知らない世界は想像できない
A君は金持ちの家で虐待のような教育を受けて育った。
B君は金銭的に貧しくも温かい家庭で育った。
二人が互いの背景を知らずに出会い、会話を交わした。
A君が「君の家は家族が仲良くて羨ましい」と言う。
B君は(食う飯に困ったことのないボンボンが…)と内心怒りを感じた。
B君が「経済的に恵まれた親がいるなんて羨ましい」と言う。
A君は(金なんて要らないから温かい家庭が欲しい…)と哀しく感じた。
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C君は人並みに幸せで、人並みに苦しい想いもしてきた。
D君はうつ病を患っている。
二人は親友であった。
様子のおかしいD君をC君は励ましてあげようとした。
「人生苦しい時もあるよ」
「そのうちよくなるよ」
「気の持ちようでいい方向に向かうよ」
その晩、C君は自ら命を絶ってしまった。
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同じような境遇の人たちだけと関わって生きていくと自分の恵まれている所、他人の苦しみに想像も付かず、思わぬところで他人を傷つけているかもしれない。
それだけでなく
悪意のない自分の言葉で大事な人がいなくなってしまうかもしれない。