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素面(22/0213)
「ランチでも」と昼の一時に誘われるのはうれしい。結構嬉しい。素面でもあなたと会って話したい、と言われてる気がして。社会人では、素面では会えない人が増えるものよ?
数年来話していなかったが、お互いの仕事、好きな物語を熱っぽく話しまくる。蕎麦がのびきってもお構いなし。
二軒目は陰日向ムード漂わせる珈琲専門店。相槌をうちながら、この珈琲は冷ましちゃいけないとちびちびのみつづける。友人は何かを吐き出すように話し続けた。ちゃんと素面で話したかったのかも。酒の席ではただの愚痴になるものも、素面では口にした感情を受け止めなければいけなくなるから。モカの香りにつつまれながら、少しずつ歩もうとする悩ましい表情とこの会話は忘れないなと思った。