悩みに悩んで

親父の余命短縮の連絡から2日。

僕は非常に悩んでいた。

何に悩んでいたかというと、妹に知らせるか否か、だ。一ヶ月前にお医者さんから余命の連絡をもらった時は「妹さんにお伝えするかはおまかせします」だったのだが、それから病状が悪化して入院した際に「お伝えしておいた方がいいです」に変わった。

僕は事後報告が嫌いだ。まだおじいちゃんが元気だった頃、入院しただのケガしただのを後から聞かされる度に「その時に言ってくれ」と口酸っぱく親に言ってきた。親の言い分としては「余計な心配させたくなかったから」なのだが、僕の言い分としては「いずれにせよ心配はするのですぐ言え」だ。そしてこの事後報告の癖はいまだに直っていない。

という経験があるので、いずれにせよ妹には伝えねばと考えていた。問題はタイミングなのだ。ちいさな子供2人育てている妹が自由になる時間がいいだろうと勝手にあれこれ考えを巡らせていたのだが、どうにもまとまらず、飲み友達のおっさんに相談をした。

「今すぐ病状が悪化するわけではないと言ったけど、もしかしたらそんな悠長な話でもないかもしれない。だから妹さんに伝えるのと向こうがどう受け取るのかは別問題だ。すぐ連絡しろ」と言われた。

ご飯を食べながら話を聞いてくれて、そして自身の話をしてくれたのだが、おっさんは母の死に目に会えなかったそうだ。当時おっさんは海外で仕事をしていて、国内にいたお兄さんが「地球の裏側にいるから」という理由で母の死をすぐに伝えなかったらしい。そしておっさんが帰国した際、死後一年経ってからようやく母の死を知り、それから絶交になったと。すぐに行けないにせよ、その手の連絡をしないというのはやはり良くないと。その後もうひとりの友達も来てくれて話を聞いてくれたのだが、同じく「すぐ連絡しろ」だった。

そして一夜明けて今日、8/25の10時に妹に電話をかけ、そして親父の余命を伝えた。徐々に話し声が涙に混ざっていくのがわかった。それでもちゃんと伝えて良かったと思う。おそらくパニックになっているだろうから、改めて要点だけLINEで送った。

正直な話、肩の荷が少し降りた。深酒しなくてよくなりそう。

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