【東京23日】17日目勝手に人口論
秋田出身だと言うと大抵『あの人口減少が著しい』と言われる。その辺りは、個人的にちょっと考えておきたい問題なので書いてみる。
人口減少というのは秋田のみならず地方ではよく聞くフレーズなのだけれど、実際は東京であっても人口は2020年からは減少するという試算がある。
じゃあ、人口が減少するとどうなるか様々考えられるけれど、一応自分の分野である不動産目線で考えてみる。
・売買物件は買い手が減るために取引が減少し、不動産価格が下落する
・賃貸物件は借り手がいないため空室が多くなり、賃料水準も下落する
・相続を放棄される不動産が増え、空き家問題が深刻化する
上記の分野が派生して、不法占拠者が増えて治安が悪くなるやら、行政サービスが行き届かなくなるやらいろいろあると思う。
ただ、個人的に考えたいのは『じゃあ人口が増えたら良くなるんだっけ?』というところで。
例えば極端な話だけれど、秋田に移民が山ほど現れたとすると、人口問題は解消されるかも知れない。
人口の増加に伴い需要が増え、不動産価格は上昇し、空室率の下落も抑えられるだろう。けれど、じゃあそれで万々歳かと言えばそうとも思えない。
イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ次期大統領の当選のように、移民がもたらす問題も数多くある。
打ち手として移民が極端にしても、例えば人口減少を嘆く人が秋田が東京みたいになることを望んでいるとも思えない。
人口減少を問題視して、地元に戻って起業した人や、行政で様々な取り組みをしている人がいるのも知っている。
それはそれで素晴らしいし、心から尊敬するのだけれど、『人口減少』ばかりにフォーカスし過ぎじゃないかなとも思ったりする。
毎度書いてる気もするけれど、僕はあまりに巨大な問題を嘆くことが好きじゃない。人口減少についてもそれを何とかしようとするより、それを所与としてどう生きるかを大切にしたいと思っている。
本当に問題なのは人口減少が酷い酷いと嘆いて行動出来なくなったり、諦めてしまったり、勝手に自分で線引きしてしまうところにあるんじゃないかなと僕は思うんですがね。