かなぶん
久しぶりに会えた伯母と従姉妹を迎え、楽しすぎる会話が止まらない中、これまた久しぶりに手作りしたパウンドケーキをつまみつつ緑茶とコーヒーを何杯も飲んだ。
帰り道、自転車を漕ぎながら目眩がしたんだ。今更ながら思い出した。歳を重ねるごとにカフェインを受けつけなくなってる自分に。行きつけの喫茶店が閉店してしばらくコーヒー飲んでなかったのに。家では麦茶ばかり飲んでるのに。
帰宅して、たたんである布団を枕に寝そべる。横になってもグルグル回るなぁ……。そのまま少し眠った。
なにか滑るような音で目が覚めた。カサコソ言ってる。たたんだ布団から身体がずり落ちていたので、無造作に置いてあるその辺の何かを引っ掛けて動かした音だと思った。目が覚めてちょうどいい。水分とってカフェイン出さなきゃ。ぼんやりしつつ起きようと思ったその時。
ぶーーーーーーーん!!
リビングの明かりに突進する者あり。何度もぶつかり、カツン!コツン!と音がする。あぁ、さっきの音もお前かぁ…取りこんだ洗濯物にくっついてきたのだなカナブン。しばらく明かりに体当たりしてようやく壁の飾り皿の裏に着地。外に出すべく捕まえる。
人差し指に掴まった元気なカナブン。ベランダの戸を開けようとしてたら指に変な感覚。よく見たら噛んでる!!ちょっと!お前何してんの!出してやるのに!口を離すカナブン。ベランダに出て物干し竿に乗せようとする。痛っ!また噛んだし!何なのお前?!また口を離す。早く乗れって!痛!また噛んだ!降ろしてやってるじゃん!なんで攻撃してくる?!……夜のベランダで一人、カナブンに話しかける女。
飛んでけカナブン。もう洗濯物に引っかかるなよ。
さて水分とらなきゃ。
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