虫が怖いのをどうにかしたい

今回は一言で言うとタイトルの通りの話をする。
私は虫が怖い。嫌いと言うより怖い。とにかく怖い。特に飛ぶ虫。芋虫や毛虫より蛾や蝶、コガネムシやカメムシの方が怖い。

嫌いなわけじゃないし憎いわけでもない。なんなら別に昔刺された恨みがあるわけでもない。
彼ら一匹一匹も尊い命だと思うし、彼らがいなければ生態系が成り立たないということも理解しているし、積極的に殺したいとは思っていない。

だからこそ、どうにかしたいなと常々思っている。

人間、たいていの短所は見方を変えれば長所でもある面もあったりするものだが、虫が苦手なことは克服した方が生活が楽に豊かになる、ほとんど完全な短所なのではないかと思う。(まあスズメバチや一部毛虫なんかの危険な虫への恐怖感は危機回避のためのアラームとして重要なんだろうけど。私のは絶対に過剰反応)

いつ、なぜ苦手になったのか

虫が苦手になった理由は思い返してみてもよくわからない。覚えてないだけで何かトラウマになるような経験があったのだろうか。小学校3年生ぐらいの頃に一度だけ家族でキャンプに行ったが、光や食べ物に集まってくる蛾やハエが怖くて大騒ぎし、テントに篭ってしまった記憶がある。でもたぶんその頃ぐらいまではトンボやバッタを捕まえて遊んだりもしていた。カブトムシや鈴虫を家で飼っていたし、母の実家は田舎にあり、夏休みに遊びに行くと綺麗な模様のカミキリムシがいたりしたのも覚えている。虫がたくさんいる野外で遊ぶのは中学生になる前ぐらいでやめてしまったけれど、私世代の多くはそうだったと思うし、別に特別虫に触れずに育ったからこうなったというわけではないと思う。

どんなふうに苦手なのか

どれくらい、どんな虫が苦手なのか詳しく考えてみると、何かわかるかもしれない。

苦手な虫と大丈夫な虫がいる。

一番苦手なのはたぶんゴキブリだ。種類には詳しくないけど、大きくて黒いのは特に苦手。茶色くて小さめのも苦手だけど。理由はたぶん翅があって飛びうることと、動きが速くて予測しづらいこと、突然でかいのが出てきてびっくりすること、脚と触角の形状が視覚的に厳しいことなど。思うに最後二つは慣れの問題かもしれない。

次に苦手なのはカメムシなどの甲虫類やハチ、アブ、大きいハエやトンボなど。特にカメムシは家に入ってきやすい気がする。田舎だからか。彼らは外で見る分にはびっくりはするし避けるけどそんなに恐怖感はない。十分に距離を取れるし向こうも近寄ってこないからだと思う。家だとどうにかして外に出すなり殺すなりしないと安心できないと感じてしまう。彼らの大きな音を立てて飛ぶところが苦手なんだと思う。種類によっては刺すし。でも刺されることへの恐怖ではないような気がするんだよな。接触することへの恐怖?

苦手レベルは少し下がるが蝶や蛾も苦手。音を立てないしそこまで高速で動かないのでマシだけど飛ぶし、どう飛ぶのかわからずぶつかられるのが怖いような気がする。部屋の中に入られると途方に暮れる。もしかすると虫取り網を常備すると少しは安心できるかもしれない。

最近大丈夫になったのはコバエ類。もちろん好きではないけれど、慌てず騒がず冷静に対処できるようになった。

もともとそんなに怖くないのはクモやヤスデ、ミミズや各種幼虫類。あとなぜかてんとう虫。別に好きではないけれど、怖くて動けなくなったり近寄れなかったりするようなことはない。冷静に対処(どけるとか)できるし、ミミズならたぶん素手でも触れる。飛ぶ虫であるてんとう虫が大丈夫なのはわりと謎だけど、たぶん身体がとても小さくてあまり音を立てないのと、翅の色や模様、丸い身体のフォルムが可愛く脚が見えづらいくらい短いという視覚的ハードルの低さが影響していると思う。

実は子どもの頃からずっと好きな虫もいる。それはダンゴムシである。
ダンゴムシは歩くのが遅いし、予想外の方向に急に動いたりしない。危険が迫ると相手を攻撃したり急いで逃げたりするのでなく身体をきれいな球状に丸めて危険が去るのを待つ。彼らの動きにはびっくり要素がほとんどないので安心して見ていられる。子どもの頃は箱に入れて飼ったり手のひらで丸めて遊んだりしていたが、不要なストレスを与えて申し訳なかったと思う。庭仕事をしていてダンゴムシを見つけたりすると、古い友だちを見たような懐かしい気持ちにさえなったりする。他の虫にもこんな気持ちで対することができたらいいのに。

どうしたらいいんだろう

考えてみると、私の恐怖心は「予想できない、見慣れない動きに驚かされること」「接触するとよくないという必ずしも正当な理由のない感覚」「こちらが反応できないほどの速さや範囲で移動されること」などの理由に起因するところが大きいようである。

理屈で考えると、これはたぶん観察や調査が効くかもしれない。虫の生態を知り、動きを見慣れることでもしかしたら行動のパターンが掴めるのかもしれないし、別にうっかり触っちゃっても大丈夫だということを身体が納得すれば怖くなくなるのかもしれない。

とはいえ既に怖いのでそれをするハードルがなかなか高いのが難点ではある。一人では相当しんどい。誰か虫好きな人に一緒にいてもらって徐々にやっていけたら理想的な気がする。

と、この記事を書いたのは、現在私の住んでいるアパートの部屋の玄関ドアの下の隙間にカメムシが入り込みがちという切実に困った現状があるからである。部屋の中に入られたら非常に困ると思っているが、そんなに困らないパーソナリティを獲得できたらいいのにな……

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