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【企画裏話】リアル謎解きゲーム「ゆるきちからの脱出」

前回の記事で、体験カコタムの魅力について書きました。

今日は、僕が企画した体験カコタムのなかから、「リアル謎解きゲーム『ゆるきちからの脱出』」について、企画にいたった経緯と過程、運営エピソードや感じたことなどを書こうと思います。


オフィシャルの活動報告はこちらから

2月、中高生のオープンスペース ゆるきち にて、特別イベントとして、リアル謎解きゲーム「ゆるきちからの脱出」を開催しました。
この日限りの「謎が隠された密室」に変貌したゆるきちにて、興味を持ってくれた中学生~高校生4人が参加しました。
制限時間内に館内の至る所に仕掛けられた謎を解かねばならず、はじめは苦戦していましたが、次第に要領をつかんできて、協力しながら謎解きに挑戦していました。
ひらめきや論理的思考、コミュニケーション力を駆使しながら、最後は見事、脱出に成功しました!
ふだん慣れ親しんだゆるきちで非日常的なイベントを体験してもらい、少しでも達成感や充実感を味わってもらうことができたら、運営としてとてもうれしく思います。
Kacotamはこれからも、「体験カコタム」として、様々な「ワクワクするイベント」を企画していきます。


タイトルからお察しの通り、巷で人気の「リアル脱出ゲーム」をイメージした企画です。めちゃめちゃ面白いエンターテイメントなので、興味のある方は是非行ってみてください。

※「リアル脱出ゲーム」という名前は、SCRAPさんの商標登録なので、企画名に使うのは避けました。


きっかけ

もともと、学生時代に好きだった「リアル脱出ゲーム」。

2019年秋に、たまたま縁があって、当時の脱出仲間と久しぶりに「脱出体験」をする機会がありました。

この時に、ふっと、「カコタムで自作したら面白いんじゃないか」と思ったのがきっかけでした。

もちろん脱出ゲームの自作なんてしたことも無かったけれど、色々調べてみると、やってできないことは無さそう! 考えているうちに、ワクワクしてきました。


準備開始

さっそく準備開始! まずは、企画書を書きました。

体験カコタムを企画するにあたって、企画書は必須ではないのだけれど、なんとなくクセで書きました。目的とか手段とか、書いているうちに自分の思考整理にもなるしね。特にフォーマットとかは無いです。

さっそく管掌職員に提出したところ受領され、GOサインが出たので、運営チームを募集しました。

下見がてら、有志を募って実際に脱出ゲームに参加し、その帰りに簡単にミーティングをして、大まかな流れや準備スケジュールを打ち合わせました。

ひとりでも企画はできるのだけれど、やっぱり運営仲間がいると心強さが全然違うし、色々な意見やアイディアを出してくれるので、すごく良かった。

脱出ゲームをするには「ストーリー性」が大事ということで、「ゆるきちに集められた参加者が、突如乱入してきたテロリストに人質にされてしまう」というストーリー骨子をつくりました。爆弾が60分後に設置されていて、それまでにゆるきちから脱出しないといけない! ゆるきちの扉には鍵がかかっていて、解除のためには暗号を解かないといけない!という。

「なぜ閉じ込められているのか」「どうしたらゲームクリアなのか」をストーリーで明確にすることで、謎解きの必然性というか、没入感も高まるかなあという狙いがありました。

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謎の作成

ストーリーができてからは、謎の作成です。

本当は分担して謎を作ろうと思ったのだけれど、結局はほとんど僕一人で謎を作りました。純粋に、謎を作るのが楽しかったから独り占めしただけです。ごめんなさい。

あとは、謎と謎をリンクさせたり、難易度のコントロールをしたりといった面からも、ひとりで集中して作ったほうが楽だったかな、と。

ただまあ、時間はかかりました。

結局、このためだけに有給休暇を取得して、部屋に籠って謎の作成に明け暮れた日もありました。

作成は、本当はパワーポイントを活用したかったのだけれど、何故か僕のPCにパワーポイントが入っていなかった(Officeの契約時にケチったのかな)ので、adobeのIllustratorを使うことにしました。

パワポなくてイラレ使うんかい、という突っ込みも聞こえてきそうだけれど、結果的には、色々調整したりデザイン整えたりするのにイラレの方が使い勝手が良くて便利でした。

難しかったのは難易度コントロール。例えば下のような問題。平仮名1文字で答える問いです。

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よくあるパターンの問題で、別にパクりではないけれど色々なところで同様の問題は目にします。答えは「た」ですね。平仮名50音表になっています。

解くに当たって、斜線は必須としても、ヒントになる「手」のマークは要るのか? あるいは、もう一つくらいヒントを入れた方が良いのか?(「火」のマークを入れるとかね)と悩みながら作っていきました。


テストプレイ

謎がある程度できたら、ゆるきちを使ってテストプレイを行いました。

自分ひとりで作っていると、どうしても問題に不備があったり難易度に偏りがあったりしてしまう恐れがあったし、時間配分やボリューム調整もわからなかったからです。また、本番として子どもたちにリリースする前に、失敗が許される場で流れの確認や練習をしておきたかったのもあります。

テストプレイヤーは、ボランティアメンバーから公募で選びました(その日にたまたまゆるきちにいた仲の良いメンバーを強引に誘ってなんかないよ)。

テストプレイ当日は、午前中から会場入りし、謎の印刷や設営を行いました。「テロリスト役」として参加してくれる運営メンバーと協力しながら、セッティングを行っていきます。

運営メンバーの仲間たちが皆さんとっても優秀で、冒頭に茶番劇をやってくれという無茶ぶりに応えてくれたり、実は直前まで作っていなかった第3ラウンドの問題を即興で考えてくれたり、すごく助けられました。

いざテストプレイが始まると、本番さながらに緊張しましたが、みなさんが自分の問題を真剣に解いて一喜一憂してくれる姿を見るのは、不思議な高揚感がありました! メンバーで行ったテストプレイならではの珍回答もあったりして面白かった。

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例えば上の問題。シンプルで、我ながらかなり気に入っている問題のひとつなのですが、みなさん苦戦されていました。逆から読んで「イワーシ」だから生のイワシを探そう!とか迷言が飛び交って、テロリスト役は笑いをこらえるのに必死でした。

※ちなみにこの問題の答え、わかりますよね?

思いがけないパワープレイ(メタ的に強引に解かれてしまう)があったり、作題不備が見つかったりして、テストプレイやっておいてよかった!と思う場面もありました。

テストプレイ終了後は、みんなで反省会。この問題はこうしたほうが良いとか、ここが分かりづらかったとか、忌憚なく意見を出してもらいました。

1回目のテストプレイ結果を踏まえて、もう一度、テストプレイヤーを入れ替えて2回目のテストプレイも実施し、万全の状態で、準備を完了させました。


チラシの作成と参加者募集

2回にわたるテストプレイを経て、準備が整ったので、いよいよ日程を決めて、子どもたちへ告知をしました。

告知をするにあたって、気合を入れてチラシもつくりました。

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楽しくなってきて、「脱出くん」というオリジナルのピクトキャラまで作り出す始末。ちょうど、イラレの良い練習になりました。

参加者募集は、定員(5人が限界かな)もあるのでなかなか難しい所がありますが、各SNSに加えて、学習拠点での口頭告知も行いました。


本番

本番、色々あって参加者は当初予定と少し変更はありましたが、それでも、中学1年生から高校3年生までの男女4人が集まってくれました。

ふだん馴染みのメンバーがテロリストに扮して茶番劇を繰り返す姿に笑ったり、年齢差関係なく協力して問題を解いたり、時間制限に焦ったりしながら、制限時間をたっぷりつかって、最後は見事、脱出に成功していました。

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問題の難易度バランスも考えて、ひらめきや直感型だけでなく、論理思考が必要だったり、宝探し的な要素を入れたりして、みんなが楽しめるように工夫したつもりです。

頑張って準備してきた企画に対し、子どもたちが面白がって問題を解いてくれる姿を見るのは、なんだか最高の気分です!


振り返って

今回の企画は、言ってしまえば、僕の「やりたい」をカタチにさせてもらった企画でした。ゆるきちという場所資源も、運営メンバーというヒト資源も、カコタムの持つ広報チャンネルすらも利用させてもらえて、個人では実現が難しいような企画も、スピード感をもって実施することができました。

それでも、僕の趣味のひとつである「リアル脱出ゲーム」の世界を持ち込めたこと、それによってちょっとだけ非日常的なワクワク体験を提供できたことはそれなりに意味があると思っています。

また、裏の意図としては、もっと多くのメンバーに様々な体験カコタムのイベントを打っていって欲しいなという想いがあって、そういう風土を作るためにも、自らが率先して「そんな企画もありなの?」というようなイベントをたくさん打っていこう、という意気込みもありました。

今回の企画を通じて、子どもでもメンバーでも、なにかひとつでも、感じるところがあって、次の企画や行動につながっていけば、ステキだなぁと思っています。

※最後に、当企画にご協力くださったメンバーの皆様、ありがとうございました!!



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