絵本紹介【おうち】
なんでわたしは、このおうちにかえってくるんだろう。小学生の女の子がふと考えた、素朴な疑問。それは小さな哲学かもしれません。
【文字数・・・少ない】
【内容・・・・おうちについての小さな哲学ですが、難しくないです】
【コメント】
なんで私はおうちに帰ってくるんだろう。その疑問の答えは、この絵本の中にはありません。
「ただいまぁ」と帰宅した小学生。物語はそこから始まります。家では、お母さんとおばあちゃんが、「おかえりなさい」と迎えてくれています。
宿題をして、お風呂に入って、みんなでテレビを見て、一日の最後は、温かいお布団の中で眠る・・・日常の、当たり前の「おうち」の中の景色が、短い文と温かい挿絵でほのぼのと展開されています。
そんな中、女の子は、ふと考えたのです。
なんで わたしは このおうちに かえってくるんだろう、と。
ご飯を食べるため?
お布団の中で眠るため?
動物も、とっても離れたところからでも、自分のおうちに帰ってくる。
世界には、家をなくして、おうちに帰れない人もたくさんいる。
帰りたいところに帰れないって、どんな気持ち?
女の子は、頭の中で、色々なことを考えてみますが、明確な答えは提示されないまま、物語は、
「ただいまぁ」の一言で終わります。
難しい言葉は一切なく、展開も素朴な日常の場面が多いので、小さい子でも十分楽しめます。うちの次女(もうすぐ年中)が、なぜかとても気に入っている絵本です。
何かをふと、疑問に思って、それについて考えてみる。大切なことだと思います。
それは、決して、いつかテストに出る問題ではなく、正解もありません。誰かに説明しなければならないものでもなければ、自分自身の中で明確な答えを出さなければいけないものでもありません。
なんでだろうなぁ~、とホワーンと考えてみる。
そんなゆとりが、時間的にも精神的にも必要なんだと思います。成長すればするほど、その余裕は失われていきます。誰とでも、すぐにつながれる時代、誰ともつながらずに、自分の中に深く入って他人の評価の枠から外れたことをのんびり考えてみる。
次女が、この絵本を何度も読みながら、何を考えているのかはわかりませんが、彼女なりの小さな哲学の心を育んでいるのかもしれません。
このマガジン内では、私のオススメする絵本をたくさん紹介しています。 主に未就学児への読み聞かせや、一人読みの練習にピッタリの作品をピックアップしているつもりです。
子どもに絵本を読んであげたいけど、選ぶ時間がない方、どんな絵本がいいか決めかねている方のお役に立てれば幸いです。
(一人読みの練習については、記事内の【文字数】や【内容】を参考にしてください。)
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