|1120-1122|さあ、いくぞ#日誌#12
毎週月・金曜日の20時更新 演劇ユニットせのびの稽古場の様子をお届けする日誌。
【11月21日(土)】
通し稽古、とてもよいです。
稽古を見守りながら「震える」「痺れる」とノートにメモをしていた村田。
照明の工藤さんが稽古場にいらしていましたが、時折笑い声をあげる場面もあり、ほとんど初めてこの劇をご覧になった方の反応を見て、少しほっとしました。
ダンス指導の山手さんも何かメモをとりながら稽古をご覧になっていました。「ちょっと、最初のところをもう少しゆっくりやってくれるとお客さんにやさしいかも」「ここの慶くんが面白すぎて他の所ほぼ記憶に残ってない!」など、率直な感想を伝えてくれます。
こちらは、今回、照明オペを担当する新沼温斗。
大学のサークル、劇団かっぱでの公演も控えている中、こちらの稽古にも参加しています。いそがしい。
工藤さんと、照明の切り替えのタイミングを確認しながら、稽古の様子を真剣に見つめています。
役者が入って来るところから、出ていくところまでを通したのは初めてでした。
通し稽古開始の1時間前あたりから緊張感が高まっていた稽古場。
実際に通してみると何度かアクシデントはありましたが、なんとか最後までやりきった役者たち。
本番も一度始まったら何が起こるかわからないからなあ、という印象です。
音も役者の一人、だと感じさせられるピアノの存在感でした。
生の演奏は役者のテンションも高めてくれます。
せのびっぽくない脚本、セリフ回し、テンポではありますが、衣装を着て演技する様子をよーく見ているとせのびらしい、村田青葉らしい劇が出来上がっていました。
誠実性の髙橋といろんな隠し玉を持っている藤原。
音楽としてそこに加わる美紀依さん。
村田が求めてきたレベルにぐんぐんと近づいてきています。
既成の脚本に挑戦したことで得たものはかなり大きいかもしれません。
【11月22日(日)】
今日は、主に、昨日の通し稽古で気になったところを調整しました。
ダンス指導の山手さんにアドバイスしていただいて、役者たちのからだをほぐして扱いやすくするところから始めます。
昨日の通し稽古の際にも、髙橋の演技の変化の様子に驚きましたが、今日は山手さんに身体をほぐしていただいたことも影響してか、髙橋・藤原のやり取りがいつも以上にぴったりとはまっているように感じました。
こうしよう、と決めきるのではなく、その時その時の空気感を受け取って演技をしています。
もっと強く!もっと上に!もっと自分の芯をしっかりと持って!
「もっと」が求められることが多かった稽古場。
稽古を始めたところから今日までを振り返ると、明らかに役者たちは鍛えられているのではないでしょうか。
探り探りではありましたが「今のレベルよりもっと」という一心で芝居に取り組んできた役者と演出。きっと1回目の日誌から今日までを読んでみるとその様子が伝わるかもしれませんね。
ネタバレになってしまうため、役者の写真をあまりお見せできないのが心苦しいところですが、やはりここは実際に観ていただきたい。
さて、月曜日からは小屋入りです。安全に気をつけて、みんなで作業です。
これまでのものに舞台装置と照明が合わさって、一体どんな舞台が出来上がるのか、とても楽しみです。
稽古場でつくってきたものが、劇場に入り、そしてお客様のもとへと届く。
なんて長い時間がかかっているんだ。
日誌ができるのはその道のりの記録までです。
実際の「踊るよ鳥ト少し短く」という作品は、お客様に観ていただいて、やっと完成です。
これまでに演劇ユニットせのびをご覧になったことのある方も、せのびを見るのは初めて!という方も、これまでとは違う新しい武器を手に入れたせのびの「今」を、ぜひその目でご覧ください。
劇場で、お会いしましょう。
劇場に入るまでの稽古場日誌は今日でおしまいです。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
仕込み中の様子と、3日間の公演を終えての様子をレポートするかは検討中ですが、記録として残せたら、と考えています。
続報をお待ちください。
ではまたここでお会いしましょう!
〈文・写真 石橋奈那子〉
インタビュー企画
喋るよ鳥ト少しだけ長く① はこちら⇒