い家族だからこそ、互いへの気遣いが大切です。
相談者さんは、お義母さんがいつも不機嫌になり話が通じないという認識のようですが、ご自身はどんな態度で接しているのか、一度振り返ってみてください。気遣いなく本心だけをぶつけていないでしょうか。相手が気分良くなる言葉選びはできているでしょうか。家族だから素で接するのがいいと言うと聞こえがいいのですが、素でいるというのは手抜きとも言えます。
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脳神経外科医・道下将太郎&京都「両足院」副住職で「Newsweek」世界が尊敬する日本人100に選出された伊藤東凌が、みなさんからの質問・…
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