無職日記96 孝行

親父ががんの手術を終えてから、今日初めて会社に行ったそうだ。

素直に嬉しいと思うし、良かったなと思う。ひとまず順調にもとの生活に戻りつつある。まだ抗がん剤の治療などで先は長いのだけど、何事もなく進んでいってほしい。

親父ががんになってからというもの、親孝行とはなんぞやってコトをたまに考える。自立した自分を見せるコトだろうか。結婚相手を見せるコトだろうか。はたまた孫の顔を見せるコトだろうか。一部古い考え方かもしれないけれど、結婚相手を見せるというのは確かに親孝行なのだと最近感じている。

がんセンターの指標で、膵臓がんの治療後の5年生存率が良くて40%という数字を見た。細かい条件などまでは調べていないけど、半分以下と言われると決して低くはない確率に感じる。僕だっていつ死んでしまうかはわからないけれど、それ以上に確率が上がっているのが今の親父だ。

そう考えた時、「人生の締め切り」という言葉が浮かんだ。

人には誰にでも死がやってくる。その締め切りまでに間に合わせるべき事柄が、ライフイベントとして幾つかあるはずなのだ。そろそろそれを意識して生きていかないと、大きな後悔をしてしまうかもしれない。

普段から行動が遅いと言われてるんだけど、加速すべき事柄がそこらじゅうに転がっている状況で、ギアを上げる理由がたくさんできた。メメント・モリの心意気で生きなければ。

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