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横浜近代建築の魅力

今回は横浜の近代建築の魅力について、簡単に説明してみたいと思います。
(本文には英語での説明も併記します)

年間約3,700万人(2019年)の観光客が訪れる人気の観光地・横浜は、4つのクルーズ船ターミナルを持ち、外国人観光客が多く訪れる場所でもあります。
ただ、通訳ガイドにとっては、横浜は案内するには難しい場所という声もあります。それは、日本人にとってはエキゾチックで魅力的な横浜が、外国人の目には日本的な風景に乏しく、あまり特徴のない都市に映るからでしょう。
しかし横浜には開港以来、日本人と外国人が織りなしてきた歴史が蓄積されています。その歴史が刻まれた建築や街並みから、外国人にとっても興味深いストーリーを語ることができます。

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横浜という都市の魅力 - The charm of Yokohama

横浜という都市の魅力は、他の都市とは少し違った異国情緒漂う街並みにあります。
その景観をつくり出している一つに、特徴ある西洋風の建物、すなわち近代建築があげられます。

一見、何の変哲もないような現代的な通りに、突如としてあらわれる英国調のレンガ建築、クラシックな銀行建築、多様な意匠の教会建築、そして建物の間にひっそりと残る旧外国人居留地の遺構など、それらを訪ねることにより、横浜での思い出がさらに印象深いものとなることでしょう。

The charm of Yokohama lies in the exotic cityscape, a bit different from the other cities in Japan.
One of the cityscape elements is the modern architecture appearing in ordinary streets, with distinctive Western and Japanese designs, such as British-style brick buildings, classical banks, and churches with various motifs.

Furthermore, the remains of the former foreign settlement are tucked in the streets.
By visiting them, your memories of Yokohama will be even more impressive.

横浜は近代建築の宝庫 - Yokohama, a treasure trove of modern architecture

横浜は1859(安政6)年の開港以来、世界に開かれた港町として、それにふさわしい西洋風の建築が数多く建てられました。
そのような中で、著名な建築家たちは腕を競うように、日本の玄関にふさわしい見事な建物を手がけました。

残念ながら初期の建物の多くは、1923(大正12)年の関東大震災で損壊してしまいましたが、それでも震災を生き延びたクラシカルな明治・大正期の建物や、震災復興期に建てられた戦前の華やかなアール・デコ調の建物、戦後から高度成長期の昭和モダニズム建築、さらには現代のポスト・モダンな最新建築など、各時代を代表する美しい建物が街を彩っています。

代表的な建物には、大正から昭和初期に建てられ横浜三塔と総称される、神奈川県庁本庁舎(キング)・横浜税関(クイーン)・横浜市開港記念会館(ジャック)があります。

Since the port opening in 1859, many Western-style buildings have been built, suitable to the international port city, with prominent architects designing splendid buildings as if competing for their skills.
Unfortunately, many of the early buildings were damaged by the Great Kanto Earthquake in 1923, but some buildings still decorate the city beautifully.

They are the classical Meiji and Taisho structures surviving the earthquake, the gorgeous art deco buildings, the Showa modernist architecture from the postwar to the high-growth periods, and the latest post-modern architecture.

The representatives are the so-called Yokohama Three Towers: Yokohama Port Opening Memorial Hall "Jack," Yokohama Customs Office "Queen," and Kanagawa Prefectural Government Main Building "King."

近代建築は歴史の証人 - Witnesses to Yokohama's history

それらの近代建築は国際港湾都市・横浜の歩みとともに作られ、歴史の証人とも言える貴重な存在なのです。
それぞれの建築は見た目の美しさといった外観だけではなく、その時代背景、その建設に関わった人々の思い、それを舞台に繰り広げられた数々の興味深い物語を持っています。

それらを知ることによって、何気なく見ていた建築と周囲の街の景色が、ますます輝きを持ったものとして見えてくることでしょう。

Those precious buildings are witnesses of the town's history, built along with Yokohama's development.
Not only has a beautiful appearance, but exciting stories related to the background of the time, thoughts of the people involved in the construction, and memories of the people who used the structure.

Once you know the stories, the scenery of the buildings and surroundings will become more and more attractive.

建築を巡り街の記憶をたどる - Tracing the memories of the city while visiting the architecture

横浜の名建築の多くは港の近く、関内と言われた地区にあり、歩いて回るのにほどよい距離で存在しています。
それぞれの建築を見るだけではなく、建築を巡りながら通りを歩くことにより、秘められた街の記憶をひも解くことができます。

点在する鉄道や港湾施設などの産業遺産、日本大通りや山下公園などの公共空間、そして旧外国人居留地の遺構などの街に残された痕跡を丁寧につなぎ、読み解いていくことによって、今では見ることのできない、ありし日の横浜の光景が浮かび上がってくることでしょう。

Many of Yokohama's famous buildings are located near the harbor, in the area called Kannai, and are within a moderate distance to walk around.
You can trace the hidden memories of the city while walking the streets and visiting the buildings.

Suppose you carefully connect and interpret the traces, such as the industrial heritage, public spaces including Japan Boulevard and Yamashita Park, and the remains of the former foreign settlement, Yokohama's sights in the past would loom up in your mind.

横浜の近代建築を巡るツアー Yokohama Modern Architecture Tours




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Aki@全国通訳案内士(英語)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! これからもご愛読いただけると嬉しいです!