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医師と僧侶のカケコミ相談室 第15回 人間関係の心得は〝甘酒より水”

脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」。
カケコミをはじめた経緯、無料公開のQ&Aはこちらです!

まだまだ暑い日中ですが、朝晩の空気に秋を感じるようになりました。早朝5時にランニングへ行くとだいぶ涼しく、朝日が昇るのを眺めながらゆっくり走ると、体が気持ち良く目覚めていきます。
9月12日は、七十二候の「鶺鴒鳴(せきれいなく)」。秋の澄み切った空に、鶺鴒の鳴き声が響き始めるころ。朝一番に鳴く鳥たちの声を聞いていると心地よくなってくるのは、鳥の声に私の心身が共鳴するからですね。

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アプリInTripでは、そんな共鳴をテーマにした記事を12日(木)に配信します。思いを美しく響かせるためにしたいことをお伝えしていますので、ぜひ覗いてみてください!
皆さんは、どんな話や、どんな人に共鳴していますか?「うんうんそうだよね、同感」「この人の話を聞いているとワクワクする!」そう感じるのはどんなときでしょうか。

この記事を書く直前まで、東凌さんと将太郎さんにQ&Aの回答を聞き取りしていたのですが、まさに共鳴の嵐でした。「なるほど、おっしゃる通りです」という共鳴ももちろんですが、お話を聞いていると、鳥の声を聞いているときのようにフワッと心地よくなる感覚があります。それは、お2人の発するエネルギーが高いから、というとスピリチュアル感満載ですが、根底にあるのが愛と尊敬だから、だと思います。

将太郎さんは美容医療も手掛けますが、患者さんの状態によっては施術をお断りすることもあるそうです。相手にとって本当に効果や意義があることでなければやる意味が無いので、高額な美容医療より生活を整えるためのアドバイスで終わることもある。相手の状態を見極めた上で、本当に必要な提案をしたいという愛ですね。このお話は、また後日のQ&Aで詳しくお伝えしますので、楽しみにしていてください!

20代の頃フェイスエステに行ったとき、肌の内側のシミ予備軍が透けて見えるという機械で顔をチェックされ、「うわ~大変!これは放っておいたらシミだらけ!30代悲惨なことになるわ」と言い放たれ、高額なフェイシャルコースと基礎化粧品、サプリメントをセールスされてまんまと契約したのは私です。友達に「騙されてるよ」と諭されててクーリングオフした苦い経験を思い出しました。エステの人も売り上げのために必死だったのでしょうね!それとも私をシミから救いたいという愛だったのか?(笑)

今回も、医師と僧侶の高いエネルギーが乗ったQ&A4つ、お楽しみください!


Q1 上司から個人的な話をされたり、社員旅行へ行かない理由を聞かれたり、仕事以外のことに干渉されたくありません。チームの結束を深めるために飲みにいくというのも気が乗らないのですが、これは世代間ギャップなのでしょうか。関わり方に悩んでいます。

Q2 最近は、買い物や子どもの教育関連の申し込みなど、何をするにもネット上で詳細なデータを求められます。決済や申し込みなどほとんどがネット上で完結する今、自分や家族の情報がダダ漏れなのが不安です。気にし過ぎなのでしょうか。

Q3 人生には人脈が大切といいますが、具体的に人脈づくりのために何をしたらいいでしょうか? 異業種交流会に出るくらいしか思いつきません。

Q4 中学生2年生の息子の進路について。そろそろ進路を考える時期ですが、こちらから話をしても「まだ考えていない」「やりたいことなんてない」という返事。やりたいことがないからこそ、可能性を広げるために勉強した方がいいと思うのですが、私と夫の話は響かないようです。どんな関わり方がいいのか悩んでいます。


Q1
上司から個人的な話をされたり、社員旅行へ行かない理由を聞かれたり、仕事以外のことに干渉されたくありません。チームの結束を深めるために飲みにいくというのも気が乗らないのですが、これは世代間ギャップなのでしょうか。関わり方に悩んでいます。

A1
「馴れ合いやベタベタな関係は長続きしないものです」東凌


時代ごとに空気感があり、世代間ギャップ、感性の違いといのうは確かにあります。けれど、私は相談者さんのお話に共感できます(私はおそらく相談者さんの上司の年齢に近いと思います)。世代の違いという考え方に捉われると本質が見えなくなるので、視点を変えるお話を2つしたいと思います。

1つ目は、人間関係は薄くていいという視点です。「君子の交わりは淡きこと水のごとし」という荘子の言葉があります。「良くできた人物は他人の実情に深入りしない。良好な関係を維持するには、水のようにアッサリした付き合いがいい。反対に、つまらない人物の交際は甘酒のようにベタベタしており、一時は密な関係を築いても長続きしない」と言っています。

茶道裏千家の会員組織は「淡交会」という名称で、この荘子の言葉を由来にし、「淡々として水が流れるようになにごとにも執着せず、感情に流されない平常心の交わりをする」という意味で名づけられました。禅の教えも執着やこだわりを手放すことを説いています。

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