倒れている人に遭遇した今週
中学・高校の同級生と約5ヶ月ぶりに立川で会った。駅と併設している、グランディオの入り口には石川遼君の写真がウィンドウに飾られている。「石川遼くんの側で待っています」とLINEをした。「それって誰だっけ」と友人。「ゴルファーだよ」「ああ!知ってる知ってる!」という返事が来たあとに、友人が現れた。
「今日考えたのは、お弁当買って敷物ひいて昭和記念公園で花見たりしたいな」と友人。彼女は歳を経ても変わらず綺麗な見た目とこころを持っている。駅前の100円均一が閉まっていたので、北口の少し歩いた場所にあるレジャーシートが購入出来る店に行こう、と歩き出した。ビッグカメラの方に繋がるエスカレーターを目指して歩いていると、20代くらいの男性が道の端にばったりと倒れていた。おでこにはぶつけたような丸い打ち身と見られるものが見えた。
しかし、道ゆく人々は素通りだ。彼が倒れていることは目に入らないかのように宙に視線を泳がせ足早に通り過ぎていく。ようやく高齢の紳士が
「お兄さん大丈夫かい?わたしの声は聞こえるかい?」と彼の顔を覗きながら声を掛けていた。そばを通る人々が
「寝ているのかしら」と呟きながら素通りする。
「いやいや、寝ていたとしてもダメでしょ」……と言ったかと思うと、私の友人は走り出していた。
「確か近くに交番あったよね、行こう!」私たちは走って交番のお巡りさんに
「あそこに倒れている人がいます!」とその場所を指差しながら声を掛けた。
「どんな人だった?もしかして黒いタンクトップ?」とお巡りさん。
「はい……そうですけど……」
(もしかして、以前から気づいていた?)とわたしたちはこころの中でそう思った。
彼らは男性が倒れている場所に向かって行き、勢いよく男性を抱えあげた。
「脳卒中とかなら、あんまり動かさない方が良いのではないだろうか?」と、私たちはヒヤヒヤしながらその光景を見守った。
男性は意識が戻り覚醒し、警官に両脇を支えられておぼつかない足取りでその場を立ち去って行った。すると間髪入れずのタイミングで救急車が到着した。誰かが連絡を入れてくれたのだろうか。
ひとまず安心したが、実は今週倒れている人を見たのは2人目だ。先日久しぶりに電車に乗り映画を観に行く途中の出来事である。
電車の窓側の手すりを背にして立っていた私。
少し離れた後方で、ドスっと重たいものが落ちるような音が聞こえた。
一瞬車内が静寂に包まれたかと思うと、そのあとにある場所から人が引いていくのを感じた。誰も何もせずに通り過ぎて行く人が増えていくばかりで、その中心部に人が倒れていた。暫くして若者が「駅員さん!来て下さい!」と叫び、そこからの流れは早かった。当人も起き上がり意識はある様子ではあったが、そのような場面に遭遇した時の対処方法を今一度考える時間が持てた。
今週は、電車内で人が倒れて、鳥のフンが頭に降ってきて、宝くじを買って、触ってもいないのに大切にしていたお皿が割れて、そしてまた今日、人が倒れていた。
内容が濃い1週間。とにかく無関心程恐ろしいものは無いと感じた1週間であった。
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