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いちばん厄介で、いちばん手ごわい相手

「鴨川ゆっくり裸足ラン」大会に出てきました。前回は20㎞、今回は最長の42.195kmの部。「ゆっくり」と名前がついている大会ですが、42.195kmの部は制限5時間とまぁまぁ厳しめで、参加する10名前後の男女も猛者感のオーラが出てる感じ(笑)。

前半は20kmの部でキロ5分ペースで淡々と刻む変態、いやいや、ランナーをペーサーに、大きく離されないように周回を刻むが、20kmのトップランナーたちがゴールすると、ペースを作るのは自分自身。

30km近くなってくると知覚過敏になった足裏が「言い訳の神」を招聘し始め、ペースがみるみる落ちてくる。川上に向かって緩やかに登るセクションの向かい風が強まってくるから、「言い訳の神」は勢いを増す

「もう歩いても制限時間には間に合うよ」と頭の中で囁く。残り1周になったところで、今回は時計を全く見ていないことに気づいたけれど、自分が戦うのは時間ではなく、自分自身だと悟り、とにかく前に進む

足の攣りの予兆すら見えてくるが、まだいける、まだいけると頭の中で唱え、折り返しで残り2.5kmの追い風+下りで恥ずかしくない走りをしよう、と決める。すでにゴールしている短距離のランナーたちの声援や、同じ裸足42kmの戦いに挑んでいるランナーとのすれ違い時のタッチ、「ナイスラン!」の声がエネルギーになる。

蓋を開けてみると3時間59分14秒と、ギリギリ目標達成。ゴール後、嬉しさや安堵よりも、しばらく過呼吸気味になって芝生にぶっ倒れていました(笑)。

いや、ちゃんと靴履けよ、という話かもしれませんが(笑)、一番厄介で手強い「自分自身」との戦いをこんなにお手軽にできる競技もそうはないと思うし、何よりもこの場所に集まってくる老若男女、走力の幅も能力も多様な人たちとの触れ合いが気持ち良いわけで、あんなに辛かったのに、また来年帰ってこようと思ってしまうのは、私が壊れているからでしょうか(笑)。

ま、いいや。おかげで身体中の筋肉だけじゃなくて、心も温まっている気がします。

本当にこんな素敵な大会を開いてくれてありがとう。20㎞、42.195kmと2部門制覇できたので、次回は言い訳の神が降りてくる隙がないくらい、ゆっくり走ろうと思います(笑)

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