「当たり前」と波
2023年のGWに金沢の『鈴木大拙館』へ行った。
白を基調としたシンプルな外観に非日常的な水源の配置により当初はTikTokなどでもたまに情報が流れているような場所だった。
かくいうボクも綺麗だなーくらいな感覚で見に行ったのを覚えている。
鈴木大拙さんは禅という考え方を西洋へ伝播していったパイオニアで、とっても優しそうな眉毛の長いおじいちゃん。気に入りすぎて帰りがけに本を買った。(鈴木大切の名言365日)
ミュージアムの奥には白い塀に囲われた庭があり、凪いだ水が張られている。
と思いきや「チャポン」と定期的に波が起こされる。それがまた凪に戻っていく様子をぼーっと眺めているのが気持ちよかった。
今振り返って感じたのは、水凪の状態が「当たり前」と思ってしまうことが多い。
波は起きるし、自分が起こすことだってある。
凪があるのは当たり前じゃないし、波もずっと続くわけではない。
波があるから凪が愛おしく、凪があるから波でも落ち着いていられるのかもしれない。
当たり前はなく、波は来る。凪はくる。
そんなことを示してくれていたのかもしれないという備忘録。