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なぜ人は家をもつのか?
現在、地球の陸は建物で埋め尽くされている。
そのうちの大半は住むために作られたものである。
今回はマンションやアパートも含めた家の機能というものについて考えてみたい。
家をもつということ。それはその周辺の地域のコミュニティに参加することを示す。(積極的に自治会などに参加するしないは置いておいて)
家は時に心の拠り所となる。しかし、場合によっては家が重しになることもある。生活圏が家に規定されてしまうということだ。
家は人間の行動範囲を規定する。旅行や遠足という概念は「帰る」ことを前提にしている。どこに帰るのかと言うと無論それは最終的には家なのであって。そういった意味で言うと家とは誰にとっても普遍的な役割を果たしている。
さて、なぜ人は家をもつのか?この問題の範囲をもう少し限定したい。
「なぜ住まいを探すのか?」
—そりゃあ、あんた、職場が今の家じゃ遠くて不便だからよ。
なるほど、職場までの移動時間を減らすため、と。
—そうよ。
なぜ移動時間を減らさなくてはならないのか。
—そんなの決まってるでしょ。今のままだとあまりにも遠いから。移動に時間を費やしすぎると他の事ができなくなっちゃう。
家事、育児、睡眠。どれも私にとっては大切なのよ。
この中で、たとえ家をもたなくてもしなくてはならないのは睡眠だろう。育児に関しては例外者が存在し得るため今回に限っては省かせていただく。
しかしながら、睡眠を外でするというのはどうも辛い。その場合睡眠の質は下がってしまうだろう。
なぜ家をもつのか。
この問いにたいする結論としては「安心して眠るため」である。というどの人間にとっても普遍的な回答ができるのではないかと思う。
安心して眠るために家がある。家が眠るためだけでなく様々な役割を有するようになったのは、まるで電話とメールしかできなかったガラケーがたくさんの機能が付いたスマートフォンのように、様々な欲求を人間が持ち合わせているためにそうなってしまったからのだろう。
夢のマイホーム。得てしてそれは自らを規定し束縛しうるものである。つまり人間は自由を求めているようで求めていないと思いきや求めているのかもしれないというどっちつかずの状態にいつも陥っているのだ。