【せ間話】髙橋響子×石橋奈那子【夕方の部】
せのび団員の間のお話、略して「せ間話」。
『夏に冬は思い出せない』横浜公演を間近に控えたある晴れた日の夕方。髙橋響子・石橋奈那子の二人と、盛岡八幡宮前をお散歩しました。
入団までの経緯
お二人が初めてせのびに関わった――客演なのか団員としてなのかはそれぞれだと思うんですが――作品と、入団の経緯やきっかけ・決め手みたいなものがあったら教えてください。
髙橋
私が一応旗揚げメンバーで、最初の『なくなりはしないで』から出てるんですけど。
なんだろう、青葉さんからある日「今度やるんだけど出ませんか」みたいなメールが送られてきて。脚本も添付してあって、「なんか感想とかあったらください」みたいな。
岩手大学の演劇サークルの先輩後輩なんですよね。
髙橋
青葉さんが3年生の時、私が1年生で。それに2年生の先輩の代が集まってできたって感じですね、最初は。
在学中に旗揚げしたっていう感じなんですね。
髙橋
私は全然覚えてないんですけど、青葉さんが言うには、結構遅れてから連絡をしたらしくて。認知症のおばあちゃんと大学生の孫のお話だったんですけど、私のおばあちゃんも、認知症ではないけどだんだん体が動かなくなっていったりするのを見てたので、すごいいい本だと思って。感想をポチポチ書いて。で、そのまま入団っていう流れになりましたね。
当時は他の劇団と岩手大学の劇団かっぱで掛け持ちしてる人がいなかったので、「わあ、これ大丈夫なのかな」「認めてもらえるのかな」みたいなのを思ってたんですけど、その時の団長もせのびに一緒に入るっていうことになったので、 わりとスムーズに加入っていうことになりました。
大学のサークルに入る前に演劇経験はあったんですか。
髙橋
もともとなくて。やってみたいなとは思いつつ、高校の時も悩んでけっきょく別の、ソフト部をやってました。
大学で一緒になった子とサークル見学で劇団かっぱに入って……新入生に向けた稽古をしている青葉さんを見たらその時の恰好がピンクのオーバーオールで、なんだこの人はって思った(笑) そう、それが第一印象。でもなんかその稽古がすごい楽しくて、うわーやりたいと思って入りました。
奈那子ちゃんはどんな感じでした?
石橋
私は響子さんと同じように大学から演劇に関わり始めて、始めてすぐの6月に演劇のワークショップがあったんですけど。
そこに参加した時に、青葉さんとか響子さんとか、今回の座組にいる角舘さんとか早織さんとか、結構いろんな人と会って、そこから青葉さんと一緒に何かするようになって。
1年ぐらい経った翌年の3月に ちょうどせのびの第6回公演『月の流した涙、やがて君へ、海へ、たどり着く』があって、声かけていただいたので出て、そのまま入団。
髙橋
あれ終わった後に入団だったっけ。
石橋
終わった後。なんかその前もせのびに入るかどうかみたいな話を1年くらいずっとしてたんですけど、 誘われるがまま「はい」っていうのがなんかちょっと嫌で、私が入りたい時に「入りたい」って言って入りたい、という思いがあったんで。
団員にならないままその第6回公演は出て、そのあと1ヶ月考えて、面白かったなと思ってせのびに入りました。
関わり方の変化
そこからずっとやられてるわけですけど、せのびに対する印象の変化だったりとか関わり方の変化みたいなのってありましたか。
石橋
だいぶ初めの頃からの私の意見を、演劇始めたてのペーペーなのに色々聞き入れてくれて。始めたてだからないがしろにするとかじゃなくて、ここはこう思うって言う――そこの発言力の強さはちょっと私増してきてるかもしれないんですけど(笑)――もうせのびとしては基本は変わってないと思ってて。
そこから6年くらい経ちますけど、人が増えて、みんな色々公演を経験して厚みが増したなっていう風には思います。
髙橋
なんか最初の頃と今だと、ほんとに全然、どういう劇かみたいなのも違うし、芝居に対するスタンスだったり、目標みたいなのも全然違うから……。公演のペースはそんなに変わってないのかもしんないけど。1年に3公演、2公演はやってたのかな。
学生の時は全然こう、モチベーションがそもそも違うし。最初はやっぱり青葉さんが全部みたいな感じだったけど、今はすごいみんな持ち寄ってくれるし、みんなで作ろうっていう意識がすごい高くて、そこは全然違うと思います。
石橋
めっちゃ真面目なこと言ってる。
色々変化を共にしてきた身として、最近考えることとか、感じることとか、 もっとこうしていきたいなっていうのはありますか。
髙橋
最初の頃はやっぱり学生なんで、作業をやるにしても「ずっとできます」、 稽古場行くにしても「1番最初から最後まで全然いれますよ」みたいな感じなんですけど、やっぱり働いてるとだんだんそうはいかなくなってきたのがすごい歯痒かったりとか。
最近だとほんと体力が保たなかったりとか、体がバキバキだったりとか、やらなきゃいけないことがあっても全然眠さに負けてできないみたいなのが、すごい自分の中で、もう嫌(笑) なんなのこの体、みたいな感じに思えちゃって。それで奈那子にも特にそうだけど、いろんな人にお任せしたりお願いしたりとかするのが結構歯痒いなと思いつつ、できない自分にイライラもしつつ。
そういうのもあるけど、でも最近入ってきたみんなのやってることにすごい影響受けることが多くて。「そういう考えもあるんだな」とか、「そういうこともやっていいんだ」みたいな気づきがすごいいっぱいあって、じゃあもっと私もやんないとなっていう…… そういうことを思っています。
働きながら演劇をすること
「働いてると」っていうワードが出たので、ちょっと話を転換するんですけど。
お二人は学生の期間が終わって卒業して、就職してからも盛岡で演劇を続けるっていう選択をされた訳じゃないですか。そこって1つのターニングポイントというか。就職を機に演劇やめちゃう人とか、やってはいたけど続けられなくなっちゃった人って結構いると思うんですけど、お2人はどういう感覚がありますか。
今後も活動を続けていかれると思うんですけど、それに対する不安だったりとか、逆にスッキリした気持ちでやってるなとか、そういう心境の変化とかもあれば教えてください。
石橋
うん、気になる。
髙橋
どうしてもやっぱり「演劇だけで生きていけないだろうな」っていうのは思ってて。私は演劇で何かをするってなった時の武器がないなっていうのは思ってたので、じゃあこれは働きながらじゃないとできないなっていうのがあり。
でも盛岡で演劇やってる先輩方は 大体そうなので、私も――最初の武器がないっていうのもそうだけど――大体そうなるんだろうなっていう気持ちで、就職しながら演劇を続けるっていうことになって。演劇はもう続けること大前提で、それで食っていくのか、もしくは別のことで日々の生計を立てながら演劇を続けていくのかっていう、そこでの2択だったっていうことですね。
もしも演劇がなくて、じゃあ「休日の日何してる」って言われたら多分ずっと寝てるんですよね私。 他に何かするってなっても何もすることがなかったりとか。今でも結構空っぽな感じあるけど、もっと空っぽなまま過ごしてたんじゃないのかなって思って。だからこう、自分の生活の張りになるものってなんだろうってなった時にやっぱり演劇だし、舞台に立ったりとか、稽古したりとか、 やっぱり好きだなって。
1回ちょっとだけ離れたりしたことはあったけど、改めてやると楽しいし、 ちょっとやめるっていうのはないかもな……っていう。今思いました。
どうですか。そのあたり。
石橋
うん、そうです。私も働くとき、仕事をしながら演劇をするって決めた。
大学から演劇っていうものに触れ始めたので、それまではもう「大学行くの当たり前だよね」「卒業したら公務員とか」っていう、なんだろう、人生こう進むべき、みたいなのがあると思ってて。そういう頭がずっとあったから、芸術関係を仕事にするとか、俳優になるみたいなのを選ぶのがすごく怖くて。あと先行きが見えないことがすごく嫌なので、「わかってたい」「ある程度安心したい」っていう思いがあって就職はするっていうことにしました。
やりたい仕事があったわけではなかったし、 私まだ演劇は飽きてなかったから続けるだろうっていうことで、劇場に近いとか、転勤がなくて稽古に参加できるとかっていう理由で職場も家の場所も決めて。その生活が今、3年目になるんですけど。
そういうふうに働きながら演劇を続けてるうちに、県外の演劇をやってる方、社会人の方とも関わるようになって。そうした時に、演劇だけで生活してる人もいるなって思ったし、そうじゃなく私と同じように働きながら演劇もしてっていう人もいるなと思って。で、みんな色んな方法を取りながら演劇と関わってるというのが最近だんだん分かってきて。
今は色んな選択肢を増やしている時期かなと思ってる。今後も今の職場に居続けるっていうのはあんまり考えてないので。 役者でとか、もっと別の仕事に転職してそれもしつつ演劇みたいなこともあるかもしれないんですけど……。
今の職場で働いてよかったなって思うことも結構あって。演劇見に来てくれる人って演劇をやってる人ばっかりじゃないから、演劇関係じゃない大人の人と関われていること。こういうこと考えてるんだなとか、制作としてどういうもの売ったらいいかなとか、どういう時間がいいかなとか、どういうサービスがいいかなみたいなのを考える時に役立ってるし。
今広報の部署にいるんですけど、こういう風に色んな人に宣伝する方法があるんだとかっていうのが分かって、それをせのびに持ち込めたり、逆にせのびでやってきたことを会社でできてたりするので、今は楽しく働いています。
髙橋
広報の仕事になったのは、なんか希望言ったわけでは……あ、言ったんだ!良かったじゃん。
石橋
入った時から言ってた。私は別にそこの会社の職種にはあんまり興味がなかったので、ただただ宣伝をやらせろって言ったんですけど、 最初はやっぱり経験がないやつが何を宣伝するんだっていうのがあって。違う部署にいたのが、やっと念願叶って、3年目からほんとにもう、ほんとに宣伝(笑)
インスタとかチラシとかみたいなとこ。そこが今いいバランスだと思います。
図らずも出身地トークに
じゃあ折角なので、お互いにこの際聞いてみたいこととかあれば順番に出してもらってもいいですか。 全然真面目な話じゃなくていいです。演劇関係じゃなくてもいいです。
髙橋
あのさ。あの、大和田優羽ちゃん。優羽ちゃんも大船渡市の出身じゃない。この前優羽ちゃんが砂浜を「映画の中だけのものだと思ってた」って言ってて、奈那子もそうなのかなとか思って……。
石橋
うーん、確かに大船渡の沿岸は、まず漁場だからコンクリートだし。沖縄みたいなビーチじゃなく、ほんとに石ころだし。っていうのは確かにありますね。
髙橋
さすがに、なんか映画だけのものとか、別の世界の――
石橋
思ってない(笑) でも、近くにはないなとは私も。
優羽ちゃん、そっか……映画の中だけだと思ってたのか……。
髙橋
みたいなことを言ってたよね。
本人不在のとこでばらされましたけど。全世界に向けて。
石橋
ごめんね、ごめんね(笑)
髙橋
奈那子は、なんか海で遊んだりした?
石橋
あんまり遊んでないです。
髙橋
そうなの。いや、なんかこれ、完全個人的な話なんだけど。個人的な話っていうか、自分の話するんだけど。
私も青森市で一応海はあるの。で、なんか行きたい場所があって、でもそこの行き方が微妙に分かんないなって時に、「あれは海の方面にあるから、山のないところを目指して自転車漕いで行けば着くかもしれない」って思ったことがあって。そういうことやったことある?
石橋
地元でですか?
髙橋
うん。それ、1回やったことがあって。それで着いたかどうかは覚えてないんだけど、「いまいち行き方わかんないけど、山がない景色の方に行けば着くかもしれないな」と思ってむやみやたらに自転車漕いで行ったことがあった。我ながらすっごいバカだなと。
石橋
……ないかな。
髙橋
ないよね。
石橋
青森、結構平地ですか。大船渡ってこう(斜面のジェスチャー)なんです。極端なんですよ。すぐ山だから。平地がないから、ほとんど。
ちなみに私(八戸市)はあります。街なかにポンって置かれて、海の方行けって言われたらなんとなくわかりますよね。雰囲気ひらけてる方。
髙橋
何もない方みたいな。うん、着きます。海の方には。
なんかこの前1人で車で運転して大船渡行ったんだけど、 優羽ちゃんと奈那子が住んでる地区の名前を稽古してるとよく聞くからgoogleマップで見た時に、あ、優羽ちゃんと奈那子って割と遠いんだ、みたいなのを知って。そこで同じ高校通ってたんだって思うと、結構どっちも遠かったんじゃないか。
石橋
うちの地域が広いだけで、私はもう高校寄りなので歩いていけるんですけど、優羽ちゃんがめっちゃ遠いと思う。
彼女らが育まれた感を感じました?
髙橋
感じました。メインで行ったのは優羽ちゃんちの近くの方。観光名所だったんですけど「 わ、のびのび育つわ、これ」って。
石橋
なんもないからね。
髙橋
いや、やっぱすごい景色も良かったし。椿が市の花なんだよね。椿の花がいたるところにあるみたいな。3人の――温斗くんと奈那子と優羽ちゃんから、これまで聞いてた大船渡情報を元に回ったら「あ、ほんとだ」みたいなのが結構多くて、すごい面白かった。
石橋
ありがとうございます。
じゃ、奈那子ちゃんからありますか。質問。
石橋
青森市行ったことないんですよ。どういう町か分かんないんですけど、何が観光PRの1番なんです?
髙橋
1番はねぶた祭。ねぶたって毎年グランプリみたいなの決めるんですよ。今「ワ•ラッセ」っていう建物が駅の近くにあって、その建物の中に昨年その大賞を取った山車を展示するっていう。ねぶたの期間って8月の頭なんだけど、その期間以外でも、そこ行ったらねぶたのでかさとか迫力は味わえるかな。ねぶたシーズンは本当に混むから。車でも近くに行けないくらい。人混み嫌いでしょ?「ワ•ラッセ」とか行ってゆっくり見るのがおすすめかな。あと三内丸山遺跡!
石橋
あれも青森市なんですね。
髙橋
青森市ですね。青森市はめちゃくちゃ土器が取れると思う。 私の小学校の畑で土を掘ってたら土器がいっぱい出てくるぐらいには、めちゃくちゃ出るから。普通に暮らしてても「あ、土器」みたいな。 三内丸山は行くと貝塚とか、竪穴式住居とか、当時の跡が見れて結構面白い。運が良ければ、なんか勾玉作れたりとかもする。
石橋
すごい歴史。
髙橋
そうね。やっぱ、なんだろ江戸時代とかに栄えてない土地なの、青森市は。あんまり詳しくないけど、多分、江戸時代とかだと、八戸と弘前が 南部藩と津軽藩で栄えてて。で、そこが喧嘩してたから間をとって青森市がその県庁所在地になった、みたいな歴史がある。青森市は一応津軽藩かな。
石橋
へー。
髙橋
一応空襲も受けたりしたから、例えば江戸時代の有名なものとかって言ってもあんまりないんだよね。 だからほんとに古いもの――三内丸山とかがあるって感じ。
石橋
食べ物だとなんなんですか。りんご――りんご以外。
髙橋
青森市はそんなにりんごじゃないんだよね、実は。弘前の方が多分りんごは有名で。食べ物なんなんだろう……でも帆立とかかかな。海産物かも。農業より漁業。農業は青森市だとそんな聞かないかも。もしかしたら青森の周りの他の市町村だとそうかもしんないけど、青森市って言うとそんな聞かなくて。……もしかしたら、確かブルーベリーみたいなの作ってたかも。
石橋
果物なんですね。米とか作ってるんですか、『青天の霹靂』とか。
髙橋
そうそうそうそう、青森市。1番新しいブランド米。
せのびでやってみたいこと
ありがとうございます。じゃあ未来の話をいくつかして締めますかね。
温斗くんが「これやりたいね、みたいな話をして終わると次が見えていいっすよね」って言ってたので(笑)
じゃあ、せのびこれからどんどんいろんな活動されていくと思うんですけど、その中でお二人が「これやってみたいな」と想像しているものがあったら。
髙橋
今ちょっと思ったのが、旅公演。いろんなとこ回りたい。あれかも、団員の出身地は回りたいかも。 大船渡、仙台、青森、弘前とか北上とか。……北に寄ってる?
いや、そこはまず行くとして、東北6県でやりたい。東北6県もだし、あとはやっぱり、まだ行ったことないとこ。
石橋
四国とかですか。
髙橋
いいね。
石橋
九州とか。
髙橋
南の方だとやっぱりこうさ、真逆なイメージあるじゃん。真逆っていうか、文化が違うし、気候も違うし、言葉も違ったりとかするじゃない。方言とかで。 なんか、それを結構浴びたいかもしれない。
この公演期間を通じて、せのびの団員の皆さんって、色んな土地に行ってみたい、知らない人に会ってみたい好奇心がすごいあるんだなって思います。
髙橋
そうなんだ。
うん。優羽ちゃん新沼くんペアも、「色んなとこに行ってみたい」「旅公演抵抗ないです、全然」みたいな感じで。あとこうやってしっかり聞いてみると、結構がっつり喋るのが好きな人も多いなっていう印象もあるんですよ。 面白い特徴だなって思います。
髙橋
奈那子は?
石橋
今後ですね。どうだろうな、それは私も色んなとこに確かに行きたい。大きい劇場、憧れはあるけど、せのびがそれに合った作品作りをしてるかというと、ちっちゃい方がより魅力が伝わるなと。せのびを見るために盛岡まで外の人が来て、 その人たちでいっぱいすぎて盛岡の人が入れないみたいな状態とか……
髙橋
いいね(笑)
石橋
起きたらいいなと思うし、そのために早く新幹線が安くなればいいな。自分たちが行くのもそうだけど、自分たちを見るために外の人が盛岡まで来てくれたらいいなっていうのは、ずっと思ってますね。
あと、色んなジャンルの人ともコラボ。演劇だけじゃない人とのコラボ。色々コラボをし続けていきたいと思いますね。
髙橋
うんうん。
石橋
野外劇とかね。
髙橋
やりたい。1回やったことあるけど、めちゃくちゃむずい。
石橋
難しそうです。
髙橋
むずかったけど……いや、いいね野外。どういう人とコラボしたいとかある?今
石橋
今?……ダンスとかジャグリングの人と一緒に創作をやってるのは見てきてるから、なんか即興で音楽……?でもそれもそれでやってるんだよな。
髙橋
やってるな。結構やってるな。
石橋
あれだ、ご飯食べながらの公演とかは気になりますね。 ご飯食べ食べリーディング公演とか。
あと、移動式、 移動式公演。うちらが、割と広い範囲をお客さんを誘導しながら。あれですね、県令邸でやったやつ(『ト(゛)リップ -旧石井県令邸編-』)のおっきいバージョンとかやりたいし、演劇祭を開催できるくらい力を持ちたいですね。盛岡で。
髙橋
そうね。うん、確かに。
できるようになりたいこと
じゃあ、お二人が個人的に「これをできるようになりたい」「このスキルアップしたい」っていうのは今ありますか。目標とか願望とか。
石橋
自分で企画を打って、人を集めて回せるようにっていう、そのプロデュースのところ。慶さんとか青葉さんに頼みきりなところがあるので、せのび。そこをもっと 団員1人1人というか、私が「これやりたいからこうしましょう」みたいなことができるようになると、もっと色んなことができるようになるなと思いますね。
髙橋
私はワークショップかな。最近ファシリテーションのワークショップを受けましたし。あと、ちょっと今思ったのが、私が大学生だった時に、それこそ青葉さんとか年上の方に結構教えてもらったりとかをしてたのを、まだ返すってことをしてないなって思ったので。今ちょっとそこを色々勉強したいなと思ってたので、自分が、まずは団内の人も巻き込んで近しい人から始めて、最終的には大学のサークルの人とか、 岩手の人ってもうちょっと規模を広げて。で、自分でそういうのを組み立てていけたらなって思います。
石橋
どっちも役者じゃない(笑)
髙橋
役者の時はやっぱり「気を抜いて喋ること」。気がどうしても入っちゃうから、不抜けた感じで喋りたい。 いつも(気が入り過ぎて)話聞いてないじゃんって言われる。一応、聞いてるはずなんだけど。聞けてないから、なんかどうすればいいのかわかんない。 ちょっとそこは模索です。まだまだ。
横浜でやりたいこと
じゃあラストこれで締めましょうか。横浜でやりたいことありますか。これは実現性問わずです。
石橋
サーフィンです。……湘南かも。横浜じゃない(笑)
優羽ちゃんは、「でかい粥を食べる」って言ってました。
髙橋
あー言ってた、言ってたわ。
石橋
ほんとにきついんだから、あれほんとに。
髙橋
どんくらいなの。
石橋
え。洗面桶くらい。
髙橋
え。食べ切ったの?
石橋
みんな一人ひとり頼んじゃったから。うん。
髙橋
え。偉すぎる。すごすぎる。 それ食べたいって言ってんの?!
……優羽ちゃんなら食べれそうだけどね。
石橋
本番終わってからね。うん。
髙橋
そうだね。私は中華街の食べ歩きをしたい。食べたい。列んでるお店に願わくば列ばないで入りたい。
石橋
選べば行けるんじゃない?
髙橋
まあね、まあね。ちょっと多分本番時期暑いだろうからさ。あんまり列ぶのはちょっと。しんどいだろうなと思って。
もう喋り足りないこととかないですか。大丈夫ですか。言っとくことないですか。このままだと最終的な印象が食いしん坊劇団になっちゃいますけど……。
(無い)――じゃ、ありがとうございました!
聞き手・撮影:嵯峨瞳(片目で立体視)
編集協力:山本あかり(劇団ちゃねる)