美味しいお肉の保存方法

焼肉屋を営業するのにあたり、ついて回るのが在庫問題です。
店舗によって保存方法が変わるとは思いますが、仕入れて日が経てばモノは悪くなります。

どんなに包丁技術があっても、ものが悪いと美味しい商品にはなりません。お肉の保存方法はどのような方法があって、各々どのような利点があるのか調べていきたいと思います。

①お肉の保存方法

お肉には様々な保存方法がありますが、大きく分けると
・冷凍するか、しないか
・真空保存するか、しないか
・ブロックで保存するか、スライスして保存するか

この3つに分けられると思います。

ちなみに今回は柵取りされたブロックのお肉を対象にしています。
それでは保存方法について一つ一つ見ていきましょう。

・冷凍によるお肉への影響

一般的な認識として、冷凍肉よりチルド(冷蔵)のお肉の方が状態が良く保てるイメージがあると思います。

これは冷凍肉を解凍する際、どうしても旨味が抜けてしまうからと、解凍方法によっては雑菌が繁殖する恐れがあるからだと思います。

また、冷凍焼けと言って、冷凍庫内でお肉が乾燥、酸化して品質が落ちてしまう現象もあります。

対して冷凍保存の強みは、その保存期間にあります。牛肉のブロックが冷蔵保存だと約5日程なのに対し、冷凍保存は約1ケ月程品質を保つ事が出来ます。
回転率の高い店舗ならチルドで、小規模店であれば冷凍で、というように使い分けられています。

・真空保存とは

僕のお店には真空用の機械があり、柵取りしたお肉はすべて真空して冷凍保存をしています。
冷蔵、冷凍保存どちらにも有効な保存方法に「酸素に触れないようにする」というのがあります。

お肉は酸素に触れると、お肉の表面に雑菌やカビを運んでしまい、風味が落ちてしまうからです。
家庭ではラップやジップロックで空気に触れないように処理をします。

お店によってはお肉のバットを洗った後、業務用ラッパーでバットに蓋をするところもあります。

冷凍保存の場合は真空保存、解凍したものはラップやキッチンペーパーで保存されます。
一度解凍したものをもう一度冷凍するのは、食中毒の原因になる為避けましょう。

・ブロック肉の「スミ」

ブロック肉をカットすると、切断面の外周に黒い輪のようなものが現れる時があります。
これは「肉にスミが入る」といいます。黒いから劣化しているのかと思いきや、これは肉の変色に関係があります。

お肉は酸化すると、発色作用が起こり鮮明な色になります。そのままにしておくと色落ちが起きる為、ラップなどで酸化を防ぎます。

ブロック肉の場合、表面は発色していきますが、表面の少し下の部分は発色しないので、本来の肉の色である黒ずんだ色になります。
牛肉は鮮度にそれ程味が左右されにくいので、味にさほど影響がないのですが、見た目が悪くなります。

切り出し(注文が入ってから切る)のお店によくある状態です。切り置き(あらかじめ切って置く)のお店は酸素に触れないようにする事で、変色を防ぐ事が出来ます。

②最適な保存方法は店それぞれ

以上3点を踏まえて、一番いい方法は冷蔵保存で酸素に触れないように保存し、スライスしてまた酸素に触れないで保存し、その日のうちに売り切る事です。
ただ、相当な繁盛店ならまだしも、小規模店舗で一日分きっちり仕入れ、売り切る事は不可能です。

ある程度在庫は置いておかなくてはいけないし、土日業者様がお休みの場合も考えなければいけません。
その為、冷凍保存や真空保存のいい所を選択して、品質が落ちないようにそれぞれの保存方法の長所を知る必要があります。

僕もこの記事を通して、品質向上の為さらに勉強していきたいと思います。

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