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ぼっちこそ海外でうまくいく
はじめに
海外で働く日本人を見ていると、ホームシックに悩む人が意外と多い。理由を聞くと、日本で定期的に会いたい友人が多くいるのに会えない、現地で人間関係がうまく作れない、そんな話がよく出てくる。
しかし、そもそも日本にいたときから「ぼっち」なら、話は違う。人とつるむのが当たり前の人にとっては海外生活が辛く感じるが、一人でいることに慣れているなら、むしろ海外のほうが快適に暮らせる可能性が高い。
ぼっちの強み
自分自身を振り返ると、日本では定期的に会う友人はいるものの、頻繁に会うのは正直しんどい。何か没頭できる趣味があるわけでもないが、一人でいるほうが気楽なタイプだ。週末は必ず片方は予定を入れず、自分の時間にする。そんな生活が心地いい。
友人の数を誇る人もいるが、それを見ても何とも思わない。むしろ、信頼できて、たまに大笑いできる友人が数人いて、たまに会えれば十分だと思っている。
そんな性格だからか、海外でも人間関係で悩むことは特になかった。むしろ収入が増え、経済的な安心感が生まれたことで、日本にいたときよりストレスが減った。
収入の話
円安の今、国さえ選べば日本より収入アップは難しくない。そもそも、日本の賃金は低すぎる。自分も数年前まで日本でサラリーマンをしていた。Big4と呼ばれる大手会計事務所でシニアアソシエイトとして働き、決して低収入ではなかったが、それでも今の収入は当時の倍近い。残業も60-80時間/月が10-20時間/月となった。
シンガポールは所得税が低く、額面の9割ほどが手取りになる。結果として、日本の倍以上の貯金ができる。
ChatGPTにシンガポールの所得の中央値を聞いてみたところ、52万円/月となっているようだ。ただ実態として30歳近いシンガポール人若手社員を採用したいとなると、月々52万円だとかなり難しいのが実感だ。
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外国人はどうだろうか。ビザ発給の要件に最低給与の要件がつくことを前提にすれば外国人はそれ以上の稼ぎになることが多いだろう。事実100万円/月以上稼ぐ友人は多くいる。
貯金と資産形成
生活水準と住む国を間違えなければ、日本より貯金できる国は多い。自分は駐在員ではなく、生活費はすべて自分持ち。それでも、日本にいたときの2倍以上は貯金できている。
現在の生活費は月約50万円。高いが、QOLを重視しているので必要な出費だ。毎月の旅行や外食を減らせばもう少し抑えられるし、シェアハウスにすればさらに20万円は削れる。それでも、十分な貯金ができている。
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さらに、海外での収入を活かして資産形成にも力を入れている。シンガポールの高金利の預金や投資信託、不動産投資、個別株など、多くの選択肢があり、シンガポールのようなキャピタルゲインに対して税制優遇のある国で資産運用を行い資産を効率的に増やすことができている。
これは再現性が低いとは思わない。オーストラリアワーホリでも多額の貯金ができることはよく聞く。円建てベースの資産額であると円安の中さらに加速する。
ただ、あくまでも英語については自信をつけてから海外に出たほうがいい、ワーホリの現実は厳しいといった話は英語力が乏しいケースでよく見受けられる、海外で職を探すのに当たり前だ。
ぼっちこそ海外に出稼ぎを
日本で「ぼっち」なら、海外生活も問題なく適応できるはずだ。日本での人間関係に大きな執着がない分、ホームシックになるリスクも低い。寂しくなったら現地で友人を作ればいいし、年末年始に帰国すれば、日本の友人や家族にも会える。
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「海外に出たら一生帰れない」と思うかもしれないが、そんなことはない。いつでも帰ろうと思えば帰れるし、日本に戻ってまた働くこともできる。選択肢が増えるだけで、失うものはほとんどない。
自分も昔は交友関係を広げようと積極的に動いていたが、コロナ禍を経てその熱はすっかり冷めた。今は気の合う友人がいればそれでいいし、無理に人間関係を広げようとも思わない。
人生は一度きり。迷っているなら、思い切って踏み出してみる価値はある。海外での経験は、自分の世界を広げ、経済的にも精神的にも大きな自由を手に入れるチャンスになる。やらずに後悔するより、まずは一歩を踏み出せばまた違った人生が見えるのかも。