最新がん統計
はじめてのテーマ投稿を考えた時に、「何からはじめるのがいいのかな?」と悩みました。医療や健康を語る上で、病気の統計は必要不可欠なので、日本人の死因の1位である悪性新生物(がん)についてにしました。
日本人の死因(令和2年度、2020年度)
令和2年度の日本人の死因順位は、1位が悪性新生物(がん)、2位が心疾患、3位が老衰となっています。1位〜10位は以下の順位となります。
1位:悪性新生物(がん)
2位:心疾患
3位:老衰
4位:脳血管疾患
5位:肺炎
6位:誤嚥性肺炎
7位:不慮の事故
8位:腎不全
9位:アルツハイマー病
10位:認知症(血管性、詳細不明)
がんの罹患数(令和1年度、2019年度)
日本では2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡するといわれています。令和1年度に、新たに診断されたがんは、総数で999,075例、男性が566,460例、女性が432,607例となっています。
令和1年度のがんの罹患数を下に表としてまとめました。がんの罹患数として最も多い部位は大腸、次いで肺、3位に胃が続きます。男性では1位が前立腺、2位が大腸、3位が肺となっています。女性では1位が乳房、2位が大腸、3位が肺となっています。
総数で大腸と肺が多いにも関わらず、男性では前立腺、女性では乳房が多いという統計でした。大腸や肺は男女ともにがんの罹患数が多いために総数として1位と2位になっています。
がんの死亡数(令和4年度、2022年度)
令和4年度にがんで死亡した人数は、総数で385,797人、男性で223,291人、女性で162,506人となっています。
令和4年度のがんの死亡数を下の表にまとめました。総数と男性でのがん死亡数の順位が1位〜5位まで一致していました。1位が肺、2位が大腸、3位が胃となっています。女性では1位が大腸、2位が肺、3位が膵臓となっています。がんの罹患者数が女性より男性が多いため、総数と男性のがん死亡数の順位が一致しているのだと考えられます。
がんの5年相対生存率(1993〜2011年診断例)
5年相対生存率とは、あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標で「あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いか」で表した比率のことです。5年相対生存率のパーセント値が高いほど生存している人の割合が高いことになります。つまり値が高いほど予後が良く、死亡する確率は低いと言えます。
5年相対生存率が高い部位として前立腺、甲状腺、皮膚、乳房などがあります。それに対して低い部位は膵臓、胆嚢・胆管、肺、脳・中枢神経系、肝臓などがあります。特に膵臓は8.5%と低い値となっています。膵臓は後腹膜臓器で、胃の裏側にあるため検査をすることが難しい部位です。がんが見つかりにくい部位のため、がん発見時にはがんが進行していることが多いです。そのため、5年相対生存率が極めて低い値となっています。
前立腺は、男性の罹患数で1位となっていますが、5年相対生存率は99.1%と高く、予後が良いです。乳房は、女性の罹患率が1位で5年相対生存率が92.3%と高く予後が良いと言えます。
最後に
今回は、がん統計ついて話ていきました。がんが怖いと思っている人も多くいると思いますが、思っているよりがんでは死なないです。もちろん、発生する部位にもよります。がんは恐ろしい病気ではありますが、早期発見することで生存確率はぐぐぐーっと上がります。逆を言えば、がんが進行した状態で発見となると生存確率はかなり下がります。
ぜひ、がん検診に行ってみてください。
参考
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