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|1203-1210|日誌#10

演劇ユニットせのびの稽古場の様子をお届けする日誌。毎週金曜日に更新。

最後の日誌は、稽古場日誌ではなく
役者一人ひとりへのインタビューです!
それでは、はりきってどうぞ!

【インタビュー】

Q.『セミとケンタウルス』はどのような作品に仕上がっていますか?

新沼:30分という上演時間の中で、時間と距離のスケールに思いを馳せられるような作品になっているのではないかと思います。

石橋:舞台上で何かが大きく変化するわけではないのですが、積もり積もった時間や会話が結果的には、観ている方にとって重さを感じるものになったらいいなと思っています。

篠田:はるとくんとななこちゃんを通して出す、せのびの雰囲気というか世界観を存分に出した短編だなあと思います。この2人がいればせのびは安泰だなって感じがします。

Q.『セミとケンタウルス』はどのように創作してきましたか?

新沼:前半は劇の地盤を固め、後半は自由にその上で動けるようにというのを役者間だけでもできるように意識していました。演出の手を離れて役者間で劇の強度を高めることは、これからの創作で求められるだろうと感じる2ヶ月でした。

石橋:稽古の方法を、演出を介して意見を交わす形から、役者同士で話してみて作ったものを演出に見せる形に変えてみたくて、役者の間でお話をする時間を意識的にとっていました。相手に背中を預ける感じです。

Q.『せをのばす』はどのような作品に仕上がっていますか?

髙橋:いろんなところに行ける作品。
場所だけじゃなくって、過去未来、あったことなかったこと、心の中とか。まあお芝居ってそういうものだと言われればそうなんだけど。ピースがいつも以上に小さくって多いから見落としちゃうかもしれないんだけど、でも手元に残っていたピースだけでもいろんな旅に出られるんじゃないかなって思いました。

篠田:『せをのばす』は言及が難しいです。
ネタバレにならないよう形容するのが難しいな〜と思います。言えるくらいだと演劇ユニットせのびの雰囲気がそのまま舞台に乗っかってる、という感じです。

工藤:わたしは昨年の8月から本格的に参加しているので、これまでせのび作品のつくりかたについてはわからない状態でした。はじめましてのお客様も、恐らくわたしに近い感覚ではないかなと思っています。そういう意味では、今までせのびをご存知の方と、はじめましての方では今回の作品の見え方が違うのかなとも考えていて、皆様がどのような感想をもつのか楽しみにしているところでもあります。
また、演劇は嘘をついても良い世界、裏を返すと、嘘をつかなくても良い世界だと捉えているので、そういったところも踏まえた作品になっているなと思います!

Q.役者として『せをのばす』にはどのように取り組んでいますか?

村田:自分で書いた言葉とはいえど、発し方、置き方、相手との呼吸、その微妙な匙加減を稽古場でも探り探り、試し試しでやっています。
本番もお客さんとの関係性の中で、劇にとって一番いい立ち方をできればと思います。頑張ります。

Q.『せをのばす』でのあなたの立ち位置は?

篠田:フィルターがかかっている向こう側にいるという位置かと思います。
今の自分は就職して自分自身が演劇に関わる機会が減ったのと、マルチタスクができないのでいっぱいいっぱいという状況です。
なので舞台の外でも僕はここの位置にいそうだな、と思いました。

Q.『せをのばす』で好きなシーンは?

髙橋:声が重なったりリフレインするところ。覚えてない不甲斐なさとかに気持ちが渦巻いてる感じが出ててやってて好き。あと、ラストシーンのひとつ前のところ。

岩山:ななこちゃんとはるとくんのシーンがとてもすき!!何回見ても笑っちゃってますたぶん本番も裏で笑ってます。

Q.舞台装置の注目ポイントは?

工藤:タウンホールは高さがしっかりある会場なので、演出の青葉さんからはそれを活かしたいという要望がありました。もしかしたら、前回の公演『踊るよ鳥ト少し短く』(2020年11月上演作品)のときから、青葉さんはタウンホールの高さにアプローチし続けているのかもしれません。

Q.『ロマンス』(2020年2月上演作品)ぶりに稽古に参加している りなちゃんから見て、せのびの人はどんな人たちだなと思いますか?

岩山:かっこいい!でも愉快な人たち!って思ってます!私みたいな初心者ペーペー野郎にも優しくて、面白くて、いつも気づいたら笑ってます
最近までは、みんなについていかなきゃって思っちゃってたけど、本番は困ったら助けてもらおって思います!頼りにしてます!

Q.今の団員の様子を見て、これからのせのびはどうなっていくと感じますか?

藤原:メンバーにある程度安定感が生まれて、チャレンジできる土壌ができてきたように思う。今までは、どこか力づくでやってきた感じもあったけれど、最近は、今までの積み重ねを活かして、それを応用して「じゃあ、次はどんなチャレンジができるかな?」ってなってきた。
だからこれからは、今までよりももっと新しいチャレンジをみんなでやっていけるんじゃないかなと思っています!


それぞれの言葉で語られると、公演に対するイメージがぐっと広がるように感じられるのではないでしょうか。
仕込み作業は順調です!チケットもたくさんご予約をいただいています。ありがとうございます。

本日は仕込み2日目。
すべての準備を整えたうえで、本番当日、お客様と劇場でお会いできることを心から楽しみにしております!

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稽古場日誌は#10でおわりとなります。
2か月と少しの間この日誌を読んでくださった皆さま、ありがとうございました!明日からの本番は今日の日誌のように、せのびのみんながそれぞれの言葉をお話ししていきます。わたしたちとお客様とで過ごす時間が特別なものになるよう、団員一同心を込めて本番に臨みます!(石橋)

〈文 石橋奈那子、写真 演劇ユニットせのび〉

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