「困った時はお互い様」
久しぶりのベルギーに向かってます。
会社人生の中でたった5年ちょっとだけれど濃密すぎて忘れられない経験を山ほど僕にくれた場所。パリの空港に着いてシャトルバスでブラッセルに向かう高速道路沿いの景色を眺めていたらこんなことを思い出しました。
それは家族で駐在していた約20年前のある週末のこと。
ベルギーの音大で勉強しながら日本人コミュニティの子供達にピアノを教えていた若い先生ご夫婦が帰国することになり、上の娘が本当にお世話になったので、ブラッセル市内のパリCDG空港行きの送迎バス発着場まで見送りに行きました。
でも時間になってもバスが一向に来ない!
電話で確認するとどうやら予約がちゃんと受け付けられていなかった模様。さぁ一大事!
代替手段を探す時間が勿体無かったので、反射的に「僕が送ります」と叫び、遠慮している先生ご夫婦をクルマの後席に押し込み、300km先のCDGまで車を走らせました。
空港のKiss & Fly(車寄せ)で二人を下ろし、良い旅を〜!って帰る私に、何度も頭を下げる若い先生ご夫婦。
確か小雨が降ってたな。
それにしてもどうしてこんな話を急に思い出したんだろう。高速道路の風景に紐づいた暖かな記憶が呼び起こされたのかな。
その後無事帰国された先生から、「送っていただく車中、お礼を言う私たちに『困ったときはお互い様』と笑顔でおっしゃった言葉を、きっと忘れないと思います」と書いた手作り絵葉書が届きました。
別に人助けとしてやったわけじゃないんだけれど、先生には娘が本当にお世話になったし、日曜午後はどうせ暇だし、車の運転は好きだし、往復600km〜たった6時間でしょ?、それならその辺のスーパーまで行くのと大して変わらないんだけど(笑)と、本当に軽く受けただけ。
だから、絵葉書を受け取った時、そこまで相手の心に響いたことに正直驚き、私にも先生らへの感謝の気持ちが浮かんできました。今でもその手紙は机にしまってあります。先生、お元気かな。
結局のところ、「自分以外の誰かのために」なんて意気込まない方がいいのかもしれない。自分が「こうしたい」と思った行動をすればいい。
緩くても「感謝」で繋がったネットワークの上では、自分の「こうしたい」という行動は、後になって誰かのためになっていた、ってということなのかもしれません。
だから今日も私は接する全てに感謝する1日を送っていきたい。
ただいま現地時間20時。とりあえず今日は寝るまであと数時間だから「全てへの感謝」のハードルは低いはず。行動のためのハードルは低いに限る(笑)。
今日も皆さんにとって素敵な1日でありますように!
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