無職日記50 惜敗

無職を利用してワールドカップ決勝トーナメント、日本VSベルギー戦を観た。

音楽仲間の友人Gくんが埼玉の居酒屋で観るというので、乗っかった。本当は一人で観るつもりだったのだが、どうにもそわそわしてしまう予感があり、仮眠を取り終えた午前2時過ぎに連絡して車で埼玉へ向かった。試合開始は日本時間の午前3時。2時30分頃に出発して、3時15分頃には到着した。早朝だったのでかなりスムーズだった。お店には店長夫婦含め7人。最近顔を見知った人達ばかりだったけど、温かく迎え入れてくれた。

前半を0-0で終えた段階で、店内には安堵の空気が流れた。FIFAランク3位のベルギー、強力な攻撃陣が前半のうちに大量得点してしまう可能性があった。それでも凌ぎ切ったのは、相応の守備があったから。ベルギーの攻撃力を考えれば十分すぎる前半だったと思う。

後半すぐの原口、乾のゴールは本当に素晴らしかった。原口を走らせた柴崎のスルーパスは完璧だったし、乾の無回転ミドルも完璧だった。本当に家で一人で観なくて良かったと思う。感動を分かち合えた。

そう、本当に一人で観なくて良かった。この後に続く悲しみを分かち合う相手がいて。

その後ベルギーの猛攻にあい、同点に追いつかれ、ATで逆転。最後のカウンターからのクロス、そしてルカクのスルー。ルカクーがスルーした時点でもう店内では悲鳴が上がっていた。ルカクに釣られて2人、フリーの選手がいた。DFが少なかったからだ。つまりそれだけ最後のコーナーキックに参加する選手が多くいて、攻撃し続けていたからだ。勝つための姿勢を貫き続けた結果でもある。ATの4分まであとわずか。このわずかの中に勝負のシビアさがあった。

倒れ込む選手を見て、ドーハの悲劇を思い出した。中学生の頃に早起きして観たあの試合のあの風景。再来と呼んでもいいくらいの衝撃があった。これも全て、あのベルギーから2点リードしたからだ。ベスト8の扉が開きかけていたからだ。単純にFIFAランキングで見たら60位近い差がある、あのチームを脅かしたからだ。

つまりそれだけ日本が攻め続けたからだ。

今朝、ネットの記事を読んだ。勝てなかったわずかの「差」は、控えの層の厚さに一因があるという内容だった。確かに後半の交代はリフレッシュ目的のみで、替えの選手との相互互換では無かったと思う。明らかに疲労している原口をすぐに替えるコトができなかったのは、守備のリスク回避からくるものと思う。

個人的に、今回よくヤリ玉に挙げられる2人のプレーが印象に残った。

最後の本田のセットプレー。十分に得点の狙えるエリアからの無回転。威力も十分にあったと思う。これが入らなかったコトが象徴的だった。もし入って入れば…と考えてしまう場面だった。あとはベルギーの1点目。シュート性の無い、軌道的に難しいラインだったのはわかるが、あれを「見て」しまったのは、正直川島のミスだと思う。その後のビッグセーブがあるだけに悔やまれる。特に川島が戦犯扱いされるコトの多い大会だった。直感と経験、アジリティが求められるポジションに、ベテランのみを出し続けなければならなかった時点で、日本のGK陣の層にも何かしらの課題があるのではないか。と個人的には思っている。若手の起用に踏み込めなかったのが唯一「攻めの姿勢」では無かったように思う。

勝負の世界に「たられば」はない。終了を告げるコールを聞いた瞬間、その時の結果が全てになる。メッシもC・ロナウドもイニエスタも前回王者ドイツも居なくなった。これがワールドカップで、だからサッカーは面白い。

帰りの車の中で思わず「悔しいなぁ~!!」と一人叫んでしまった。

いいなと思ったら応援しよう!