【ES対策:1/3】誰でもESが上手に書ける”最強フォーマット”: 「結論+S.T.A.R.+再び結論」って何?
このnoteでは、学生時代の僕と同じように、就活準備に向けて心強い生の人脈・情報が身近に無いという学生の方々のために、かなり実践的で具体的な採用試験突破のためのアドバイスをさせて頂きます。
今回はまずは、ESの書き方について解説します。
僕は関西の学生だった頃、希望業界の先輩も身近におらず、独りでESの上手い書き方について悩みに悩みまくりました。
その結果、当時の彼女からフラれるくらい時間を費やしたことで(※多分フラれた理由は別にあるのですが…)、とことん具体的で明解な「最強フォーマット」を編み出しました。
しかもこれは単なる就活テクニックにとどまりません。むしろ社会人になってからも、仕事や転職活動でも必ず役立つ、本質的な「伝える技術」です。
実際、僕は社会人になってからの転職活動でも、書類や面接を同じフォーマットで挑み、GAFAを含む多くの企業からオファーを頂きました。
それでは早速、そのフォーマットを先にお見せしてしまいます。
それがこちら:
文字数まで指定してあるので、誰でも真似しやすいはずです!
…ただ、これだけでは説明不足ですね。
まだ使いこなすことはできません。
そこで、この最強フォーマットを、3つの章に分けて解説したいと思います。(長くてすみません…)
この記事は、上記の【第一章】にあたります。
少し長いですが、どうぞ御覧ください。
ちなみに、僕自身の簡単な自己紹介は、こちらの記事をご覧頂けると幸いです。
(1)はじめに
僕自身の就職活動の結果
「論より証拠」ということで、まずは僕自身の就活の結果を記載します。
採用する側として 〜テレビ局時代〜
社会人になってからも、私はテレビ局勤務時代に実際に採用に関わりました。そして何百というESに目を通した結果、採用側としても
・印象に残る文章(=伝えたい中身がちゃんとある文章)
・印象に残らない文章(=色々書いてあるけど結局中身がない文章)
の違いが更に明確になりました。
そのうえで、やはりこのフォーマットで書けている文章は中身が伝わりやすいという確信を得ました。
(2)まずはダメなESの典型例を知る
それでは本題に入ります。
が、いきなり最強フォーマットを解説する前に、まずは「ダメなESの典型例」を知るところから始めましょう。
ここに、僕が実際に相談を受けた22年卒の学生(※当時大学3年生)のESがあります。ご本人の同意を得て、使用させて頂きます。
さて、ご覧いただいてどう思われたでしょうか?
「なんか別に悪くないんじゃない?」
と思った方もいるかもしれません。
ただこのES、多くの企業で落ちると思います。
印象に残らないからです。
何故印象に残らないか?
それを”最強フォーマット”を紹介しながら見ていきます。
(3)今日の本題:「結論」「再び結論」
第一章にあたるこの記事では、最強フォーマットとなる「結論+S.T.A.R.+再び結論」のうち、「結論」+「再び結論」についてお話します。
<1>単純な「結論」だけでは足りない!
よく「質問には結論ファーストで答えましょう」という言葉を耳にする方も多いでしょう。そしてそれは間違いありません。
先程のESも”一見”それが出来ているように見えます。
しかし、実はこれでは足りないのです!
肝心なことを見落としているからです。
それは、”そもそも読み手(採用側)が無意識に一番知りたがっている「本当の結論」とは何なのか”、という点です。
<2>本当に読み手が知りたい「シン・結論」とは
結論、それは「結局この人って”どんな人?”」という内面です。
志望動機も、自己紹介、学生時代に頑張ったことも、あらゆる質問は皆さんの内面=人柄を知って、この人と一緒に働きたいか判断するためにあります。
従って、この「内面」に繋がるような一言が無いまま、ただ事実だけパッと言われるだけだと、「え……で?」と思ってしまうのです。
文章の出だしというのは非常に重要です。
「この文章の続きが読みたい」と思えないまま、仕事として仕方なく読みすすめることを強制されるのは、大人としてはとても苦痛です。
そうならないために、文章の最初に「今から具体的なエピソードを書きますが、結局それは”私の◯◯な一面”についてのストーリーですよ」ということ暗示する一言を添える必要があります。
例えばこんな感じです。
どうでしょうか?
単に「長期インターンです。」だけで終わられるよりも、「そこで私は、つべこべ言わずがむしゃらに学ぶ姿勢の大切さを痛感しました」と前置きされたほうが、「ん?そのインターンで何があったんだ…!?」という”興味”と”読む目的”が与えられるように感じられないでしょうか。
このように、
①”質問への直接的回答”としての結論
(今回で言う「長期インターンです」)
②”その事実を通じて伝えたい内面”としての結論
(今回で言う「…の大切さを痛感しました」)
の2つを兼ね揃えつつ、端的に答えてこそ、「シン・結論」です。
そしてこの2つを書こうとすると、恐らく45文字程度は必要になってしまうのではないかと思います。
逆に言うと、45文字程度でこの2つを入れて答える必要があります。
そうでないと、エピソード部分の文字数が少なくなり、中身のないESになってしまうからです。
<3>最後に「再び結論」を書く理由
そもそも、最後にもう一度結論を言い直す理由なんでしょうか?
それは、全体の”最初”と”最後”で「何の話だったか」を示すことで、全体の一貫性を持たせて気持ちよく終わらせるため、というのが一番ではないでしょうか。(本当はもう少し細かく語りたいですが、それはいつか別の記事で)
つまり、最初の「結論」と、最後の「再び結論」は、根本的には同じ”内容”でなくてはいけません。
しかし同時に、全く同じ”文言”をコピペしてしまうと、読み手はその一文を無駄に感じてしまいます。従って、違う”言葉”である必要があります。
同じ”内容”を、違う”言葉”で。
つまり、言い換えが必要になります。
どう言い換えるのが効果的なのでしょうか?
簡単に言うと、「このエピソードを踏まえて」というニュアンスを含めれば良いのです。「この経験」とは、”結論”と”再び結論”の間にあるエピソードのことです。
従って、ここの言い換えの具体的な修正案については、まずはエピソードをちゃんと修正してから解説するべきです。そのため、これは次回のエピソードトークの基礎「S.T.A.R.」の解説の中でご紹介します。
~大事な余談~
今回の記事の最後に一点補足です。
「そもそも自分にはインパクトの強いエピソード(例:甲子園優勝、起業経験、ジャングルで育ったなど)が無いんだ」という悩みについて、軽く触れておきます。(詳しい解説は後日別の記事にして書きたいと思います)
今回は文章の構成についての話ばかりしてきましたが、そういった話をすると、よく学生さんからこう言われます。
「そもそも自分には、インパクトの強いエピソードが無いから、構成をよくしたところで魅力的になる自信がないんです…」と。
しかし安心してください。
9割の学生さんが、皆さんと同程度のエピソードしか持っていません。
確かに、ごく一部の学生さんは希少なエピソードを持っています。僕自身の苦い経験としても、人生最初の面接(博報堂の夏のインターン)で、両隣りの学生が
【右】甲子園優勝
【左】水泳でインカレ決勝進出(全国ベスト8)
だったということがありました。
僕自身は陸上競技を10年続けているのに県大会すら出場できない、ごっつ普通のランナーだったので、そのときは悔しさを通り越して逆に憧れちゃうくらい羨ましく思いました。某有名漫画の雑魚キャラのごとく「さすが東京の私立大学生!俺たちが持っていないエピソードを平然と話してのける!そこにシビれる!あこがれるゥ!」状態です。
しかしじゃあ逆に、そういう強いエピソードさえ持っていれば、どんな書類も面接も通過するかというと、そうではありません。
そういう希少なエピソードがあるにも関わらず落ちる学生がたくさんいる一方で、ごくごく一般の家庭で生まれ育ち、ごくごく一般的なエピソードしかない学生が、倍率の高い企業から内定を得たりします。
何が違うのでしょうか?
それは、どんなエピソードであれ、その話を通じて
「あ、この子となら働きやすいかも」
「この子と働いてみたいかも」
と思ってもらえるくらい、ちゃんと自分をさらけだせているかどうかです。特に、弱点をさらけだせているかどうかです。
なのでご安心ください。
エピソード自体は、ありふれた日常の中のワンシーンでいいんです。
これを読んでいる皆さんの、ありふれた日常の中で、皆さんが正直に感じたことを、正しく伝わる形で書けば良いのです。
ちなみに、どれくらい「ありふれた日常のワンシーン」でいいのかで言うと、たとえば僕の場合、
【当初使おうと思ったエピソードネタ】
・10年続けた陸上競技(しかし県大会も出たこと無い)
・イギリス留学
・数学を勉強してきた話
※なんとなく「良いエピソードを並べなくては」と無理していた頃
【結局実際に使ったエピソード】
・当時付き合っていたアメリカ人の彼女との出会いの会話
・石田純一が「女性との会話は“うん”と”なるほど”だけで十分」と言っているという話を聞いたときの、怒りにも似た衝撃と、そのことを考えて寝れなかった夜に自分がたどり着いた結論についての話
・大学受験で国語(古文・漢文)を完全に諦めた話
思い出せる限りで言うとこんな感じです。
もちろん、陸上の話、留学の話、数学の話も多少は出ましたが、メインで使ったエピソードは上記のとおりです。
どうでしょうか。
これくらい身近な人との出来事なら、皆さんにも何かあるはずです。そして大事なのは、”エピソード”そのものではなく、”そのエピソードを通じて皆さんが何を感じたか”であるということも、お分かり頂けると幸いです。
(4)次回予告
それではこれにて第一章を終わります。
次回は、肝心のエピソード部分の書き方について詳しく解説します。そしてそのエピソードトークの””基礎”にして”極意”となるのが、欧米などでは有名なフォーマット「S.T.A.R.」です。
これさえ読めば、就活はもちろんのこと、社会人になってからのプレゼンや、転職活動までバッチリです。
是非御覧ください。
それではまた!