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運転寿命がのび太第四話

#創作大賞2024   #ビジネス部門
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運転寿命が

第四話 踏み間違いは硬直だった!

ドラモニが人命救助

最新のニュースです。
愛知県は毎年交通事故発生率NO1を誇っていますが、この度、交通事故であわや人身事故になりそうな場面で、ドラモニのおかげで助かったケースの第一号の事故が発生しました。
昨日の夕方5時頃、名古屋市郊外でその事故は発生しました。交差点で右折車と信号無視の直進車が接触し、右折車が堪らず歩道に乗り上げたのですが、暴走には至りませんでした。歩道には通行人がいたのですが、突入して来るスピードが抑えられたため、間一髪で避ける事が出来、人身事故を防ぎました。
この車にはドラモニが搭載されていて、事故の模様が記録されています。この右折車は、アクセルを踏んでいるアクセル表示と、遅れてブレーキを踏んだ、ブレーキ表示が記録されています。
運転者の話では、右折完了で踏んでいていたアクセルですが、いきなり後部に衝撃があり、その後の記憶が飛んでしまったとの事です。しかし、最近の2週間で、左足ブレーキを練習していたため、ブレーキを無意識に踏んだかもしれない、との事です。
ドラモニには、アクセルを踏み続けていた記録と、途中からブレーキを踏んだ記録が残っています。
現場を通過中の車のドライブレコーダーにも、右折車が歩道に突っ込みながらも、ブレーキを踏んだブレーキランプ表示が確認できます。
この事故から読み解くポイントが2つあります。

ひとつ、人は衝撃を受けた瞬間、思考と運動が停止する事があります。時間にして2秒程ですが、この間に事故は起きます。
特に骨格筋の収縮状態は、衝撃の瞬間その解除が困難になります。これを『突発性硬直』と言い、一般的に、頭がマッシロになるとか、金縛りになるとか、理屈で説明し難い現象を言います。専門家の間でもまだ解明されていない現象です。

ふたつ、アクセルを踏んでいる右足が硬直すると暴走します。が、これを阻止するには、日頃左足を”相棒”として重視し、ブレーキ操作に活躍させていれば、ピンチの時助けてくれるという、嬉しい知らせです。

実は骨格筋の硬直だった!

次の日の某新聞の論調です。
名古屋市で起きた交通事故で、最新の運転者モニタを装備していたため、貴重な教訓を得る事が出来た模様です。
これまでに起きた暴走事故は、高齢運転者の認知力低下による、ペダルの踏み間違いが原因と論じられてきましたが、実は、その実態はペダルの切り替えまで至らず、アクセルに乗せた右足がそのまま硬直してしまうものの様です。

脳は止めろと指令しているのに、足首を旋回させる骨格筋は動かず、どちらかのペダル確認信号もないので、止めたい、ブレーキを踏んでいるのだ、との願望と認識が合体して、アクセルを踏み続けます。暴走します。
今回の事故では、アクセルを踏み続けている記録と、遅れてブレーキを踏んだ記録が残っています。この運転者は左足ブレーキを練習中で、無意識に左足でブレーキを踏み、人身事故を未然に防ぐ事が出来ました。

 これまでの交通安全の指導、車両の安全基準は、車両性能を中心に構成されてきました。運転者の運動機能や、生理学的追求は二の次でした。ドライブレコーダーが普及しても、街路状況だけで、運転者の状況はズーッと闇の中だったのです。漸くドラモニが登場し、運転者にとって、ピンチの時支援してくれる、オタスケマンが身近になりました。
ドラモニの記録によると、ピンチの時、硬直する実態が鮮明になりました。踏み間違うのでなく、硬直してブレーキである事を念じて更に踏むのです。
警察の事故調査では、車両の動きを追うので精一杯であり、ドライブレコーダーの映像でも、運転者の動きは分かりません。これまでの事例踏襲で、「お前が踏み間違えたのだと自供しろ」と凄むしかありません。犯罪捜査でも防犯カメラ映像頼みのご時世です。我が身を守り、歩行者を守るには、この我が身の防犯カメラとも言える、ドラモニの活躍に期待したいものです。
”踏み間違い事故は、硬直事故と言い直すべきでしょうか。”

この先の理論編について、予告及び紹介させて頂きます。

 様々な脳科学と骨格筋の解説書を読んで、著者なりの基礎理論を纏めてみました。学術用語は使わず、帯状骨格筋を人足組に例えてみました。
そこで浮き彫りになったのは、帯状骨格筋の瞬間的硬直であり、表現を変えれば、危機に直面した瞬間、自分の意思でコントロール出来ない、『悪魔の1秒』の実態です。

 このコーナーでは、これまで、高齢運転者の踏み間違いで片付けられてきた、事故の根本原因に挑みます。そして、高齢化の進む日本だからこそ、ここで運転操作の監視技術と、操作訓練法の研究開発を進め、ツールの商品化が出来れば、ビジネスとして確立できるチャンスがあります。

 今後世界中で、日本の後を追うように、運転者の高齢化が急速に進みます。世界中で発生している事故の動画を見ますと、『悪魔の1秒』が世界中に蔓延し始めている事が分かります。そして、日本発のドラモニが確立出来れば、世界の安全運転をリードするのです。

 しかし、右足統一教とも言える、現状の運転操作方式は実に根強く、運転者の足に取り付いています。これに疑問を感じ、研究する研究機関、大学、運転免許試験場等、が現れないのはなぜでしょうか。池袋暴走事故では、被告は工業技術院のトップだったそうです。車の誤動作で暴走したと言い訳していましたが、工業技術院が単なる役人の天下り先ではなく、日本の工業技術の先端を行く組織であれば、この事故をチャンスとして、安全な操作、左足ブレーキの研究が始まっても良かった筈です。残念ながら、今のところ左足ブレーキの操作術が常識になっているのはレーサーの世界だけの様です。

理論編 目次と要約

金縛りの基礎理論

東大工学部の脳科学教科書から引用させて頂きます。

大腿二頭筋の働き

足首を上下左右に動かす大腿二頭筋の働きを分析します。

身銭を切るのだ!アデノ進!

上下左右の帯状骨格筋を、それぞれ上組、下組、左京組、右京組とし、骨格筋細胞のエネルギーATPを、アデノ進と命名して働きを分析します。

軽衆務のスイッチ音頭

人体という神輿を担ぐ人足は、アデノ進たちですが、ワッショイの掛け声で彼らを動かすのは、カルシュウムイオンのスイッチ音頭だったのです。

脱力の極意

硬直のよくある事例として、ツリーの実態と、痛みから逃れる、脱力法について解説します。


金縛りの基礎理論

 高齢運転者が免許返納した途端、認知症患者様になる事例が後を絶ちません。時間、空間、身体手足を自在に操る、車の運転は優れた認知症予防薬である事は確かです。事故らない限りでは。
そこで、ロボット工学を学ぶ東大工学部の学生に絶大な人気を誇るという、脳科学理論の副読本を読んでみました。

『メカ屋のための脳科学入門
高橋宏知著 日刊工業新聞社刊』

 確かに難解ではありますが、脳の指令がどのように手足を動かすのか、幾多の疑問に光を当ててくれました。一部を引用させて頂きます。

「筋肉は二つの関節をまたぐことがあり、このような筋肉を二関節筋と呼ぶ。二関節筋は複数の関節に異なる左用を及ぼすため、筋骨格系の制御はますます複雑になる。
大腿二頭筋と腓腹筋を考えよう。どちらの筋肉が収縮しても、腰、ひざ、踵に作用するが、その回転方向は同じで脚を伸ばす。」

「筋肉への情報伝達には、運動ニューロンの軸索末端からアセチルコリンが放出される。これでイオンチャンネルが開き、活動電位が発生する。すると、筋小胞体のCaイオンが放出される。Caイオンがフィラメントに供給されると、ミオシンとアクチンが結合できる様になる。この時、ミオシン頭部はATPをADPに加水分解し、結合する。これが筋収縮のメカニズムである。尚収縮後、ミオシン頭部はATPと結合すると元に戻る。CaイオンとATPがある限り筋肉は動き続ける。
また、ATPはグルコースを原料として、9割は細胞内のミトコンドリアで生成される。尚、ATPが枯渇すると、筋肉は弛緩出来ない。これが死後硬直のメカニズムだ。」

大腿二頭筋の働き

 皆さん、座った姿勢で腿の筋肉表面に手を乗せてみて下さい。大腿二頭筋は、膝関節を中継しつつも、骨盤を起点にして足首まで延びる連続した帯状骨格筋なのです。
踵を固定して足首を持ち上げたり、踏み込んだりすると、腿から膝下まで同時に帯状に動きます。
今度は、踵を起点にして足首を左右に振ってみましょう。腿の左右の筋肉が少しずつひねられ、足首が左右に旋回します。
これから理解できる事は、足首を回転させる動作は、大腿二頭筋の左右に分かれた帯状骨格筋の左筋が収縮して左に旋回します。また、右筋が収縮すると右に旋回します。踏み込む動作は、ふくらはぎ下部の帯状骨格筋が収縮して膝下骨を押し出し、足首の足先骨を押します。
足首を押し込む動作に必要なトルクは、(トルクというのは回転角度の力の表現です)10N程度の軽い力なのですが、実際には、踵部分を起点にして、反梃子の原理が作用して、足先の約2倍以上の力を必要とします。梃子の原理というと、重いものを軽く持ち上げるイメージがありますが、事、足首圧力に関しては、逆にふくらはぎには相当重たい負荷が掛かると理解しなければなりません。

身銭を切るのだ!アデノ進!

 骨格筋の動きは、言葉や解説図等を見てもなかなか理解し難いものです。そこで、簡略な例えを考えてみました。
 骨格筋の収縮を一言で言えば、
『サルコメアの内部では、ミオシンとアクチンが連結していて、これにCaイオンとATPが作用して、連結から結合に変化し、収縮するです。』
 
 そこで、上下左右の帯状骨格筋の束を、それぞれ時代劇に出てくる人足組に例えて見ました。クルマの無い時代は、労働力の代名詞は『人手』ではなく、『人足』だったのです。上組、下組、右京組、左京組と名付けます。
なかでも、アクセルを選択する右京組がリーダー格で、のんびりスタートするわりには偉そうにしているのが特徴です。左京組はその『相棒』なんですが、何時もピンチの時に必死の働きをする割には、事故った時に何時も責められています。
『発進』のプログラムで、最初に上組が収縮して足首を持ち上げ、続いて右京組が収縮して足首を右に旋回させてアクセルに乗せます。次に下組が収縮してアクセルペダルを踏み込みます。
各組別に『収縮せよ』の指令を受けた組では、まずスイッチマンの軽衆務(カルシュウム)が反応して、ゴロゴロと惰眠していた、食客のアデノ進(アデノシン三リン酸)たちを「ソレ!出番ダゾー」と押し出します。アデノ進はミオとアクの両肩を引き寄せ、「シュウシュクー!」と叫びながら、一瞬の怪力で強く合体させます。ミオとアクは、これにより連携から結合に変化し、60nmという僅かの収縮ながら、40万組の連続収縮では数センチの変化を達成します。
アデノ進たちは、一度怪力を示すと、「腹減ったー」と転げ落ちてしまうので、絶えず補給しなければなりません。
 足首を左右に旋回する作業では、右京組と相棒の左京組とは、リズミカルに動いていますが、足首押し出しの下組はどうもいけません。ミオとアクの結合は短時間ですので、連続して押し込む時は、何度も続けて収縮させます。押し込む力を継続する下組では、アデノ進たちの消耗が激しいのです。

 骨格筋の収縮は、大脳からの振動する活動電位などに支配されていますから、リズミカルな運動には共振しますが、連続して収縮する継続作業には向いていません。
サルコメア内には、屋台の『ミートコンビーフドリア』(ミトコンドリア)が配置されていて、次から次へとアデノ進たちに食わせていますが、間に合いません。アデノ進たちは枯渇していきます。
『ミートコンビーフドリア』では、血流で運ばれて来る『ブドウ糖」とヘモグロビンから得られる『酸素』を素材にして調理し、アデノ進たちにメシを食わせると、アデノ進は復活します。ブドウ糖と酸素の補給が滞ると、アデノ進たちは飢餓に苦しみます。骨格筋は指令通りには動きません。
 余談ですが、浅田次郎さんの「一路」を読むと、参勤交代で日に40km歩く足軽達は、宿に着くや否や3杯の丼ぶり飯を食うのだそうです。それだけアデノ進達は大食いなのです。
アデノシン三リン酸は、エネルギー通貨とも呼ばれています。貯金可能なものながら、すぐ底をつく自分のお小遣いの様なもので、『身銭を切る』という表現は、アデノ進達の働きの事だったのです。

軽衆務のスイッチ音頭

 骨格筋を動かすエネルギー源は、アデノ進達ですが、彼らを踊らせるのは、軽衆務のスイッチマン音頭だったのです。軽衆務は、収縮とその解除をコントロールします。
 そして、大脳が恐怖のあまり、異常な興奮をした時、軽衆務達の動きが止まります。止まる確率の高いのは、普段使わない帯状骨格筋です。上下の帯状骨格筋は、普段歩行にも使用する骨格筋でかなり鍛えていますから、何となく動きます。
 右京組と左京組は、普段あまり出番がありません。サッカーのドリブルでも練習しない限り、足首の旋回動作は、殆どの人は鍛えていません。そして、たまたまアクセルに長時間向いている右京組が、固まるのです。
これを、『突発性硬直』と表現します。
つまり、巷で耳にする、固まる、金縛りになる等の現象がアクセルペダルの上で起きます。
これは又、生きながらでも死後の硬直を一瞬ながら経験してしまう、怖わーい話だったのです。

脱力の極意

 危険を感じ恐怖に怯える時、右足は硬直して事故の時を迎えます。こんな時どうすればよいのでしょうか。この硬直と似たような症状の現象があります。
 足がツルとか、腓返し等という現象があります。冬場、足が冷えている時、足の動きに無理があると起きやすい現象です。体温はアデノ進達が活動すると上りますので、彼らの活動が弱い時に起きやすいようです。
 運動不足、座る生活が長い時、ふくらはぎの血流上昇が弱まっていて、アデノ進が空腹気味の時、無意識に足の動きを変えようとすると、帯状骨格筋の接続が間違う時があります。軽衆務がボーッとしていて、接続操作を間違うのです。帯状骨格筋は、骨盤から足先まで、一本で繋がれば、40万個の筋細胞だそうですが、帯状ですので、何十何百本もの筋細胞が束になっています。間違えた状態で硬直すると、血流が途絶え、激しい痛みが襲います。悶え苦しみます。
 実際の体験ですが、床を転げ回り、足首を引いたり押したりしても駄目で、いっとき、フッと力を抜いてみまた事があります。足先まで力を抜くのは、無意識でした。すると、骨格筋の硬直が徐々に解けていくのが分かりました。骨格筋同士の連結はかなり融通がきき、冗長性がありますので、力を抜くコツを習得すれば、修復も早いようです。5分後には痛かった事を忘れてしまう程です。
 フーッと息をはいて力を抜くのです。脱力の極意とでも言うのでしょうか。多分、息を吐く事で深呼吸を促して吸入酸素を増やし、軽衆務のの動きを良くするのでしょう。帯状骨格筋が少しずつほころびを直しているのが感じられますか。?
 運転中のピンチの時には、こんな事してる余裕は無さそうですが。


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