世界人権宣言と国際人権法
《人権思想》の歴史
近代的な人権保障
近代 自然法論(自然権思想)
19世紀的 法実証主義
◆20世紀以降;全体主義への抵抗。法をめぐるイデオロギー的対立。
法哲学の進展。純粋法学の登場。
■■「人権の国際化」■■
第二次世界大戦後の世界観。
国連憲章(UN Charter)における人権規定として具現化。
[日本国憲法]
1948 年 12 月 10 日の第三回国連総会において、世界人権宣言を採択。
人権の類型化;憲法が保障する人権規定の比較研究(比較憲法学)。
現代的 法実証主義(分析法学)の台頭。
◆◆国際人権法と多極化構造の世界における「グローバル人権」
人権問題の多様化・複雑化。人権の普遍性をめぐる文化的差異?。
※国際軍事裁判
ニュルンベルク裁判と極東国際軍事裁判(東京裁判)
※国連の安保理決議による「刑事裁判所」設置(ICTY,ICTR)
旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所)
ルワンダ国際戦犯法廷(ルワンダ国際刑事裁判所)
※国連と当事国の協定による「特別法廷」設置
※ 国際刑事裁判所に関するローマ規程
国際刑事裁判所(ICC)の設立、対象犯罪の規定等が主たる内容。
国際人権章典(世界人権宣言・国際人権規約)
Ⅰ 世界人権宣言
毎年、12 月 10 日は、世界《人権デー》"Human Rights Day"(「世界人権の日」)である。国際連合は、1948(昭和23)年 12 月 10 日に第三回総会で世界人権宣言が採択されたのを記念して、1950(昭和25)年 12 月 4 日の第五回総会において、この日に定められた。加盟国などに対し、人権思想の啓発のための行事を実施するように呼びかけている。 我が国では、世界人権宣言が採択された翌年の昭和24年から毎年 12 月 10 日を最終日とする一週間を《人権週間》と定め、全国各地で活動への啓発を呼びかけ、広く国民に「人権尊重」思想の浸透を促している。
Ⅱ 国際人権規約
◎経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(ICESCR)「A規約(社会権規約)」 Drafted; 1954/3 January 1976
◎市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)「B規約(自由権規約)」 Drafted; 1954/23 March 1976
日本は、1978 年 5 月 30 日、社会権規約及び本規約に署名し、1979 年 6 月 21 日、両規約の批准書を寄託した(同年 8 月 4 日、社会権規約は同年条約第6号として、自由権規約は同年条約第7号として公布された)。それにより、同年 9 月 21 日、両規約は日本について効力を生じた。
▲ 市民的及び政治的権利に関する国際規約の選択議定書(第1選択議定書) Drafted; 1954/23 March 1976
日本は、本議定書の締約国となっていない。
日本弁護士連合会を中心に、政府に批准を求める意見がある。
個人通報制度
× 市民的及び政治的権利に関する国際規約の第2選択議定書(死刑廃止議定書)
日本など未署名・未締約の各国はいずれも死刑制度を存置。
It was created on 15 December 1989 and entered into force on 11 July 1991.
個別の人権に関する条約
=人権条約=
× 集団殺害罪の防止および処罰に関する条約(ジェノサイド条約)Genocide Convention;1948 年 12 月 9 日、国連第三回総会決議260A(III)にて全会一致で採択され、1951 年 1 月 12 日に発効された。日本は、日本国憲法第9条(芦田修正)や国内法の未整備未を問題として、未だ、加盟も批准もしていない。
◎ 人身売買及び他人の売春からの搾取の禁止に関する条約;1951 年 7 月 25 日
◎ 難民の地位に関する条約(難民条約);1954 年 4 月 22 日発効。日本の加入は、1981(昭和56)年 6 月 5 日の国会承認を経て、10 月 3 日に加入書を寄託、10 月 15 日に公布され、1982(昭和57)年 1 月 1 日に発効した。
◎ あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(人種差別撤廃条約);1969 年 1 月 4 日発効。日本では、1985 年 6 月 24 日に条約締結を承認(第102回通常国会)によって、翌日、批准書を寄託。7 月 25 日、国内で効力発生。
◎ 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(女性差別撤廃条約);1981 年 9 月 3 日発効。1985 年 6 月 25 日批准(科学万博賓客として来日中のデクエヤル事務総長に対し、安倍外務大臣よる批准書を寄託)、7月 25 日に我が国について効力発生。
◎ 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約;1983 年 12 月 1 日発効。
◎ 児童の権利に関する条約(子どもの権利条約);1990 年 9 月 2 日発効。日本では1994 年 5 月 22 日から効力が発生した。
◎ 拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は刑罰に関する条約(拷問等禁止条約);1987 年 6 月 26 日発効(日本について効力発生は、1999 年 7 月 29 日)。
× 全ての移住労働者及びその家族の権利の保護に関する国際条約;2003 年 7 月 1 日に発効。
◎ 強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約;2010 年 12 月 23 日に発効。
◎ 障害者の権利に関する条約(障害者権利条約);2008 年 5 月 3 日発効。2013年12月4日、日本の参議院本会議は、障害者基本法や障害者差別解消法の成立に伴い、国内の法律が条約の求める水準に達したとして、条約の批准を承認した。日本の批准は2014年1月20日付けで、国際連合事務局に承認されている。
欧州人権条約(人権と基本的自由の保護のための条約)
欧州人権裁判所
:https://www.echr.coe.int/
米州人権条約
米州人権裁判所
バンジュール憲章(人及び人民の権利に関するアフリカ憲章)
African Charter on Human and Peoples' Rights
The Banjul Charter
アフリカ人権裁判所
Ⅲ ウィーン宣言及び行動計画
東西冷戦終結後の1993年6月25日、「世界先住民族年」を踏まえて、ウィーンにおいて開催された世界人権会議により採択。世界のあらゆる人権蹂躙に対処するため、世界人権宣言の理念及び国際人権法や国際人道法に関する原則や国際連合への役割を再確認。世界各国に対する要求を総括した宣言及び行動計画として、同年7月12日に国際連合総会において承認され、国連人権高等弁務官事務所 (OHCHR)が設置されることとなった。このことは、新たな国際人権条約や国連ミレニアム宣言の成立への端緒ともなった。