見出し画像

医師と僧侶のカケコミ相談室 第32回 孤独感や焦燥感はそのままでもいい

脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」。
カケコミをはじめた経緯、無料公開のQ&Aはこちらです!

1月20日は大寒、1年でもっとも寒い時季の到来です。私が暮らす関西でも最低気温が1度を下回る日があり、この原稿を書いている今日も、車のフロントガラスが凍っていました。エンジンをかけて氷を溶かし、車を走らせてやってきたのは蔦屋書店。スターバックスコーヒーと隣接していて、1ドリンクで2時間席が利用可能。電源もありPCを持ち込んで仕事や勉強をしている人が多い場所です。

私は家で仕事をすることが多いのですが、たまに場所を変えると集中力がぐんと高まります。息抜きに新刊本を手に取ったり、雑貨を眺めるのもよい刺激に。カフェ+書店という業態、ここ数年で増え定番になっていますが、「既存のもの同士を組み合わせて、新しいサービスや価値を生み出す」という動き、どんどん増えている気がします。

私が最近感動したのは「フレンチおでん」。日本の家庭料理おでんにフレンチ風ソースをかけて、見た目もオシャレ、はじめての味わいで抜群においしい! そうか、この2つを掛け合わせるのはありなのか、と驚きと気付きを得ました。みなさんのまわりにも、掛け合わせでうまれたすてきなサービス、もの、場所はありますか?

今週配信のアプリInTripでは、そんな掛け合わせ発想についてお伝えしているので、チェックしてみてください。

Instagramでも毎日情報発信中です!

今週のQ&Aでは、「充実感ややりがいがない」「訳もなく焦燥感を感じる」というお悩みたいして、人生を充実させるための考え方、行動のヒントなどを回答しています。毎日に刺激を与えたり、やりがいを見つけたいときは、すでにあるもの、これまでやってきたことを掛け合わせてみるという発想も役立ちそうな気がします!


Q1 40代半ば、子どもの手が離れて自分の時間が増え、仕事や趣味に没頭したり、夫や友達と過ごす時間もあります。けれど、理由のわからない孤独感や焦燥感におそわれることがあり、そんな自分の心とどう付き合ったらいいのか分かりません

Q2 今の仕事に不満はありませんが、特別なやりがいや思い入れはありません。安定した仕事があるのはありがたいですが、情熱や生きがいがない人生なのかと気持ちが沈むことがあります。こんな悩みはぜいたくでしょうか。

Q3 早期リタイア、FIREなど、経済的自由を手に入れて仕事をやめるという生き方についてどう考えますか? 憧れますが、私の周りにはそういう人がいないのでイメージしづらいです。

Q4 今年40歳になる独身男性です。今は仕事が充実していて老後のイメージができないのですが、高齢になると不安やさみしさが増すものでしょうか。医師という立場で高齢の方と関わる中で、老後へ向けてどんな準備が必要だと考えますか?


Q1
40代半ば、子どもの手が離れて自分の時間が増え、仕事や趣味に没頭したり、夫や友達と過ごす時間もあります。けれど、理由のわからない孤独感や焦燥感におそわれることがあり、そんな自分の心とどう付き合ったらいいのか分かりません

A1
「埋められないピース探しの最終段階にきています」東凌

子どもの頃、なんとなく暗闇がこわい、1人でいると不安になるということはありませんでしたか。なぜ不安やおそれがやってくるのか分からないけれど、明るい場所へ行き、親に抱きしめてもらうと安心できたものです。

10代、20代のころは、漠然とした将来への不安や焦りを、友達とはじけて遊んだり飲み明かすことで埋めていきます。それからやりがいのある仕事を得たり、信頼できる仲間や家族と出会うことで、より深い充実感や安心感を得られるようになっていきます。

理由が分からない不安、孤独感、焦燥感は今に始まったことではなく、1つピースを埋めたと思ったら、まだピースが足りなていないことに気付く。その繰り返しではないでしょうか。そして、相談者さんはそんなピース探しの最終段階にきているようです。

ここから先は

3,650字 / 4画像
医師と僧侶が、皆さんの人生相談、質問、疑問にお答えします!毎週月曜、月4回配信、新しい視点、価値観、ヒント、アイデアをお届け。人生を一緒に前進させていきましょう!

脳神経外科医・道下将太郎&京都「両足院」副住職で「Newsweek」世界が尊敬する日本人100に選出された伊藤東凌が、みなさんからの質問・…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?