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無職日記75 有明

平成最後の夏のコミケが終わった。

ぎりぎり納期で何とかアルバムも間に合い、とても心穏やかに前日を迎えた。穏やかすぎて友達と飲みに行き酩酊したのだけど(ばーか!)。

そんなわけでコミケ当日の朝は二日酔いと共に始まった。売り子と国際展示場の駅で落ち合い、すでに汗だくの中会場へ向かう。水分対策で家から持ってきた水が重い。ついでにいうと家から持ってきた在庫も重い。カートを引きずりながらビッグサイトの中へ入り、自分のスペースへ向かう。

プレス会社から直送してもらったCDの山がスペースに置いてあった。荷解きすると新譜が出てきて、実物に感動する。感動ついでにプレス会社さんからの差し入れが付いており、その気遣いにさらに感動した。こういうちょっとしたコトが顧客満足につながるよなと、営業マン時代を思い出す。

設営が終わるとTwitterでも宣伝し、周りの知人にあいさつ回り。コミケ開始の10時まで売り子ちゃんとしばし談笑。そんですでにちょっと朦朧。慌てて水を飲む。

そして10時。平成最後のコミケが始まった。開始から程なくしてお客さんが来てくれる。数年ぶりのアルバムのため「待ってました」と声をかけてくれる人達がたくさんいた。素直に嬉しかったし、申し訳なかった。コミケには一定数「新譜なので買う」という人達がいるため、一見さんも買ってくれた。

友達、遠征してきてくれた知り合い、会社の休み時間つかって来てくれた人、大学の後輩などなど、断続的に色んな人が来てくれた。荷物の搬出の都合もあり、少し早めに片付けに入る。うず高く積まれていた段ボールが多少低くなる程度には売れた。

打ち上げ前に銭湯へ行き汗を流した。毎年の楽しみだ。そこから打ち上げ会場へ行き、売上の計算をしてから飲み会の開始。

そんでまた酩酊した(ばーーーか!!)

色んな人達に助けてもらった今回のコミケ、久し振りに楽しかった。それはやっぱり、ずっと出すと言い続けて出せなかったアルバムが出せたからだ。そしてそれを待っていてくれた人達がたくさん居てくれて、それが本当に嬉しかった。

僕は自分を低く見積もる癖がある。加えてひねくれているので、人からの評価に対して素直に「ありがとうございます」と言えない。音楽もそうだ。一定の評価は確かにもらえているけど、つい卑屈になる。そんな僕なのだけど「待っていました」と声をかけてくれた人達にはそれをすまいと思った。というより、聴いてくれる人達に対してこちらが卑屈に接してしまってはならないと決めた。

自分にもきっと価値はあるし、それを証明してくれるのが、つまり来てくれた人達だ。僕の音楽を文字通り買ってくれた人達。少なくともそこに胸を張ってもいいんじゃないだろうか。そう思えた。

これで一旦活動を休止するつもりなのだけど、さて。

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