株式投資のアプローチ
私は長期の株式投資を勧めている。
そんなにうまい話なら良い銘柄を教えて、という人へ。
私もたまに推奨銘柄を聞いちゃうけれど、投資信託の運用担当(ファンドマネージャー)でも、1秒後の値動きさえも予測はできない。プロなら・長年やってる人なら・利益を出している人なら、これから上がる銘柄を言い当てられるだろう、というのは危険な認識だ。インデックス型の株式投資信託かETFを買っておくのが、手軽にリスク分散できて、情報収集に要する時間を節約できて、心理的負荷も少ないのでおすすめ。
個別銘柄の良し悪しを他人に決めてもらいたがる人は、個別株取引をすべきではない。過去のことならデータがあるから、いくらでもフカせる。テンバガーを何度も引き当てた方法とか、3銘柄厳選で年利15%達成した方法とか、情報の価値としてはゴミだ。そんな上手い方法があるならとっくに方法論として広まっているはずで、ゲームの参加者が同じ戦略を取り始めるとその戦略の有効性は下がる。人を出し抜くならこっそりやらなきゃ効果が無い。だから「教えます」と宣伝している時点で必勝法になり得ない。もしもリアルでそう言う人がいたら「すごいね、おめでとう」だけ言って相手にしない。
私は、自分と家族にとって価値のある株主優待を取りに行くのと、一時的に大きく下げる老舗安定大型株を買うのが好きだが、全世界株の投信・ETFもREITも持ってるし、ボロ株に遊んでもらうこともある(29円で5千株買って34円で売るとか)。売買はちょこちょこしているが、基本はバイアンドホールドだ。
でも、上場株式投資には上記以外にも無数のアプローチがあり、どこにチャンスが転がっているかはわからない。低め安定株がTOBでストップ高というのも何度か経験した。取引少なめな地味な銘柄が自社株買いでストップ高ということもある。こういうのはファンダメンタルもテクニカルも役立たずで運任せだ。だからこそ、スタイルを一つに決めず、あれこれ試して良い。まめな人なら自分指数を作っても良いだろう。市場のトレンドも刻々と変わるので、食わず嫌いや固定的な方法を決めずに、いろいろチャレンジ。自由な基準で売買できるのが個人投資家のメリットなのだから。