デザインとリハビリの関係とは?
デザインとは何か?
デザインとは、様々な定義がされており、時代によって考え方は少し変わると思います。それらを集約すると「人々や社会にとって価値のあるものを創造するための一連のプロセス」と考えます。
具体的には、目的を設定し、それを達成するための計画を立て、仕様を表現する流れ。デザインには以下の3つの重要な要素があります。
美しさ(審美性) - デザインされたものの外観や形状の美しさを追求すること。皆さんがイメージする定義かな?と感じます。
機能性 - 目的に応じた適切な機能を備えていること。使いやすさや利便性が高いこと。
創造性 - 新しいアイデアやコンセプトを生み出す創造力が求められること。
デザインは製品やサービス、建築物、ソフトウェアなど、様々な対象に適用されます。
デザインとコメディカル
理学療法士や作業療法士など、コメディカルの私たちにとってもデザインは重要な概念だと思います。なぜなら、患者さんへの最適なケアを提供するためには、「治療プログラムや環境、道具など」を上手くデザインする必要があるからです。
例えば・・・
リハビリプログラムのデザイン - 患者さんの状態に合わせて、適切な難易度と運動負荷をデザインする。
リハビリ環境のデザイン - 安全性と利便性を考慮し、効果的な回復を促す空間をデザインする。
リハビリ器具のデザイン - 患者さんが使いやすく、目的に合った機能を備えた器具をデザインする。
このように、コメディカルの仕事は「人々の健康で質の高い生活」という目的を実現するためのデザインの考えと定義そのものなんです。
デザインの重要性
デザインが重要な理由は、人々のQOLに左右するからだと思っています。
良いデザインは人々の生活を豊かにし、悪いデザインは不便や危険をもたらします。
例えば、病院の待合室が狭く窮屈だと、患者さんはストレスを感じてしまいますよね。一方、広々とした開放的な空間であれば、リラックスして待つことができるはず。このように、デザインは人々の心身の健康に大きな影響を与えます。
リハビリ×デザインの基本原則
良いデザインを生み出すには、いくつかの基本原則があると考えています。
ユーザー中心 - 最終的な利用者(患者さん)の視点に立ち、彼らのニーズを第一に考える。
→リハビリでいう目標設定ですね。シンプル - 必要以上に複雑にしない。
→運動療法に対する課題や自主トレメニューに必要な思考。一貫性 - 統一された概念に基づいてデザインする。
→行き当たりばったりではなく、根拠をもってリハビリを提供する。安全性 - 危険がないよう、安全面での配慮を怠らない。
→事故が起きない範囲で最適なメニューの提供アクセシビリティ - できるだけ多くの人が利用できるようにする。
→自主トレなど生活に落とし込めるぐらいのメニューを検討する。
これらの原則を意識しながらリハビリをデザインすれば、患者さんにとって実施しやすく、安全で効果的なものができあがると感じています。
デザインの重要なスキル
デザインを実践するには、様々なスキルが必要とされます。コメディカルが身につけるべき重要なスキルは以下の通りです。
観察力 - 患者さんの行動や反応を観察し、本当のニーズを捉える力。
共感力 - 患者さんの立場に立って考え、気持ちを理解する力。
創造力 - 新しいアイデアを生み出す力。既存の概念にとらわれない発想力。
論理的思考力 - 目的を明確にし、それに向けて合理的に計画を立てる力。
表現力 - アイデアを分かりやすく伝える力。図や文章、プレゼンなどで表現する。
これらのスキルを身につけることで、患者さんのニーズに合ったデザインができるようになります。特に「表現力」は重要で、デザインを他者に正しく伝えるためには欠かせません。
しかし、その「表現力」が苦手なコメディカルが多い印象を持っています。
常日頃から誰かにアウトプットする習慣があると良いかもしれませんね!
まとめ
デザインとは、人々や社会にとって価値あるものを創造するプロセスです。患者さんの健康で質の高い生活を実現するために、実は知らず知らず、日々デザインに携わっているんです。
良いデザインを生み出すには、基本原則の考えが重要になります。また、先ほどお伝えしたスキルを身につける必要もあります。
特に「表現力」は、デザインを他者に正しく伝えるために欠かせません。コメディカルの皆さんには、デザインの重要性を理解し、表現力を高めて欲しいと思います。それが、患者さんの質の良いリハビリの提供やQOLアップのお手伝いができるかもしれません。
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