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夢:空想と理想の入り混じったレテリジェンス $

前奏



それで、話は変わるのだけれも。私さ。小学5年生くらいのときに思想家になりたかったんだよね。勿論当時は子供だったから長くそう思い続けることは無く、随所随所に思うって感じなんだけどね。思想家が何なのかも具体的には分かってなかったし。けど、確かになりたいって思った。それは憶えている。世の中についてもっと考えてみたかった。大人になっても考え続けていたかった。あの時の気持ちが今まで頭の片隅に残っていたんだろうね。
けど、ここまで来るのには随分と時間がかかった。なんなら今でも寄り道してるよね。

何度も絶望した。
今思うと滑稽だけど死にたくてたまらないときは部屋にあったおもちゃのコルク銃(そこそこ仕様のしっかりした)で何度も頭を撃っていた。それで気分が楽になると思ってたんだよね。まぁご察しの通りもの悲しさが後に残るだけだったけれど。
絶望の底にいるときは目に映るすべてを殺めたいとも考えた。けれども「それをしたところで自由になれない」という回答が自分から0.5秒くらいで返ってきた。
それから、やっぱり死ぬことはできなかった。私は世界一中途半端なやつだと思った。「自死」という選択肢はいつだって実現不可能な希望として棄却され続けた。当時はさっき言った(消極的自殺反対の)理由もあり、あるいは死んで今より状況が良くなる保証もどこにもない、これより悪くなる可能性は0じゃないよな、と宗教じみているのか正当化したいのかよくわからなかったけどそんな言い訳もあって死ぬことはできなかった。
自分はさっきの①の夢で言うところの「過剰に悲しむ人間」に類していたわけだね。もうずいぶんと前の話だけど、あれは最悪だった。眠っている間が一番幸せだと感じていた。目覚めるのが嫌だった。意識だけ誰か代わってくれないかと思っていた。なんで私は私として生まれたんだろうって。私が私でなければきっと世界は今よりもよくなっていただろうって思った。何かに願ったよ。代わってくれって。当然、そんなことをしても何にもならないのにね。



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