ヘリコイド付きマウントアダプターを付けて近接試し撮り
実際に「KIPON M42-SL M」のヘリコイドがどのくらい近接の撮影に影響するのか、適当に試してみました。結果としては、想像以上に寄れまくりでほぼマクロじゃん、イイネ!という感想になります。
SMC Takumar 28mmでどのくらい寄れる?
まずは広角の28mmから試してみます。元々の最短撮影距離は40cmです。
ヘリコイドを最長に引き延ばし、こんな感じに撮影してみました。
定規を置いて、ヘリコイドの有無でどのくらい距離に差がでるのかを見たいと思います。
本来なら最短撮影距離は距離基準マークからの距離ですが、今回は感覚的にどのくらい寄れるかを知りたいだけなので、手抜きな調査です。
fp君視点ではこうなっています。1cmあたりに焦点が来るように定規をセットしています。
最初の写真を見てもらうと雰囲気が伝わると思いますが、相当寄ってます。完全にマクロ撮影のそれです。
レンズ先端と定規の間は2cm~3cm程度でしょうか。フードがあったらぶつかるかもしれません。
次はヘリコイドを絞めて通常の最短撮影距離にし、焦点が合うところまでレンズを持ち上げました。
ヘリコイドを伸ばしている時と比べると、ずいぶん先を見ていますね。
20cmあたりで焦点が合いました。
ヘリコイド7mmの差がこれほどまで最短撮影距離に影響するというのがとても面白いですね。
SMC Takumar 120mmでどのくらい寄れる?
こちらは元々の最短撮影距離は1.2mです。
ヘリコイドを伸ばして焦点が合うところにレンズキャップを置いてみました。
残念ながらこれ以上長い定規がないので正確な距離を測れないのですが、45cmの定規二本分弱の距離といった感じです。
レンズの先から60cm程度でしょうか。センサー距離からは80cm程度かな。
広角のレンズほど顕著な差は出ていないですが、120mmのレンズでこのくらい接近できればそうそう困ることはなさそうです。
fp君視点です。被写界深度がかなり浅いですね。奥行のあるものをある程度はっきり撮影するなら、結構絞って三脚必須、という感じかもしれませんね。
専属モデルを撮ってみた
実際に撮影するとどうなるか試し撮りです。近くで暇そうにしている専属モデルに被写体になってもらいました。
■120mm
どれもヘリコイドを伸ばしての最短距離とまではいかないですが、本来の最短撮影距離よりも近接で撮影しています。
近接云々は置いておいて、何十年も前のレンズとは思えないくらい解像していてびっくりです。どれも絞り開放のf2.8なんですが、毛の一本一本がしっかり把握できます。
そしてコントラストが低いからか、光の飛び方からか、とても優しい描写に思えます。これは他のオールドレンズも試してみたくなりますね。沼にはまるのが良く理解できました。
■28mm
すごいです。もうほぼマクロです。これも解放f3.5ですが、しっかり解像していますね。
手持ちのHD DA35mm macro Limitedに勝るとも劣らない描写だと思います。周辺はさすがにお察しですが、それはこういったレンズに全く求めていないので問題無しです。
モデルたちはあまりに寄りすぎるのを嫌がったので、諦めてその辺の物を撮ってみました。
二枚目はスツールです。
実際ここまで寄って撮影することはそうそうないとは思いますが、やろうと思えばできる、という環境があるのはとても安心感があります。
改めて、買ってよかったヘリコイド付きアダプター
Pentax KPでは、HD DA35mm macro Limitedや、smc PENTAX-D FA MACRO 100mmといった、マクロ系のレンズをよく使っています。
いつも寄って撮っているわけではないですが、もうちょっと寄りたいのに寄れない!というシーンでのストレスから解放されるので、愛用しています。
オールドレンズを使ってみたいと思い、いろいろなレンズの仕様を確認していると、比較的寄れないレンズが多いことを知りました。
M42マウントのレンズはMマウントに比べてまだ最短距離は比較的短いレンズが多いようですが、それでも現代のレンズと比べると長いものが多いように見受けられます。
お、これは面白そうなレンズ!と思っても、最短距離で諦めることになるのもちょっと残念だなと思ったので、どうしてもヘリコイド付きが欲しいと思うに至りました。
なので、このたっかいマウントアダプターでも、受け入れざるを得ず、結果満足しています。
最新のカメラ環境だからこそ、過去の遺産に新しい価値観を付加できるというのは、とてもロマンあふれる話ですね。
これからのオールドレンズ沼が楽しみです。(財布的には楽しくない)
よろしければ次回もご覧ください。では~