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 朝、職場の方々に渡すプレゼントとメッセージ、そして菓子折りを自転車に積み込み、ペダルを漕いだ。もう、この道をこうやって朝早くに通る事も無くなるんだなと思うと、淋しくなる。職場について階段を登り、先輩の背中が見えた途端何だか喉の奥まで水分が込み上げてきた。「おはようございます」毎日している挨拶。明日からはもうこのやり取りも無くなるのだ。

 私は残念な事に仕事が出来るタイプではなく、周りの1人ひとりに支えられて助けられてようやく仕事が出来ていた。ありがたかったな、感謝しかないとしみじみと思う。ロッカーを開けると既にプレゼントとメッセージが幾つか入っていた。読むと泣いてしまうので、そっと扉を閉めた。すると、後ろの方で啜り泣きが聞こえた。「本当に辞めちゃうの?本当に?」と、いつのまにか休憩に来たY先輩が後方で朝ごはんを食べながら泣いていた。すると、ダンボールに沢山の気持ちを入れたK先輩が「おはようございます」と、入ってきた。先輩も私と共に退職をする。

 以前、私が理由があって休憩室でさめざめ泣いていた事があって、K先輩が「そのまま帰っちゃ駄目だよ」と言ってファミレスに誘ってくれた事があった。「何でも食べな」と言ってメニューを私に渡した。そしてふと前を向くと私が泣いていた筈だったのに、先輩がさめざめ泣いていた。私は唖然として、何故先輩が泣いているのか?全くわからないまま、もぐもぐ食事をした。そして、後日先輩が退職する旨を知ったのだった。

 この先輩2人と最終日ファミレスに行った。「あ〜、これを先輩にやらせちゃったなあ」と言うと「もう、先輩じゃないよ、友(とも)だよ」と言った。そうか、環境も変われば関係性も変化していくのか。と思いながら、これでさよならではないんだなと思いながらも、駐車場で私たちはお互いにいつまでもいつまでも手を振って別れた。

#退職 #メソメソ#先輩#仕事

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