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十字路で悪魔に魂を売り渡してでも手に入れたかった◯◯【11選】

若くして謎めいた最期を遂げた伝説的ブルース歌手 ロバート・ジョンソンは、ギターのテクニックと引き換えに、十字路で悪魔に魂を売り渡したと言われています。

ウソかホントかはさておき、たとえ悪魔と取引してでも手に入れたいものって、まぁ誰しもひとつくらいはあると思うんです。

私が喉から手が出るほどほしいもの。
それは、まさにその喉から出る「声」。

今回ここに紹介するのは、国も性別も世代もジャンルもバラバラな11人。
いずれも、カテゴリーなんてちっぽけなものを超越した存在です。

10ではなく敢えて11としたのは、11という数字に愛着があるというだけでなく、どうやら縁起の良い数字でもあるようで、願いが現実になるという意味も込めてのもの。

いつかまた気兼ねなく、大「声」で歌える日がくるといいな。

ロゼ【BLACKPINK】

一声でグループのカラーを決めるロゼは、サッカーで言うとストライカー。

他のメンバーから譲り受けたボールを、美しくしなやかにゴールに結びつける高い決定力は、まさに全世界が嫉妬し、渇望するワールドクラス。

倍音をたっぷりと含んだ歌声は、抜群のピッチ感と英語圏の人ならではのスムーズな洋楽的発声も相まって、さらにユニークなものに。

個性さん丸出しすぎて、覆面の意味なし。
どう考えてもバレバレなので、共演者も知らんぷりが大変そう。

ここへきてようやくソロデビューが決まってワクワクしてるんだけど、これだけクリエイティヴな人を、2年もほっぽらかしたYGの罪は重いよ。


DEAN

ハイノートでどうしてもフリーザ声になってしまい、いよいよバイキンマンと同一人物説も出てきたおでぃんたま。きぇい!

戦闘力100万のフリーザに対して(第二形態)、DEANはBPM100前後がめっぽう強い。

例えば、ほぼほぼ『MAROON5』の「This Love」だけど良い曲こと「And July」。

Heizeよりハイトーンなのウケるよね。
二番に入って歌い出した瞬間、空気が一変するので、やっぱすごいわ、となります。

それから、THE INTERNETの女性シンガーSydがフィーチャリングしたこれも良い。
土壌的にも水が合うのか、ふたりの相性も抜群。

軽快に跳ねるリズムをフィーチュアした前半とはうってかわって、3:30からは浮遊感のあるグルーヴィーな曲調にシフトするんだけど、バックに流れるエレピの音色も相まって至福の30秒が展開されます。終わらないでくれ。

そういえば、THE INTERNETの来日公演で売ってたバンTが、"THE INTERNET" とだけプリントされてて最高だったのを思い出した。

錦鯉みたいな微妙な柄のキャップをドスンとかぶる謎アクションでおなじみの「21」を生で観た時は、ホントかっこ良くて震えましたね(もちろん褒めてます)

数々の名曲に免じて、URBAN RESEARCHとのコラボで、ありえんくらいクソ高い変なベストとキャップを作ってたことには目を瞑るとしよう。


aiko

自分の中でFM向きの曲、AM向きの曲って棲み分けがあるんですけど、aikoは完全にAMから流れてきて欲しいアーティストNO.1です。

AMの深夜放送の合間だけじゃなく、王将やドンキでだって流れて欲しい。生活密着型シンガー。

aikoは、常に「俺たちの」aikoでいてくれる。  

『君にいいことがあるように』
『あるように』
『あるように』

呪いかな?

怨念を込めることに関してはaikoの右に出る者はいない。底知れぬ重力を感じる。

ポップで軽快な曲調にうっかり騙されそうになるんだけど、歌詞にしたためられた圧たるや、F1のコックピットばりのGを感じさせるもの。

【Darkside of the Moon】
笑顔の裏に潜む狂気が一番こわい。

私生活の恋模様がそのままダイレクトに曲に反映されるaikoさん。

『ラップかな?』ってくらいギューギューに歌詞を詰め込んだ「明日の歌」からは、そうとうな深傷を負ったことが想像できる。

彼女にとっては歌がセラピーであり、前に進む原動力なんだと思う。

おばあちゃんになったaikoが一体どんな歌を歌ってくれるのか、今から楽しみです。


ティム・クリステンセン【DIZZY MIZZ LIZZY】

『みんなに聴いて欲しいグループがいます。』
音楽好きだった中学校の先生が、いつもより5分早く授業を終わらせて、おもむろにラジカセで掛け始めたのが、これ。

突然のことに呆気にとられてクラスの大半はポカーンとしてたけど、少なくとも誰かの人生を狂わせたわけです。先生、ありがとね。

ボーカルとギターに加えて作詞・作曲も手掛ける、何拍子も揃いすぎたマルチな才能。
憧れないはずがあろうか、いやない。

音楽を長く聴いてきた人なら、誰にだって人生を変えたアーティストっているじゃないですか?
私にとっては、この人がまさにそれ。

ソロになると、どういうわけかうんこみたいなアルバム出す輩が多いんだけど、この人に至っては、バンド解散を経てソロキャリアに移ってからも、さらに濃密な世界観を披露してくれて、ますます虜に。

音楽を彩るアートワークのセンスなんかが抜群なのもリスペクトです。

何にだってなれた希望に満ちた子供時代。
私はティム・クリステンセンになりたかった。


Zion.T

K-POP界の「あったかハイム」こと、Zion.Tの声はまさに「自宅」。いつどこにいても自宅のような安心感に包まれます。

『しんどいときはこの歌をチョコみたいにかじってね』と歌う「Eat」は、毎日頑張る人たちを励ます応援歌。

押し付けがましくない距離感で、そっと寄り添って元気付けてくれる優しい歌詞に、思わずクラッときますが『疲れていてもちゃんとご飯食べてね。そしたら僕がえらいねって褒めてあげるから』で完全に涙腺崩壊したわ。

みんな色々あるんだよ。

タイトルにあるヤンファ大橋とは、漢江にかかるシンボル的な橋のことで、いわゆる身投げの名所としても知られる場所。

小さい頃にタクシーの運転手をしていたお父さんに電話で居場所を訊くと、いつも決まってヤンファ大橋と言っていた、という歌詞のくだりからもわかる通り、実体験を元にした曲だけに、胸にギュッと迫りくるものがある。

自分も今や当時の親くらいの年齢になって、ようやく生きる上での悩みや辛さがわかるようになり、改めてその偉大さに気付くことってありますよね。

ライヴだとちょっと歌謡曲っぽいバージョンでやっていて、これが鳥肌が立つ程のエモさ。
この日に会場で生オンティーを観てるんだけど、こんなん観せられたらちょっと一発でヤラレちゃうよね。や、まいったわホント。

あとこれはどうでもいいんだけど、ソミと仲良しなのなんかジワジワきますね。

ELO

イケメン揃いで知られるAOMGですが、まぁそんなでもない人もいます。

【AOMGのFU-TUN(フツーン)】ことELO氏は、前述のZion.Tや、GRAY、Crushらが在籍するVV:Dのメンバーでもあります。え?知らない???

まぁ確かにビジュアルはパッとしないけど、声は鬼イケてるんですよ。

社長のジェボムみたいに物凄い個性があるわけじゃないんだけど、とにかく包容力が異常。
豊かな中低音域に加え、パワフルでしなやかに歌い上げるハイノートは、まるで極上の羽毛布団のような暖かさ。

Hoodyがフィーチャリングした「F.W.B」は、良曲揃いのアルバム『8 Femmes』の中でも屈指の仕上がり。気持ち良さすぎで、脳内物質でビッシャビシャなります。

ちなみに「F.W.B」は「Friends with Benefits」の略で、要はセフレのこと。絶対そんなカンケーにならなそうな2人ってのがまた味わい深いですね。

まぁこれは余談だけど、ELOの曲なのに動画のサムネがHoodyなの、ズッコケ感あってなんかELOっぽいのでむちゃくちゃグッジョブです。
わかってるね。

間違いなく過小評価されてる歌手の一人です。
やっぱ顔か?顔なんか???

YUKI (JUDY AND MARY)

復活してほしいバンドランキングをやれば必ずと言っていいほど上位にくるジュディマリ。そしてその顔。

音と戯れるかのように、これだけ気持ちよさそうに歌う人もなかなかいないよね。もう表現を通り越して、歌そのものって感じ。

一生若い。突き抜ける歌声は、永遠に輝きを失わないクリスタル。尊すぎる。

なんでくじら12号なのかいまだにわからないし、歌詞も謎すぎるけど名曲。こんなん、この人にしか歌いこなせんよ。

YUKIは勿論のこと、マジカルな作曲術と「ボーカルよりしゃしゃる」ギターでお馴染みのTAKUYAが、バンドにもたらしたものは特に大きい。

『いま熱い!(ダン!) いま熱いキセキが〜』で、
(ダン!)を入れたアレンジがマジで天才すぎて、むしろこれがキセキだわ。

2人の天才。TAKUYAの存在があってYUKIがさらに輝きを増すという、いわゆる月と太陽みたいな関係ですね。

十中八九みんな仲悪いんだろうから、どうせ長くは続かんと思うけど、一回でいいから再結成してくれ、頼む。


トム•ジョーンズ

おたけび一発で泣く子も黙るどころかワシワシ踊り出す、陽気なファンキーセクシーダイナマイツ。なりたいに決まってるだろ、こんなもん。

サビのフレーズ "to make you, make you love me" が "メキ・メキ" に聞こえることから、邦題は「恋はメキ・メキ」って、なんか全然わかんないけど「わかる!」って感じ。強引な力技も抱擁する懐の深さと胸板の厚さ最高。

父性大爆発。キレイなタックイン(言いたいだけ)。
日本のCMで使われたりもしてたので、ひょっとしたら聴いたことある人もいるかも。

セックスシンボルとして名を馳せ、溢れんばかりのホルモニック絶倫パワーでブイブイ言わせてきたトムですが、『007』の主題歌なんかを歌ってたりもする正統派すごい人。かのプレスリーにも影響を与えたくらいだからね。

トムを知ったのはコサキンのテーマだったから。
大切なことは全部コサキンが教えてくれた。


ラウリ【THE RASMUS】

フィンランドって聞いて、どんなものをイメージしますか?
まぁ、サンタ、ムーミン、オーロラあたりが一般的ですかね。

私にとって最もフィンランドを感じさせるものと言えば、この人の声。

森と湖に囲まれた深淵な国にふさわしい甘く切ない歌声…なんて良い感じに表現したいところですが、これが、少年期から成功を収めたとは思えないくらいの、圧倒的な「不幸声」。

メソメソ、ナヨナヨしたハスキーボイスが、しみったれた曲にウルトラフィットして、当時こじらせメタラー、通称「メソラー」だった私の不安定な心を鷲掴みしていきました。

出すものみんな良くて、何をやってもOKのバッチコーイ状態になったわけですが、よりによって楽しみにしてた曲をアコースティックバージョンでやりやがった、あの来日公演だけはまだ許してないからな。

ちなみに、ラウリはミュージシャンの傍、建築家としても成功を収めてます。安藤忠雄とか隈研吾なんかが好きなんですよ。
どう考えてもそっちのが儲かるのに、それでも音楽やってるのがマジでロックって感じで、なんか良いよね。

桜井和寿 (Mr.Children)

まぁ、我々の世代でこの人の洗礼を受けてない人の方が珍しいんじゃないかな。

ワーキングタイトルが「エアロ」だったことからもわかる通り、この曲は、曲展開からギターソロに至るまで、ほぼほぼAEROSMITHな仕上がり。

当時AEROSMITHに心酔していたのがきっかけなんだけど、こうやって好きなものを割とダイレクトに反映してくれる素直なところも愛せる。

『BOLERO』原理主義者の私も、さすがに、人生で初めて予約して買ったアルバム『Atomic Heart』には思い入れがあります。

『同窓会』ってドラマの主題歌だったんだけど、このドラマのテーマとか内容もかなりすごくて、定期的に観ては「はぁ…」となっている。

このアルバムは、最後に「Over」を置いたことで優勝しています。

まぁそう考えると「Tomorrow Never Know」を敢えてラストに持ってきた『BOLERO』も大概すごいんだけどね。

長くキャリアを重ねてくれば歌も曲も段々緩くなっていくのが世の常。
だけど、彼らを見てると、まぁ例外もあるなってことが分かりますね。

圧倒的な説得力と緊張感。
デビューから30年経った今なお、これだけ人の心をエグる曲を生み出せるのがすごい。

もちろん、その中心にこの声があることは言うまでもありません。

浜崎あゆみ

ドラクロワが描いた絵画『民衆を導く自由の女神』ってご存知ですか?

私にとっては、Dragon Ashの『Viva La Revolution』のアートワークよりも、あゆの方がよっぽど民衆を導く女神だったんですよ。

今やネタ的に語られることが多い歌姫ですが、ホントかっこよくて、世のギャルと同じように、私もあゆになりたかった。

タイアップとか、そういうのを抜きに考えても歌詞も楽曲もホントによく出来ていて、初期アルバムはどれも甲乙つけがたい内容です。

特に【絶望三部作】を収録した『Duty』は、身を削って音楽を生み出す彼女の真骨頂で、悲壮感漂うパフォーマンスはまさにキャリア屈指。

彼女と同じ時代を生きられてよかった。


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