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子ども同士の揉め事を学びに変えるコツ
株式会社EDUCAMPの曽雌です。
普段から、子どもたちの主体性を育む野外教室を運営しています。
さて、冬休みに入り、冬休みの特別プログラムがスタートしました。
昨日、一昨日と実施したのが「森遊び修行プログラム」です。
冬の森の中に入って、忍者シュギョウを意識しながら、様々な森遊びを楽しんでいきます。
参加対象が年中からなので、まずは楽しく森の中で遊んでみよう!というプログラムとなっています。
子どもたちと自由な野外環境で遊んでいると、様々なものが見えていきます。
今回は、子どもたちの遊び場を見ていて感じた、揉め事をコミュニケーションの学びに変えるコツを書いていきたいと思います。
揉め事を学びに変えるコツ
コミュニケーションの一歩目は、自分と相手が考えているズレに気づくこと
子ども同士で遊んでいると、様々な揉め事が起こります。この揉め事の大半が、双方で感じていることのズレから起きているわけです。
昨日、こんな場面がありました。
とある1年生の男の子が拾った竹の棒を、年中さんの男の子が折ってしまうという出来事が起きました。その結果、1年生の男の子は「竹の棒が折れた」と泣き崩れてしまったわけですね。
さて、年中さんの男の子に話をきいたところ
「だって、いらないって聞こえたんだもん」とのこと。
周りからは
「そんなこと言ってないって!勝手に取ったんじゃん!!」との声が飛び交います。
皆さんだったらこの状況、どうしますか?
「いらないって言った!」「言ってない!!」
多くの場合、こんな水掛け論になってしまいそうですよね。
そうなっていくと、最終的な判断を大人がしてしまうことになってしまいます。でも、そうなると、子どもたちにとっては、大人に決められた!っていう感覚になってしまいがち、、、
さて、どうしたものか。
大人が無理やり納めて、「ごめんね」と言い合う場面なんて作りたくないわけで。
どんな結末になろうと、解決の仕方を決める最後の判断は子どもたちにしてほしいわけです。
昨日は、こんな風に関わってみました。
「そうかあ、いらないって聞こえたんだね」
「うん」
「なるほど。そう聞こえたのかあ。○○くんにとってはそうだったんだね」
「うん、そう聞こえたもん」
「分かった。それはそうなんだね。でも、見て? △△くんは今どう?いらないって思っていそう?」
「でも、いらないって聞こえたんだもん」
「うんうん。それが違うとは思わないんだ。○○くんは、その時にいらないって聞こえたんだよね」
「うん」
「でも、今はどうだろう?△△くんは、竹の棒、いらないって思っていそう?それとも、いるって思っていそう?」
「、、、。分からない、、、」
泣いているのは分かっている、でも自分が間違っているとも思いたくない。そんな揺れ動く気持ち伝わってきますね。
「そうかあ。分からなかったらどうしてみたらいいと思う?」
「分からない、、、」
「なら、本人に聞いてみたらどうかな?」
「うん。きいてみる」
そういって、泣いている子にむかって歩いていきました。
「いらなくなかったの?」
「うん。」
「、、、。ごめんね。」
「いいよ。」
最後のやり取りは、たったこれだけ。なんだか非常にあっけない感じがしますが、なんだか本人たちはスッキリしたもよう。
さて、子どもたちの現場で起こる揉め事。僕が意識したことは、大きく3つです。
① 解決をゴールにしない
② 大人が解決する人にならない
③ 本人たちの問題なのか、みんなの問題なのかを分ける
揉め事は子どもたちにとって、何よりの人との関わり方を学ぶチャンスだと思っています。
しかし、もしも大人が解決することをゴールに設定してしまうと、その解決は本人たちが納得するところではなく、大人が納得するまでがゴールに変わってしまいます。
そうなっていくと、音が解決をする人という役割をもって介入してしまうんですね。
すると、子どもたちは目の前にいる相手を見ようとしなくなってしまいます。
大人に自分の意見を言うこと、自分が間違っていないことを主張しようとしてしまいます。
もしも、無理やり解決したことにされてしまったら、ずっと「自分は悪くないのにどうして!?」という気持ちだけが残ってしまいます。
だからこそ、解決をゴールにしようとしなくてもいいんです。
そうやって大人が解決する人にならなければ、子どもたちは自分たちで考え始めます。
ちなみによくこういうシーンで、周りから色んな声が飛び交います。
そこで大切なのが、その問題はみんなで解決した方が良いことなのか、本人たちの問題なのか、という視点だと思っています。
実際、他の子も関わりのある揉め事なのか、当人たちだけの揉め事なのかは、なんとなく聞いていれば見えてくるかと思います。
ここで、当人たちの揉め事ならば、他の子の話はいったん置いておきましょう。
「ありがとう、気持ちは嬉しいが、今は、○○くんから話を聴いているんだ」
そういって線を引けるかどうかは、かなり重要だと思います。
まとめ
揉め事を学びに変えるには、大人が解決しようとしないことが大切である、という視点で書いていきました。
余談ですが、子どもたちを見ていて、最近本当に言い合いをしなくなってきたなあと感じています。それこそ、言い合いや言い争いを子ども同士でしていけば、必然的に目の前にいる相手を見ることになるんです。そうなれば、相手と自分の違いなんて考える必要もないぐらい見えてくるじゃないですか。
でも、今の子どもたちに多いのが、じっと我慢して揉め事にならないようにふるまうことや、気づかないふりをして過ぎ去るふりをする、という行動のような気がします。
やっぱり大人のスタンスを、改めて考えなきゃいけない時代なのかもしれませんね。
今日はここまで!
次回もお楽しみに!
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