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運転寿命がのび太第一話


#創作大賞2024   #ビジネス部門


第一話 運転寿命序章

#運転免許 #免許返納 #踏み間違い事故 #運転寿命 #親の運転心配

アッ!貴方の足がバクチを!
 
 2024年は能登半島の激震で幕を明け、更に、全国各地で、通行人や家族を巻き添えにする、踏み間違いによる悲惨な交通事故が相次いでいます。
そしてまた、3月には世界中を震撼させた大博打事件が発覚します。
ドジャースの大谷選手を窮地に追い込んだ、あのバクチ事件です。
踏み間違い事故とバクチ事件は無関係だろう・・・ではなかったのです。

 バクチ事件は、実は、運転席に座った貴方の足元にも潜んでいたのです。右足統一教を頼れる相棒と信じ込んでいた貴方は、今この時も、ブレーキを踏むつもりが、アクセルに乗せた足を、丁か半かのバクチで踏むのです

 現状の車では、アクセルとブレーキを切り替えても、ペダルからはどちらのペダルか、確認信号が返ってきません。そこで、ペダルモニタを工夫して実験し、自力編集で本にしました。ホームページ、「ペダルの闇に光を当てよう」で著書「自力本願モニタによる運転セルフチェックの技法」を紹介しています。ここでは試し読みが出来ます。
 この本を読んでくれた友人から痛いツッコミを頂きました。「面白かったけど、本当にピンチの時、ペダル表示なんぞ見てる暇なんか無いだろ。」
 ごもっともです。

 その後、運転免許更新の通知があり、認知症検査、教習所にて実地試験を受けました。その中で課題として課されたのが段差超え急停止の試験です。『危険を察知して急ハンドルを切ったら歩道に乗り上げた。歩道には子供達がいる。さあ、急停止が出来るかな。』という課題です。
 私は、現役時代から左足ブレーキを実践していますので、教官に「左足ブレーキで受験していいですか?」と聞きました。「OKです。最近は1、2割の人が左ですね。」との事です。
さて、発進後、段差超えると1m以内で急停止です。「おっ、上手いですね。」と褒めて頂きました。なんでも、5m先のカラーコーンを飛ばす人が3割、3m前後が5割とか。それでも、左足ブレーキで1m以内に停める人が2割いるとすれば心強い事ではあります。

 そこで、ハタと気が付きました。この段差急停止を日常的に練習するコースがあり、ペダル切り替えのスピードを計測し、記録する仕組みがあれば、『運転寿命』を、『日常的に見える化』出来るのではないか。
何れかの日には免許返納の日が来ますが、その日まで、何がしかの努力で、事故無しに『運転寿命の灯火』を消さないでおく事が出来るかもしれない。
 そして、前作「自力本願モニタによる運転セルフチェックの技法」の続編が完成しつつあります。

 ビジネス書には、上から目線のお硬いイメージがあります。ドラモニやドラロボは、まだ実現していませんが、自動運転よりは容易ですし、安価です。眠っている潜在能力を伸ばし、運転寿命を伸ばします。付いてこれなければ引退を勧め、適応出来る人は、今後も地方経済を支える戦力になるでしょう。

 因みに、ペダルモニタについては、申請こそしていませんが、特許出願済みです。開発希望の事業体様にはご相談に応じます。

ドラえもんに頼るのび太くんの様に、ドラモニに頼る気持ちを代弁して、著作名は『運転寿命がのび太』にしました。

 

ドラモニ登場

 車載ナビゲーションのメーカーには朗報です。近年、車載ナビはスマホのナビアプリに押されて、単なる車載テレビになっていました。この度、ドライバーモニタとして再生されます。ドライバーモニタ、通称ドラモニは、ペダルに装着した加速度センサーから動作情報を受けて、動作表示と切り替えスピードを表示します。そして、1秒以内だと「セーフ」1.5秒以内では「イエローカード!練習不足です!」1.5秒を超えると「アウト!」と叫びます。
ドラモニの高級機種になると、ふくらはぎに装着した、疲労センサーからデータを受け、「疲労度が60%を超えました。血流が減っています。直ちにコンビニやサービスエリアに入り、スクワットを30回やりなさい。」と貴重な指示が出されます。
 ドラモニの開発過程で判明した事がもう一つあります。人間は大脳から発生する活動電位(パルス=脈動)の動きに支配されています。心臓しかり、ふくらはぎの筋肉静脈脈動しかり、肺の呼吸リズムしかり。人体は、脈動する動きやリズムには心地良くなるものの、少しの力とはいえ、ジット同じ動きを継続する作業には想像以上の疲労を感じるのです。貧乏ゆすりや、幼い子供の落ち着きのない動きこそ、人間の本性なのです。
 長時間一定速度を保つ右足の疲労は、拷問の様なものだったのです。単調で単純な繰り返し作業を継続したり、一定速度を長時間継続する作業程、人間には苦痛であり、ロボットの仕事に相応しいものはありません。
 更に、5Gの無線回線活用で、ドラモニからは、自車の位置とスピードを発信しますので、ドラロボは容易に他車との安全距離を保つ事が出来ます。

 ドラロボ登場

 最先端を行く工業ロボットのメーカーに朗報です。近年、世界各国政府は、自動運転タクシーの重大事故や反対運動に懲りて、車両とは切り離した運転ロボットの開発に舵を切りました。無人の勝手に走る車に拒否反応が強いだけでなく、運転操作自体は単純で単調な作業であり、人型ロボットでかなりの部分、代行出来る事が判明したのです。ロボットですから、決められたコースを繰り返してなぞるだけですが、これが実は周囲の安全確認に集中出来て安全性の高い事が立証されています。
そして、2024年問題として物流の労働力不足が心配されていたのですが、精査してみると、ロボットで代行出来る単純かつ繰り返し作業が3割も占めていたのです。物流部門の成功例から、免許返納者への運転ロボット所有が解禁され、夢だった運転者付きクルマのオーナー制がスタートしました。
この後は、固定された循環コースに限り、小型バスへのロボット導入が計画されています。

 事故原因が一目瞭然

 ドラモニとドラロボの実用化で一番恩恵を受けたのは損保会社です。これまでのドライブレコーダーでは、路面情報だけでしたが、ドラモニからは運転者の操作情報がリアルタイムで入手出来、レコーダーの路面情報と照合すると、事故状況が居ながらにして入手出来ます。
ドラモニの開発が始まると、損保会社の、いち早く巨額の投資を決定した決断は見事なものでした。
 車の事故は、どんな対策をとっても、人間が運転する限り無くなりません。ドラモニとドラロボが活躍する様になっても、事故はゼロにはなりません。先日のトンネル内追突事故で、運転者は、オートクルーズをセットしていたのに、前の車の減速に反応せず、追突したと主張していました。
最近の複雑怪奇なコンピュータのお化けみたいな車の事故では原因の究明が難しくなっています。
車の誤動作か、操作ミスか、切り分けが出来れば、まだ対策の手はあります。ドラモニとドラロボは、車と運転操作の切り分けを可能にし、現状の車を必要以上に複雑にしなくてもいい事を立証しました。
 この事は、自動車整備業界の救済にも繋がります。高齢化が進み、夏は暖房、冬は冷房の劣悪な仕事環境で、若手後継者が急速に減少しています。EV対策でも手一杯なのに、自動運転なんてトンデモナイのです。

 8000万人の免許所持者に朗報です。

 ペダル踏み間違い事故の原因と対策について、科学的分析が展開されている兆候はありません。自動ブレーキや自動運転等へのメーカー丸投げか、返納圧力で切り捨てしか能がないのでしょうか。
8000万人の免許所持者で、免許返納すべきか悩んでいる人はゴマンといます。「これぞ運転寿命延長の切り札だ!」の本が出たら、読みたくない人が何人いるでしょう。

令昭デジアナ合戦前夜

最新のニュースです。
 ペダル操作のデジタル化を推進する、日本デジタル操作学会が、現状の右足アナログ操作より、デジタル操作の優位性を立証するため、ついに、双方の競技者で競う、デジアナ競技会を開催する計画が発表されました。
それではまず、デジタル推進派の言い分を聞いてみましょう。

 「デジタル操作学会からお知らせします。この度、ペダルのデジタル操作、つまり、アクセルは右足、ブレーキは左足で操作する方式をデジタル操作と命名します。両足を巧みに使うので、デジタル二刀流と言う人もいます。デジタル方式の最大のウリは、アクセルとブレーキを別足で踏むので、ペダルの確認が省略でき、ON,OFF信号だけで操作出来ます。そこが、デジタル操作の所以です。同時に踏めるのでスピーディーです。間違えて同時に踏んでも暴走しません。
 右足切り替え方式を、アナログだ!。と決めつけるのには理由があります。切り替え方式では、ペダルに乗せた感触が同じなので、どちらのペダルに乗っているか、確認手段がありません。確認せずに踏み込めば暴走します。現状の右足切り替え方式は、『安全確認を怠った極めて曖昧な連続操作の欠陥方式であり、昭和の古いアナログ方式と認定します。』アナログ式を信奉する人は、信じれば救われる式の、右足統一教の信者と見なされてもしかたがないのです。
 ドラロボ開発の過程で明らかになったのは、一軸でペダルを切り替えるメカニズムとプログラムがとんでもなく膨大で、全くコスパに合わない事実です。世界を見渡しても、自動運転で開発されているクルマは全て、加速と制動は別系統です。
 このまま右足統一教を放置すると、踏み間違い事故は減らず、『不適切にも程がある、昭和的アナログ文化』がのさばる事になるでありましょう。
 しかし、希望も有ります。高齢者免許更新時の実地試験に、左足ブレーキで受験する運転者が、一割から二割に達するとの事です。
我が学会が推奨するデジタル操作方式は、ペダルと足が対応していて、ペダルの確認を省略出来ます。スピードが格段に違います。慣れるのに一月はかかりますが、脊髄にある介在ニューロンにメモリする運動プログラムは、アナログ式に比べれば格段にスリムです。
マニュアル車の経験の長い高齢者程、左足にはクラッチの感覚が残っていて、飲み込みが早いというデータもあります。
ペダル操作のデジタル化で、貴方も、少し運転寿命を延ばして見ませんか。」

今度は、アナログ方式を推進する、アナログジジイの会の言い分です。
 「アナログジジイの会は宣言します。これまで、何十年も続けてきた足の動きを変えるなんて、嫌だー!
人間には、”慣れ”というものがある。殆どの運転者は、何の不都合もなく今の切り替え方式で運転しているのである。
今更左足を使ったところで、また新たな事故の原因原因を作るだけなのだ。ペダルの感触に違いがないとはいえ、足の向きの感覚はあるではないか。焦らなければ、何の心配もない。
どだい、デジタル、デジタルと騒いでおるが、左足の何処がデジタルじゃい。右足に意識を集中すれば、右足統一教の教えで全てOKなのだ。
何よりも、国が決めた操作方式に間違いがある訳がない。右足統一教は素晴らしい。信じよう。
蝶のように舞い、蜂のようにチクリと踏む、こんな神業は、右足統一教を信ずるが故に可能なのである。神業が、少し霊感ぽいのなら、忍者の技として、神技と言うべし。
と、まあ、若いうちは屁でもなかったが、最近の蝶はもつれるのう。
兎に角、今風にデジタルと言ったところで、足を使う動作は全てアナログ以外の何者でもないのだ。」

次号予告

第二話 ドラロボコンボイ

ドラロボコンボイがついに発進しました。宮城県から埼玉県の流通センターまで3台の大型トラックが隊列を組んで走行しました。先頭車両は人間が運転し、後の2台はロボットが運転しました。
早速、服部モーニングショーが食い付きました。さて、どんなコメントが飛び出すのでしょうか。

第三話 令昭デジアナ合戦絵巻

 デジアナ操作競技会は、デジタル操作派と、従来型にこだわるアナログ操作派で競い、実際にどちらが早いか、短い距離で止まれるか、競争してみる事になったのです。

第四話 踏み間違いは硬直だった
右足のペダル切り替えは、大腿二頭筋の帯状骨格筋の一斉収縮によって動きます。一部でも収縮が解除出来なければ、硬直します。

第五話 ドラモニ開発秘話
 
 ドラモニの『ヤサシ』は二刀流のデジタル派には優しいですよ。でも、トロいアナログ派にはちょっと厳しいかな。そんなシステムの、C社の開発担当の苦労を想像してみました。

第六話 運転寿命灯、お作りします

 運転寿命灯は、充電不能になった電動工具のバッテリーの再生品を電源に、故障廃棄されたLED照明のパーツを素材に造られています。
停電に平気な防災灯で、A4版の照明板は、天井シーリングの三分の一程度の明るさですが、スマホも充電できます。運転寿命灯は、卓上でも壁掛けでも使えますし、電圧が低下すると、黄色から赤色に警告します。
 貴方の脚部の骨格筋も、長年使い込んだバッテリーと同様です。ATPの充電無しには動きません。『運転寿命』を維持したければ、黄色から赤色に変化したら、我が身に置き換え、必死に体操と速歩きで足腰を鍛え、充分な睡眠で骨格筋を充電しましょう。
 運転寿命灯は、貴方の安全運転をお祈りする、ありがたーい、灯火でございます。



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