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俺の町松代、日帰り旅

2021年11月。旅取材もだいぶ気楽に出られる空気にはなっていた。
とは言え2023年現在の状況から見ればまだまだ観光目的の人出は比べ物にならない。大きな違いは外国人観光客の有無だろう。
今回は長野県松代町。東京から日帰りで行けるという趣旨のコラムを書くための取材だ。
思えば東京から長野は私が高校生の頃はまだ新幹線がなかった。
そんなのつい最近のことでは?と思ってしまうが既に40年以上前のことになってしまった。
昭和の上野発長野行特急は碓氷峠越えというイベントがあり横川駅で釜飯弁当を購入で否が応にも旅気分も盛り上がるというものだったがその分時間もかかったため関東南部の人間には長野は随分遠くに感じられた。
コスパタイパの時代の今、新幹線による時短は大歓迎かとも思われるが、そもそもコスパタイパ言うてる奴は長野へ日帰り旅なんかしない。
敢えて今新幹線否定の長野行きの旅を楽しみたいなら普通電車乗り継ぎ、
横川で釜飯買ってバスで軽井沢、そこからまた普通電車で長野となる。
これはこれで楽しそうだがなんとも酔狂でタイパな奴がそれこそ狂い死にそうな話だが、それ以上に切実なのがコスパ。

釜飯高い(陶器容器入り1300円)

だいたい釜飯に限らず駅弁は高い。
かと言ってわざわざ鈍行乗り継いで横川まで来て駅弁スルーするわけにもいかんでしょ。容器はもちろん陶器だ(紙のもあり、ちょっと安い)邪魔になっても持ち帰り必須。猫がいた頃は猫ちゃんの水飲み用。あんなの一個あれば充分でしょ。今は特に用途は思いつかないけど持って帰るが・・・
横川のおぎのやさんは今は食堂みたいになってますが釜飯は動いてる車窓を見ながら食うもんでしょ。軽井沢行きのバスの中で食べます?場所柄許される空気はありますがバスの中で弁当食う中高年の絵面はなかなか痛々しいものがあ る。これは普通列車の中でも同様。
車中で駅弁を食う様が旅情のあるいいビジュアルとして映るのはのは昔の急行、特急車両の車内限定でしょ。クリーム色に赤ラインのL特急は駅弁を食うための車両なんです(withプラ容器のお茶)
新幹線開通後の在来路線の旅は残念なことに時間かる、金かかる、かっこ悪いとコスパタイパ信者でなくともできれば避けたいというのが現実だ。
現在の新幹線での東京-長野間タイムパフォーマンス1時間20分。
駅弁をゆっくり楽しむという気分にもあまりならない。
そんな優れたタイパwによって目的地での行動時間が増える。
その時間の余裕で何をしたかというと、今回は墓参りだ。
今回の目的地の松代には私の奥様のご実家のお墓がある。
奥さんのお父様が亡くなられてまだ当時2年くらいだったのだが、
その後疫病禍となってしまったのでなかなかあちらのご家族が墓参りに行けなかった事情もあり今回は私が一人で行くことにした。
最近の私の趣味の一つになろうとしている墓参り。
親類関係にも墓に入る人も現れ始め、自身も墓に近い年齢になってることもあり前向きに墓を参っていこうと思い行ったところ・・・
これがなかなかに気分がいい。
元々育った環境が寺が多い土地だったため墓地に対する忌避感もないどころかむしろ親近感しかないというのもある。
特に一度行ったことのある松代の寺町の感じは非常に印象もよく今回の墓参りは楽しみでしかなかった。
長野駅から松代は以前は鉄道が通っていたが今はバス(35分)しかない。
今も遺構として残る松代駅が実に味わい深く鉄道のある時(そんな昔ではない)来ておきたかったと少し悔しい気持ちにさせる。
とりあえず自転車借りて墓参り、そして松代といえば象山、のぶゆき(真田の兄)それらゆかりの施設を一通り回り、昼は象山ラーメン、あまつさえ川中島の近くまで行き地元スーパーでおやき大量に買ってまだ時間は余る。
タイパ最高(金は使った)
新幹線日帰り駅弁なし長野松代日帰り旅(約12時間)
昔の旅もよかったが今は今でそれなりにいい。

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