複雑怪奇な標準化チーム
認定NPO法人Kacotamには、学習支援活動標準化チーム(以下、標準化チーム)という部隊がいて、カコタム運営に関わるアレコレを標準化するための努力を続けています。
カコタム内でも、あまり存在は広く知られておらず、知っている人も、「あそこは何やってるのかよくわからない」「何か小難しいことをずっと議論してるイメ―ジ」という程度の人が多いようです。
そんなイメージを払拭するべく、今日は、標準化チームに4年間在籍している僕が、その実態をつまびらかにする!という趣旨の記事を書こうと思ったのですが…。
書き出してみて思ったけど、やっぱり標準化は複雑怪奇ですねタスケテ!
5つのセクション
標準化チームは、やっていることを大きく5つのセクションに分けて、そろぞれ推進者を決めて議論を進めてきたという経緯があるので、その5つをまずはご紹介します。
※ちなみに現在では、5つのセクションの枠組みはいったん解体し、タスクごとに細分化して進めています。が、今回は便宜的に、以前使っていた5セクションで話を進めます。
1.拠点運営(通称:もぐら叩き)
主にスタサポ事業について、各拠点の運営方法をまとめて標準化しようという試みです。
そのため、拠点コーディネーター(職員とは別に、拠点の運営を担当するボランティア役職)向けのマニュアル整備や「困った」の解決が、主な活動内容です。緊急時対応なども含まれます。
拠点で色んな問題が生じるごとに、拠点運営タスクがポップアップして解決策を論議することになるので、もぐらたたき率が一番高いセクションです。
2.情報共有戦略(別名:ただの開発室の窓口)
活動で生じる様々な情報を、いかに正確に安全に速やかに共有できるか、を追求する試みです。
「こんな仕組みがあったら良いんじゃないか」「あんな仕組みはどうかしら」とアイディアは様々に浮かぶのですが、そのほとんどすべてについて、システム開発室長に「カコタムポータルでそのうち実装したいと思っています」というコメントで返されてしまうセクションです。
ちなみにシステム開発室長は超優秀人なのですが、他にも数えきれないくらい多くの肩書を持つ超多忙人(有名どころでいうと、「Kacotam学び支援事業ディレクター」)なので、開発はなかなか進みません。凡俗な僕らとしては、ただ彼のことを応援することくらいしかできません。
でもまあ、終了後MTGの改善とか、引継ぎフォーマットの修正とか、少しは僕らも頑張った点もあるかなきっと。
3.現場力向上(別名:忘れ去られた特殊部隊)
学習支援の最前線におけるノウハウの蓄積とアウトプットを行い、メンバーのスキル向上を目的とする試みです。
現場の最前線で使える強力な武器を作ろうと頑張ってはいるのですが、どうしても位置づけとしては「応用編」となってしまいます。もっと基礎的なところで議論しなればならない部分が多い(団体の仕組的な部分の脆弱性という意味で)ので、こちらもまた、なかなか作業は進みません。
メンバーの素晴らしい現場スキル、感覚的にやっていたり、経験で培われたりしている部分が多く、言語化するのが難しいという側面もあります。
それでもどうにかして、メンバーの叡智を集結させる仕組みを考えて、超多忙なシステム開発室も動かしてフォーマットのモデル仮完成まで漕ぎつけたのですが、チーム内リリースから約1年、その後なんの進展もありません。
個人的には、忘れ去られたタスクになってないかだけが心配であります。
4.研修OJTマニュアル(別名:唯一の表舞台)
標準化チームと言えば、「年に1回の全体研修を仕切っている人たちでしょ」の印象が、もしかしたら一番強いかもしれません。
それは間違ってはいませんが、「研修」はあくまで手段のひとつに過ぎず、様々なツールやアクションを通じて、メンバーに標準化したものを周知し浸透させることを目的にした試みを行っています。
標準化の、内部向けアウトプットのセクションと言えるかもしれません。その意味で、複雑怪奇な標準化チームの唯一の表舞台(といっても内部向けだけど)なのです。
ちなみに、「標準化内の業務も標準化しよう」という主義のもと、毎年やっている全体研修そのものもパッケージ化されつつあります。そのため、当初の研修は準備に膨大な時間がかかり、遅くまでモスバーガーミーティングをしていたこともありましたが、今ではほとんど準備に労力がかからなくなりました。
その結果、2019年度の全体研修における僕の役割は、「参加者一覧にチェックマークをつけた後は、基本的には教室後方で話を聞いているだけ」の人でした。前日別件で徹夜してしまったせいで、実はほとんど意識が飛んでいたのは内緒です。結果、その日の写真に僕はほとんど写ってすらいませんでした。表舞台とはなんだったのか。
5.モチベーションアップ(別名:「幹事」)
メンバーのモチベーションアップのために、いろいろ作戦を立てよう!という試みです。
活動メンバーの大部分がボランティアで、活動に対して金銭的な対価をもらうわけではないので、継続して意欲的に活動に参加するためには、モチベーションの高水準での維持が不可欠であると考えているからです。
アンケートを取ったりしながら突き詰めた結果、「メンバー同士仲良くなること」が有効な手段のひとつではないかという仮説がたったので、懇親会の実施や、メンバー同士がフォローしあえる仕組みの実装を行ってきました。
実際、メンバー同士のつながりが強化されることで、継続率の向上だけでなく、現場での連携も高まり、新たなイベント立案のきっかけにもなるなど、さまざまな好影響が出ていると思っています。メンバー間の仲の良さは、いまではカコタムの魅力のひとつだと自負しています。
ただ、僕が具体的に何をしたのかと問われれば、そうですね、飲み会を企画したくらいですかね。それも、店選びは人任せでしたね。
まとめ
もしかして僕の書き方が悪かったせいで、全然標準化が進んでいないと誤解されてしまうかもしれませんが、実際は、少しずつですが作業が進んできています。
特に、研修OJTマニュアルのセクションはほとんど標準化が完成していますし、各拠点でのもぐらの出現率も低下してきています。2020年こそは、標準化の完成! が、当チームの合言葉になっています。
そして、真面目な話、こうした「標準化チーム」が団体内に存在して活発に動いているというのは、組織としては非常に良いことなんじゃないかなと、個人的には思っています。標準化するためには言語化が不可欠で、その過程で生じる悩みや議論は、団体を確実に成長させています。
「標準化チーム」の存在とそのアウトプットが、いつかKacotamの、大きな強みになると信じて、今日ももぐら叩きにいそしむ日々でございます。