大学で資格試験を教えて良いんだろうか
<はじめまして>
コメントをある方にいたしたく登録しただけでしたのに,思わぬフォローを頂きありがとうございます。会計(管理会計)を教えています,藤原,といいます。そのあたりを放浪しつつ,会計資格保持者を生み出している人です。
・・・さて,会計というと,以下の会計の資格を思い浮かべる方も多いかもしれません。
・日商簿記検定1,2,3級
・全経上級
・税理士試験
・公認会計士試験・・・
実は私は今(2020年の6月),大学でこれらの資格対策をして良いのだろうか,という事を大変悩んでいます。(コメントを頂けると嬉しく思います。)。
実は私はこれらの資格にすべて合格していて,毎回の問題を拝見しているもので(作問経験もあります),余計に考えてしまう所があります。(※税理士試験は2科目合格です)。
※ここにのせるのならば,いくらでも載せます。例えば財務会計論の新収益認識基準とか,原価計算論のうちABCとか,管理会計論の意思決定会計とか・・・(マニアックですね・・・苦笑)
その原因はこれです:
<戦略性は大学で養成する能力としてふさわしい?>
確かに,今の会計処理や税務処理などは高度です。日商簿記検定2級がとりわけ難しくなり,他も余計に複雑になった中で,簿記検定1級以上のどの試験も底上げがされ,難しくなっています。
こんな中では,やみくもに勉強して受かりません。なぜかというと,実地における「戦略性」,と私が勝手に呼んでいるものー今回はどれを得点源にして,どれを捨てるのかーを,しっかりと把握しなければ合格は遠のくからです。
一方,資格ではなく大学で教えるべきは学問だとおっしゃられる先生がほとんどかなと思います。私も専門の管理会計論を教えたい,ということがあります。
ただ,この「戦略性」と呼んでいるものは,大学が能力として求めている「論理力」につながるのです。
なぜならば,「AだからB」といえる力が,論文という形にしろ,資格試験という形にしろ,備わるからです。それに,資格をきっかけに私は大学院に入りました。確かに会計学の基礎は簿記検定のテキストの中に詰まっています。そちらの方が早いのか否か,悩むところです。
※もちろん,学生さんのニーズが高いのは,資格です。
私は資格の知識は絶対に役立つと思っている派なのですが,ただ,これを大学で教えてよいものかは何かが引っ掛かっているのだと思います。
それは,大学の予備校化というか,成果主義による大学評価の結果への不満かもしれません。教員からすると,純粋に学問を探求してほしいことから発生しているのかもしれません。
とりとめもないのですが,とりあえず「奈良の大仏は,全体が焼かれて金メッキになった」話,もう少し深めて考えてみようかなとも思っています。教養あるいは専門科目の資料としても,面白いと思います。
藤原でした。