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マイルチャンピオンシップ 前走評価

前走評価

アルナシーム

逃げ馬から3列目の好位を確保するも直線では勝ち馬に並ぶ間もなく突き放された。やや差し優勢の展開ではあったがG2レベルではやや力不足の印象受けた。輸送の短い関西圏(特に阪神)では好走目立ち、滞在競馬でも勝利や好走の実績があるのに対し、関東圏は中山も含めて好走なし。長距離輸送がこの馬のネックな部分なのかもしれない。

ウインマーベル

高速馬場の続いていた中山開催。スプリンターズSも直近10年では最速の決着時計。この馬なりにいいスタートは切れたがテンに速い馬がいたこともあってポジションは中団辺り。もう少し前で競馬が出来れば理想的な位置で運べたが前半の3Fは32.1という過去最速。1400mがベストのこの馬には忙しかった。先行争いをしていた馬たちが下がった事による5着。勝ち馬は厳しい流れを3番手から押し切っているのを見ると1200mでは力差がある。速い上がりが使えるタイプでもないだけに距離を伸ばして2,3番手から持続力で押し切るレースが合う。

エルトンバローズ

超内前有利のレースで8枠から2番手につけて3着。末脚性能の差で勝ち馬に抜けられたが先着を許した2頭よりは重たい斤量を背負っていた。昨年もこのレースを前残りで勝っているようにこの舞台が合っている。かなり恵まれての3着でレースぶりからは特に評価できるポイントはない。

オオバンブルマイ

この馬は1200mのレースではテンのスピードが足りず後方からの競馬しかできない。今回も最後方からの競馬だが出遅れているというよりは置いてかれている状態。直線では右往左往していたように満足行く競馬は出来ていないはず。現に脚を余す形でゴールを迎えている。本来超絶Hペースなら後方に展開が向くが、4角12番手だったナムラクレアが3着に入線しただけで8着までに入線した馬は馬群の半分より前で競馬していた馬たち。これが能力差によるものなのか、前有利のバイアスが出ていたのかは要考察必要。

コムストックロード

近走は1200や1400mをメインに使われていて久しぶりのマイルのレース。距離延長ながら折り合いを欠くこともなく4番手先行。格上のメンバー相手に展開向かずの6着は悪くない。ましてや外が伸びるコンディションで内を通ってのものなら尚更。2歳時の1勝クラスを勝利してから勝ちこそないがちらほら重賞で成績を残している。基本的には狙い時は難しいタイプではあるが京都牝馬Sではナムラクレアと遜色のないレースが出来ている。トラックバイアスなどを味方につけられればといったところ。

ジュンブロッサム

極端に展開が向いた印象はなく、唯一4コーナー二桁番手からの差し込みは評価できる。元々条件戦を勝ち上がってくる過程でもレコードを2度更新していた馬であり、直近でも1.31秒台の超高速馬場でも2勝している馬。この馬にマッチした馬場状態であったことは間違いなさそうだが、G1級の馬を負かしての勝利なら実力で勝ち取った勝利。

セリフォス

五分のスタートを切れたのにソウルラッシュを意識し過ぎたのか、控えるよう指示が出ていたのかわからないが馬とのリズムを崩してしまった。直線でも前が開かず追い出しが遅れて外に進路を変えるも時すでに遅し。ダイワメジャー産駒は早熟説を唱える人、この敗戦で力負けと見る人が一定数いるなら次走オッズが甘くなり妙味見込める。少なくとも富士Sを見る限りまだこの馬は終わっていない。

ソウルラッシュ

好スタートを決めた直後は2,3番手だったがすぐさま他馬に交わされ最初のコーナーでは7,8番手で通過。道中はこの馬に対し蓋をするかのように隣にルメール。真後ろにはセリフォスといった完全マークされた状態。その中で内側の進路を見出し少し前が詰まる瞬間もありながらの2着。勝ち馬との斤量差、進路のスムーズさを考慮しても力負けではない。

タイムトゥヘヴン

この馬のベストな距離は間違いなくマイルだとは思うが追走力は足りない。必然的にほぼ最後方となる為どうしても好走には展開の恩恵必要。実際に後方から競馬をせざるを得なくなってから前が潰れるレースばかり馬券に絡んでいる。今回のレースは同じように最後方待機だった馬が上がり最速を使ったが、9着止まりで物理的に届かない位置からの追い込み。さらにこの馬は上がり上位の脚を使いながらも直線で2,3回前が塞がっている。もう少し良い着順は残せたと思うが馬券内までは厳しかった。次走以降も前が潰れる可能性あるレースなら。

チャリン

前走は直線競馬の1600m戦。斤量60キロを背負い前有利の展開を押し切っての勝利。負かした相手も2着馬は今年のドバイターフ勝ち馬3着馬はイギリスのサンチャリオットSというG1勝ち馬。戦っていた相手が弱いということはなさそう。この馬は今年だけで既に7走しており全連対のG1を3勝。出走していたレースのほとんどは直線競馬。脚質は先行タイプ。
今の日本の芝馬は世界レベルで見るとここ数年明らかに勝てなくなってきた。春の高松宮記念・安田記念と海外馬が参戦して結果を残してるように、比較的賞金の高い日本に来て稼いで帰るというケースが目立つ。この馬もレーティングでいえばかなり高い部類に入る馬。簡単に軽視はできそうにない。

ナミュール

昨年の富士S辺りから2走前の出遅れたヴィクトリアマイルを除き安定した走りを見せている。元々このぐらいのポテンシャルは秘めていた馬だが成績が残っていなかった。今回の勝ち馬はアタマ1つ抜けて強かったがスムーズに走れればこのぐらいの能力を持つ馬。今までこの力を出せなかった原因の可能性の一つとして騎手が挙げられる。というのもずっと主戦だった横山(武)から乗り替わってから成績が安定しているのが事実。もちろんこの馬の出遅れや運の悪さなども着順に影響していることは間違いないが鞍上の確認は必須かもしれない。また後方脚質である以上力を出し切れない可能性は毎度考慮する必要あり。

ニホンピロキーフ

馬場の内側を空けながらのレースで良い部分と悪い部分の境を走り最低限の距離ロスで済んだ。完全に外差し馬場でこの馬より外を回した追い込み勢が2,3,4着。トラックバイアスにやられた印象。ただ勝ち馬はこの馬より内を走りポジションも前だったことを考えれば完敗としか言いようがない。G2でも実績のある馬でこの辺のクラスでは上位と見られての1番人気だったかもしれないがレースぶりを見る限りリステッド辺りが妥当か。

バルサムノート

8枠17番大外からの競馬で脚質的には厳しい枠ながらも自分の競馬はできていた。重賞ではまだ好走歴ないが東京のマイルを逃げて5着なら悪くはない。更にこのレースは過去10年で見ても距離延長馬が全く馬券に絡まないレースでもあり臨戦過程もきつかった。この馬はモーリス産駒らしく距離延長より短縮向きの馬で力を最大限に発揮できたとは思えない。次走前が有利になる馬場コンディションなら積極的に狙う。

フィアスプライド

差し展開のレースを5番手先行から4着。先行馬の中では最先着と評価できる内容。本質的には1600mがベストの馬で1800mは1F長かった。この馬は明確に距離短縮向き。距離延長時は1-0-0-4に対し短縮時は2-2-0-1。馬券外になった1回は4着とほぼパーフェクトの成績。次走マイルに短縮してくればローテーションとしてはよさそう。

ブレイディヴェーグ

差し展開を味方に付けたが内容は強いの一言。牝馬限定戦とはいえG1でも実績のあるマスクトディーヴァを楽々差しきり。長期休み明けで+12キロ、斤量も57キロ(牡馬換算59キロ)を背負ってのものでこのメンバーでは抜けて強い。昨年のエリザベス女王杯以外は全て直線の長いコース。末脚の爆発力を活かせる舞台なら牡馬混合でも通用してもおかしくない。

マテンロウスカイ

豪華なメンバーが集まったレースで12番人気5着なら大健闘と言える。ただSペースからの前残りレースの恩恵はあった。道中で折合いをやや欠いていた分最後の脚に影響あったかもしれない。気性面的には距離は伸びて良くないタイプ。1800mぐらいが丁度いいのかもしれない。

レイベリング

差し展開のレースを3,4番手先行から押し切るいい内容のレース。直線に向いた時には伸びるポジションへ持ち出し後続の末脚を封じ込めた。メンバーレベル的には大したことのない相手だったが展開に反しての勝利はある程度評価できる。距離は1400mが一番安定してはしれており現状はこのぐらいがよさそうではある。

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