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医師と僧侶のカケコミ相談室 第35回 言葉を呪いにするか、祝福にするか?
脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」。
カケコミをはじめた経緯、無料公開のQ&Aはこちらです!
2月3日は立春、寒さは峠をこえてだんだん暖かくなるころです。2月初旬はまだまだ厳しい寒さが続きますが、2月2日の節分を過ぎると季節が前へ進むような気がします。節分と言えば、私が住む関西では恵方巻が定番ですが、地域によってけんちん汁、こんにゃく、そばなどを食べる風習があるようです。大豆ではなく落花生をまく地域もあるようで、同じ行事でも多様性があるのが面白いですね。
多様性というと、人それぞれの個性、地域性などが思い浮かびますが、今週のアプリInTripでは、「一人ひとりが持つ多様性」についてお伝えしています。私たちは子どもの頃から「自分とは何者なのか」を探しながら生きています。人を評価するときも、優しい人、強い人、お金持ち、など分かりやすいひとつの言葉で表現しがちですが、それはあくまで一面であり、誰かのすべてを理解して表現することはできません。そもそも人は変わるもので、昨日の自分と今日の自分は違うというのが仏教的な視点です。そう考えると、自分らしさにこだわる必要はないんだと肩の力が抜けていきます。
節分の鬼も視点を変えれば悪者ではなく、桃太郎が悪者にもなる…というお話をしているので、チェックしてみてください。
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今週のQ&Aでは、親の言葉の影響力について回答しています。子どもの頃に親から言い続けられた言葉で、自分はこういう人間なんだと思い込むこともありますが、その言葉をどう受け取るかは自分次第というお話です。自分で自分を固定せず、多様性を広げていきたいですね!
Q1 子どもの頃から、親に「どうせ無理だからやめなさい」「そんなことうまくいくわけない」などと言われ続けたせいで、「自分にはどうせ無理」と考えてしまい、何事にも積極的に動けません。言葉の呪いから抜け出すにはどうしたらよいでしょうか。
Q2
高校生の娘が、「なんで私はかわいく生まれなかったんだろう、整形したい」などと言い、容姿のコンプレックスが強く心配になります。そのままで十分かわいいとは伝えていますが、どんな声掛けや対応をすればいいのでしょうか。
Q3
自然に触れると免疫力がアップして健康になるといいますが、都心暮らしなので公園を散歩したり観葉植物を育てるくらいしかできません。年に1,2回でも海や山へ出かけるのは効果的ですか?
Q4 60代の母親が老後の資金不足を心配するあまり、過度な節約をしています。外食や旅行、人付き合いも控えていて、心身の健康に悪影響がでそうです。どんな声掛けをしたら気持ちが変わるでしょうか。
Q1
子どもの頃から、親に「どうせ無理だからやめなさい」「そんなことうまくいくわけない」などと言われ続けたせいで、「自分にはどうせ無理」と考えてしまい、何事にも積極的に動けません。言葉の呪いから抜け出すにはどうしたらよいでしょうか。
A1
「言葉から影響は受けますが、行動を選択するのは自分自身」
親に言われ続けた言葉が忘れられず、呪いのように感じてしまうということ。相談者さんは「親のせいで自分が苦しんでいる」と感じているようですね。そこから抜け出すために、3つのステップを踏んで思考を前に進めていきましょう。
3つのステップの前にステップ0としてお伝えしたいのは、親から傷つく言葉を言われたり、親の価値観を植え付けられるという経験は誰しもがあり、相談者さんが特殊な環境にいたわけではありません。そして多くの場合、親に子どもを傷つけようという意図はなく、むしろ子どものことを思って言ったことが裏目に出てしまうケースが多いもの。悪意のある呪いをかけられているわけではないことを理解した上で、ステップ1へ進みましょう。
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