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インコを飼う。①


仕事から離れて
一番の変化と言えば…

インコを飼い始めたことかも知れない。

窓の外から聞こえるさえずり。

集合住宅に長年住んでいる。
もうかなり古い歴史のある住宅。

当然ルールとして動物を飼うことは厳禁。
しかも棟の管理人をしている我が家。
ルールを自ら破ることは出来ないことは分かっていた。

犬も猫も家飼いが主流になった今。
ルール違反もちらほら見受けられても
誰にも迷惑がかかっていないというのが事実であり
苦情は何一つないのが現実。

ひとり居間で
(リビングではないのが古さを物語り笑える)
パソコンに向かっていると
静かな空間の窓越しに聞こえてきたのが
懐かしいインコであろうさえずり。

インコはかつて幼少期に生家で飼っていた。
記憶にある音。
「あぁ。インコの声だ。」
と懐かしい気持ちで聞き流していた。

ひとりの時間の流れが重なっていくうちに
そういえば日中
声を出していない自分にハッとする。

テレビ、モニター、SNSからの情報で
声を出して笑うことすらない時間。

恐ろしいことに気付いてしまった!!

声を出すのも嫌気がさす時でさえ
無理にでも声は出さなければならない
対、人間との生活から離れると
こんなにも無言になってしまうのであろうかと
ハッとした。

決して黙っていることが苦痛ではないにせよ
これにも限度があると
窓の外から聞こえるインコのさえずりで
我ながら危機なのかも?!と
思ってしまった。

仕事をやめて半年もたたないうちに。

そうだ。インコを飼おう。

主人に何気なく言ってみた。

「インコを飼いたい。」

当然、管理人である立場の考えで
「は?ダメに決まってるだろ?」

・・・ですよね( ̄▽ ̄;)
そう言われると思ってました。

でも他所では犬なり猫なり飼っている人がいることも
主人は知っているし
それはけしからんとも思っている。
ただ、立場上(笑)

何を隠そう
主人は動物は好きな人である(笑)

外からインコのさえずりが聞こえることも伝えた。
そして外の掲示板に大家でもある本元からの
ペット禁止の張り紙も舐めるように見直した。

「近隣に迷惑のかかるペットの飼育は禁止。」

ん?意味深。

・・・うーん。迷惑とは何ぞよ?
鳴き声か??

でもここは何とでも工夫次第で出来る。
とか
インコの鳴き声、さえずりは野外の鳥たちに紛れる
とか
自分の都合の良い解釈ばかりが脳裏をかすめる(笑)

どこかのお宅も飼っています。
なんていうナンセンスな話を持ち掛けるのではなく
掲示板のペット禁止の文章のニュアンスを
うまく解釈してしまっている自分。

つまりは迷惑をかけないこと必須の責任を負う覚悟
それをひしひしと育て上げるのみ。

それからの日々。
ひとりごとのように
「インコ欲しい。」
「日中に声を出す相手がいたらなぁ・・・」

まるで洗脳作戦。

見るだけ。ペットショップ。

見るだけならいいでそ??
とまるでホテルに女性を
「休むだけだから・・・」
と連れ込むように
「見るだけ」と主人を連れ立った。

まさか
ペットショップに行くなんてことが
現実に訪れるとは。

仕事をしていた頃は
ペットのぺの字も思い浮かばなかったはずなのに
時間というものが有り余るようになったら
こんな発想が浮かんできてしまうもの。

というか
単純に何かの世話をしていたい人なのかも知れない。

訪れたペットショップには
当然お目当てのインコたち。
でも主人には硬くガードされていたので
洗脳の効果は及ばず。。。。。

飼ってしまえばこっちのもの。
という作戦も見事に散った。

目がキラキラするほど可愛かったのにと
残念がっているワタシに対して主人、
「どうせ飼うならひな鳥でないとね。」

ん?
今、なんて言った??
飼うならひな鳥??

・・・まんざらではないのではないか!!
ウケる。( ´∀` )

でも確かにひな鳥はその時のペットショップにはいなかった。

主人も実は実家でインコを飼っていた経験者。
亡き義父が動物好きで
鳥ブームの時はインコの他にも文鳥もいたそうだ。
鳥には免疫がある。

主人の知識でひな鳥は春過ぎてから出回る。

それが本当か嘘かはどうでもよく
ペットショップに出向いたことで
必然的に主人の中でイメージを植え付けることに
自然と成功していたようだ。

シメシメ・・・
無駄ではなかったと思う。思いたい。

でも更に強敵が我が家にいた。
「娘」。
大の鳥嫌い。→マジか。

春過ぎて。静かに決行する。

SNSで小鳥たちの動画を見ていると
娘からはその度に文句と忠告。

「インコ?やめてくれる??鳥嫌いなの知ってるよね??」

その言葉を聞いている主人も
さすがに諦めてくれるであろうとまだ反対派。

インコもペット。
ここはペット禁止の集合住宅。
他の家からインコのさえずりが聞こえようとも。

そのスタイルは頑な( ̄▽ ̄;)

6月末、週末。
長男の投資している「お馬さん」が
久々にレースに出る!とのことで
毎回買ってメモリアルにしている
がんばれ馬券を買いに行くことになった。

ペットショップ方面(笑)

馬券を買ったら暇だし
また覗きに行きたいという名目で
実は迎える気、満々というのも伝えた。

溺愛している相手
娘がダメだと言っているということが
かなり引っかかっているらしい。
娘の意思に反する行動はしたくない思いの主人。

そして
娘の意思に反してでも
自分の意思を優先するワタシ。

その前に
「ひな鳥が入荷しました」
という情報も実はチェック済みであった。

もう行くしかない。
行けば手ぶらで帰ることはないだろう。

ワタシのシナリオは
ワタシという監督とワタシという助監督のもと
もう既に始まっていた。


②に続く𐤔𐤔𐤔

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