絵本紹介【くうちゃんのホットケーキ】

くうちゃんのホットケーキ (ポプラ社の絵本)

　ママがホットケーキを作るのをお手伝いするくうちゃん。でもうまくできなくて、ママとケンカしてしまいます。隣りの部屋に駆け込み、一人で泣いていると、ドアがガチャリと開いて、中に入ってきたのは・・・。

【文字数・・・普通】
【内容・・・・易しい・かわいらしい・共感できる】

【コメント】
　おてつだいをしたい盛りの子どもに読んであげたい一冊です。ホットケーキがしゃべったり動いたりするところはファンタジーなのですが、くうちゃんとママのケンカのシーンはとても現実味がある会話で、よくある日常の親子のやり取りのように思います。

 　おてつだいをしたい子どもと、おてつだいを通して成長してほしいと思う親。需要と供給がバッチリマッチしているのですが、子どもが幼児の場合、それは簡単な話ではありません。まだまだ不器用で、できることは限られていますし、そもそも自分が何をどれだけできるのか、全然把握していません。把握していないだけでなく、なぜか「できる！」という自信すら持っているので、できなかった時のショックや悔しさは計り知れないものがあります。
　最後まで自分でやらせる、時間がかかっても見守ってあげる、そういうことが大事なのは親として十分わかっているつもりなのですが、ついつい手を出してしまったり、待ちきれずに代わりにやってしまったりします。それは子どものプライドを傷つけますし、親子ゲンカに発展してしまうこともあります。

　このお話では、ファンタジーなホットケーキのおかげで、くうちゃんはママと仲直りしてハッピーエンドに終わるのですが、そうはならないことが多々あるのが現実。

　待ってあげなきゃ・・・自分に言い聞かせながら、待てない自分の未熟さを思い知る毎日を客観的に見せられた、そんな絵本です。

このマガジン内では、私のオススメする絵本をたくさん紹介しています。

　主に未就学児への読み聞かせや、一人読みの練習にピッタリの作品をピックアップしているつもりです。
　子どもに絵本を読んであげたいけど、選ぶ時間がない方、どんな絵本がいいか決めかねている方のお役に立てれば幸いです。
（一人読みの練習については、記事内の【文字数】や【内容】を参考にしてください。）

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