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【第4節】関東大学サッカー"会場問題"のおはなし

大学サッカーって会場が遠い。そう思うことがある。いや、そう思うことしかなかった。

遠ければシンプルに「遠い」
近くても「そういえば、あそこ今日の何倍の時間がかかったな」
結局「遠い」という意見に着地してしまう。

大学自体は都内にほとんど集中しているのに、なぜ山梨まで飛ばされなくては行けないのだろう。高校サッカー選手権は大きな会場を使えるのに…と思う人も少なくないだろう。そこにはアマチュアサッカーの抱える諸問題があるが、私のような大学生には知り得ない観点もきっと多い。

今回の記事は私が経験してきた関東大学サッカーの会場問題について。
ここからは悪いことを書くように見えるが、割といいことを書いてみたい。なので、最初にいいことを書いて、後々改善すべき問題点についても触れたいと思う。

もちろん、この記事は会場確保に動いている方々をバカにしたり、もっと頑張れというような傲慢な記事ではないことを先に述べておく。いつか、ここに書いたことを「あの頃はああだった」と笑える日がくると信じている。

【いいことブロック】

1 都内でのリーグ戦開催
大学サッカーにおいて、特に上位は東京にメインキャンパスを構える大学がほとんどを占めている。(流経大、筑波大などは例外)昨年開催された関東大学サッカーリーグ1部・全132試合のうち、都内の会場で開催された試合は46試合。全体の34%という結果となった。

会場ごとの細かい内訳を見ると、
・味の素フィールド西が丘 25試合
・味の素スタジアム西競技場 12試合
・江戸川区陸上競技場、多摩市立陸上競技場 ともに3試合
・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 2試合
・夢の島公園陸上競技場 1試合

以上のように、大学サッカーの「聖地」というべき西が丘での開催が多い。しかし、西が丘の開催もほとんどが前期リーグに集中しており、後期はわずか7試合(日にちにすると4日)となっている。続く味スタ西は12試合となっているものの、開催時期にはバラつきがある。遠い会場の間にある束の間のご褒美的要素もやや感じられた(笑)

西が丘に関しては駅から一本道を歩けば良いだけの道であるため、アクセス良好といっても過言ではないだろう。また、スタンドとピッチの距離も近く、選手たちの一挙手一投足を間近で感じることができる。大学サッカーデビューをするには西が丘での観戦がおすすめだ。バイトをしながら生活する一般大学生において、週末わざわざお出かけするなら都内での観戦が良いだろう。

2 遠くてもいいこと Jリーグ規模スタジアムでの開催
大学が多い都心から会場が遠くても、Jリーグが開催されているスタジアムでは少々観戦へのモチベーションは異なるだろう。今回は本拠地としている会場に絞って調査したため、FC東京U-23が使用している夢の島や西が丘等の会場は省く。

対象となるのは以下の4会場となる。
・Shonan BMW スタジアム平塚(湘南ベルマーレ)
・フクダ電子アリーナ(ジェフユナイテッド千葉)
・山梨中銀スタジアム(ヴァンフォーレ甲府)
・相模原ギオンスタジアム(SC相模原)

これまでカシマスタジアムやNACK5スタジアム大宮などサッカー専用スタジアムでの開催もあったが、昨季は上記2会場では行われず。私も昨季は全4会場へ足を運んだが、広いだけに空席が目立つという側面もあった。しかし、やはりプロのスタジアムということもあって綺麗な芝だった。写真映えも良い。助かった…(フクアリ以外) 時々、その会場を本拠地としている大学サッカーOBのJリーガーが訪れることもある。

しかし、Jリーグ開催日ではないため、駅からの臨時バス等はもちろん出ていない。交通手段には細心の注意を払う必要がある。時々、余分に交通費を払う必要もある。

【改善してほしいところブロック】

1 茨城県大好き問題について
少々厳しい意見かもしれないが、この風潮には触れておきたい。大学サッカーにおいて、各大学最低でも1シーズンに1回は茨城遠征をしなくてはならない。試合を戦うチームには専用のバスがある場合が多いが、観戦するファンは会場まで運んでくれるバスなどない。

関東1部を戦う大学には茨城県にキャンパスがある筑波大や流経大がいることも一つの理由なのかもしれない。実際、昨季前期に筑波大vs流経大の試合がたつのこフィールドにて行われ、1420人の観客を集めている。

しかし、都内の大学生やファンにとっては厳しく茨の道だ。茨城だけに。記者の方でさえも「来週は茨城だから行かない」という話も聞く。せめて、都内大学同士の対戦では都内での開催を増やしてほしいところだ。

【会場内訳】
龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド:11試合
笠松運動公園陸上競技場:6試合
RKUフットボールフィールド:1試合
筑波大学第一サッカー場:3試合
日立市民運動公園 陸上競技場:1試合

2 「会場に行けない!どうしよう」という時どうしようもない

こんな例があるとする。
「自分は駒澤大学に通っているけど、小学校の頃の友人が法政大学でレギュラーとして試合に出ている」

大学サッカーに触れる機会としては十分なものであるし、こんなことがあったら観に行きたいと思うのは当然だ。

しかし、会場は茨城県。給料日前なのにもかかわらず往復6000円くらいの交通費がかかる。

こうなってしまえば、観に行く側にとって障壁となってしまうことだろう。こうした時に会場に行けなくても、映像配信などのサービスが整っていればなんとか彼らの勇姿を見ることができる。東都大学野球は無料のサイトで生配信が行われており、大学の学食等で観ている学生も多い。

大学サッカーは某ネット配信サービスが中継を担当しているが、毎試合・全会場ではない。正直、毎試合各会場から生配信できるキャパシティと金額を出せる媒体はいないだろう。いないからこうなっているわけで。さらに、大学サッカーの配信があることは一般の学生にあまり知られていない。データ等はないが、私が「大学サッカーを観てくれ」と話した一般学生は誰1人この媒体の存在を知らなかった。広報活動も積極的にする必要があるだろう。



最後に、個人的にはインカレ決勝はサッカー専用スタジアムで開催してほしいと思う。大学サッカー最高峰の舞台を学生ができるだけ刺激的で身近な環境で味わうことは、大学サッカーを好きになってもらえるきっかけになるはずだ。私もそのうちの1人である。(ここ数年は浦和駒場スタジアム)日程解禁はおそらく三月初旬になるかと思うが、来季はどの会場が舞台となって大学サッカーを盛り上げるのか楽しみなところだ。


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