iGEM 2024 TUPLS-Japan プロジェクトの振り返り
はじめに
はじめまして、TUPLS-Japanの山入端です。この記事は、iGEM Japan Advent Calendar 2024の8日目の記事です。今回の記事では、Meetupについてとプロジェクトについて書きたいと思います。ダラダラと書いているので、お見苦しい箇所もあるかと 思いますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
Meetupについて
まず、私は今回のMeetupの担当者なので、少しだけMeetupについての話をさせてください。これを読んでいる方はご存知かもしれませんが、来週の日曜日(12月15日)に2025_Meetup_1stが行われます。今回のMeetupは、オンラインで開催され、午前の部と午後の部に分かれています。午前の部では昨年のMeetup同様、2024年出場チームの報告会が行われます。プロジェクト概要やiGEMの1年間の振り返りなどを発表していただきたいと思っています。午後の部では、2025年以降にiGEMへの出場を目指すチームのチーム紹介・プロジェクト概要紹介を行っていただきます。その後、ブレイクアウトルームを用いて交流会を行います。2024年以前に出場経験のある方にファシリテーターとなっていただき、いくつかのグループに分かれて交流会を行います。2025年以降出場予定の方へ、参加フォームで何について聞きたいかのアンケートを取りました。そのアンケートをもとにグループ分けを作成しています。前半・後半それぞれ30分ずつあり、参加者の方は前半・後半で別のグループに割り当てられます。今のところ、概ね参加者の方の希望通りにグループ分けができているので、当日お楽しみください。
今回のMeetupを開催するにあたって、ファシリテーターを引き受けてくださった方をはじめ、多くの方にご協力いただいています。本当にありがとうございます。当日まで、最善を尽くしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
プロジェクトの振り返り
ゴジラバクテリアプロジェクト!
私たちはもともと「ゴジラバクテリアプロジェクト」を進めていました。内容は、
放射線のエネルギーを吸収して増殖する
放射線の発生源に集まる
放射線を検知して光る
というようなものです。しかし、この本来の「ゴジラバクテリアプロジェクト」は福島への訪問や放射線についての知識をつけていくなかで、実用性・実現可能性が低いということがわかりました(特に2と3について)。例えば、放射線の発生源に集まるについては、微生物を環境中に散布することになりますし、そもそも、現在の福島で問題になっているのは放射線そのものではないので、あまり実用性・実現可能性が見えません。さらに、放射線を検知して光るについても、放射線の検出・測定には専用のサーベイメーターを用いるので、あまり実用性がありません。これらの理由から、この機会に一度0からプロジェクトを作ってみよう!ということになりました。
Project TA、、?
いくつかの班に分かれてプロジェクトを作り、発表し、投票を行いました。そして、選ばれたのは、「Project TA」というものです。プロジェクト名はともかく、内容は「電気化学活性菌およびメラニンを用いた放射線汚染土壌の再利用」です。これが最終的なプロジェクト「ENEducer」の原型となっているプロジェクトになります。「ゴジラバクテリアプロジェクト」からの大きな変更点は以下の3つです。
放射線を吸収するではなく、放射線のエネルギーを変換する
放射線汚染土壌問題に取り組む
電気化学活性菌を用いる
福島で現在問題になっているのは行き場のない大量の放射線汚染土壌であること、放射線を吸収することは現実的ではないことなどを踏まえての変更です。内容について簡単に説明すると、放射線汚染土壌から出る放射線を電気or化学エネルギーに変換して、汚染土壌を有効活用しよう!です。結局、選ばれたのは「ゴジラバクテリアプロジェクト」の血を引き継いだプロジェクトで、バクテリアの名前は「ゴジラバクテリア」をそのまま使っていました。このとき、私たちはまだ気づいていませんでした。このプロジェクトの大きな問題点に、、、
余談
いろいろな案が出ましたが、私の班が提案したのは「花粉症対策プロジェクト」です。舌下免疫療法にもちいるための抗原を生産することや、花粉細胞壁の類似物質を用いた免疫抑制などを考えていましたが、実現可能性などの面から採用されませんでした。私の興味は、villageでいうとhealth careに偏っているので、このプロジェクトを作っているときはとても楽しかった記憶があります。
ついにENEducerへ
さて、新規プロジェクトである「Project TA」が採択されてから数ヶ月のときが流れた7月、私たちチームはお世辞にもうまくいっているとは言えない状況にありました。そんな中、福島の汚染土壌から出る放射線のエネルギーを変換して得られる電気エネルギーはどれくらいなのか?という疑問が持ち上がりました。実際に計算してみると、最大でも16.6Wという結果になりました。豆電球の消費電力が5Wであることから、電気エネルギーとして利用するのは無理があるという結論になりました。これが7月7日の七夕の日の出来事でした。間違いなく、人生最悪の七夕と言えるでしょう(ちなみに、この日はもう1つ事件?がありましたがその話は別の機会に)。今振り返ってみても、この問題はもっと早く気付くべきだし、気づけたのではないかと思います。もっとプロジェクトと向き合っていれば、もっとHPをしていれば、このような事態にはならなかったと思います。
この問題が発覚してから数日後、私は別のプロジェクト案を考えていました。今考えてみれば、これは悪手だったと思いますが、この時は完全に焦っていました。当然、周りからは別のプロジェクトへ変えることや案を考えることへの反対の声が多かったのを覚えています。discordや議事録を振り返ってみると、当時の嫌な思い出が蘇ってきますが、これはこれで大事な時間だったのかなあと勝手に思っています。周りからの反対もあり(一番効いたのはPIからの猛反対でした)、私は、今の「Project TA」をどう修正するのかということを考え始めるようになりました。
正直、7月中旬〜8月はいろいろなことが起こっていたので、この辺の振り返りは追記するか、別の機会に書きたいと思います。
なんだかんだで、チーム内での話し合いの結果、新しいプロジェクト「ENEducer」が誕生しました。福島の汚染土壌問題からは離れ、宇宙に目を向けたプロジェクトです。
詳しくは私たちのwikiをご覧ください。
ちなみに、「ゴジラバクテリア」という名前はいろいろな問題があり、使えませんでした(本当は使いたかった)。
最後に
ここまで、私たちのプロジェクトについて振り返ってみました。参考になる点はなかったと思いますが、これを反面教師として来年出場するチームの方には頑張って欲しいと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。また、2024年のTUPLS-Japanを応援してくださった方、そしてチームメンバーへも、この場を借りて感謝申し上げます。本当にありがとうございました!!