「街の小さな映画館」第8回 豊岡劇場&エール動画
塚本晋也が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第8回は、兵庫県北部・但馬地域唯一の映画館、豊岡劇場さんです!日本で最後の野生コウノトリの生息地で名湯・城崎温泉を有する豊岡市。その中心市街地に位置する豊岡劇場は、昭和2年(1927年)に芝居小屋として開館。2012年に一度閉館しましたが、現在の運営チームが2014年に再開させました。映画監督としては塚本監督が最多で訪れています。
「街のインフラ」且つ「文化的施設」としての〈「場」をつくること〉を目的に運営を続けてきた豊岡劇場ですが、先日、8月末での休館を発表しました。代表の石橋さんは「街に確実に映画があることで、若い人が見に来てくれる。それは未来の映画人を輩出することにつながる」といいます。今後は次世代に〈「場」を残すこと〉を目指し、地域での存在意義を問いかけていきたい構えで、事業継承の道を探っています。
公開された動画では、戦前のままの外観、芝居小屋時代の面影を残しながら、フィルムリールを活用した照明などアイディアたっぷりにリノベーションされた内装、ピンナップ写真と神棚のある映写室などを辿ります。インタビューでは代表の石橋秀彦氏が地域にこの劇場を何とか残したいという現在の思いを語ります!
また今回は豊岡劇場の休館の報を聞いた塚本監督が、自作のタイニイハウス・キャンピングカーで劇場に駆けつける様子を収めた応援動画も同時公開!存続をかけて模索する豊岡劇場にエールを送ります!
世界最小(たぶん)タイニイハウス・キャンピングカー、ミニシアターを訪れる。豊岡劇場応援動画。
【塚本監督から豊岡劇場へ】
かつては、お客さんが入り切らず、立見席に鉄柵があるのは、人の雪崩が起きないようにするためだったそうです。
その時の劇場の様子がほぼそのまま残され、雰囲気を壊さないようとてもおしゃれにリノベーションされた、最も個性的なミニシアターのひとつです。
映写室には、神棚やかつての映写技師さんお気に入りのスターの写真が貼られ、タイムスリップしたような気持ちになります。
この度は休館のお知らせを聞き、ミニシアター動画を作る時に使おうと思いながらもそのまま眠らせていた、手作りの世界最小(たぶん)タイニイハウス・キャンピングカーに乗って応援に駆けつけました。そちらの動画もご笑覧いただけましたら幸いです。
豊岡劇場
兵庫県豊岡市元町10-18
TEL:0796-34-6256
https://toyogeki.jp/
座席数:大ホール・148席/小ホール・34席
通称:豊劇。昭和2年(1927年)に創業者である山崎一家により芝居小屋として開館。戦時中は軍の倉庫として使用され、戦後は歌謡ショーやラインダンスの上演を経て1950年ごろに映画専門館に。デジタル化のあおりを受け2012年3月に85年の歴史に一度幕を閉じるも、有志による「豊劇新生プロジェクト」が立ち上がりクラウドファンディングで資金を募るなどして2014年12月27日に再開。有限会社石橋設計が経営を引き継ぐ。リニューアルオープンイベントでは『メリエスの素晴らしき映画魔術』と柳下美恵さんピアノ生伴奏付きでの『月世界旅行』を上映。兵庫県北部(但馬地域)唯一の映画館としてプログラムは大作からアート系映画まで幅広い。「映画館を通した多種多様なアクションを起こす拠点」「地域や国内外すべての人々と共に、今迄に触れたことのない、自由な発想を想像する目的のオープンなプレイス」を目指す「場」をコンセプトに、ワークスペースとしても使える併設のカフェ&バーや子どもを対象にしたワークショップ、購入するとカウンターにチケットがストックされ18歳以下の方に映画鑑賞をプレゼントできる「U18みらいチケット」、また映画の製作出資や配給、動画配信サービスなど様々な取り組みにチャレンジしている。2022年3月末での休館を発表するも現在事業継承を模索中。
【『野火』上映記録】
2015:8月2日(先行上映)/8月15日~9月4日 *トークイベント(映画評論家・塩田時敏氏と):8月2日
2016:9月10日 ~ 9月16日 *舞台挨拶:9月11日
2017:8月12日~8月18日
2018:8月10日, 13日(※豊岡劇場ハナレでの上映)
2019:8月2日~8月8日
2020:8月14日~8月20日 *オンライントーク:8月15日
2021:8月13日~8月19日