三話『アラフォー獣医のほっこり奮闘記』
〜つづきを書いてみました(^^)〜
「アラフォー獣医のほっこり奮闘記」
第三話
〜ファーストデート〜
カフェで二人は、
動物の話から個人的な話へと会話を深めていった。
アイリがシンガポールとスウェーデンのハーフだと知り、東京っ子の猛はますます興味を惹かれた。
「私の両親は異文化の出会いから生まれた存在なんです。でも日本での生活にはなかなか馴染めずにいて」
アイリはそう切り出すと、両親の出自や、自身の複雑な立場について赤裸々に語り始めた。
猛も自分がハーフであることを打ち明けると、互いの境遇に共感を覚え、ぐっと距離は縮まり、意気投合した。
「私も親の教えを汲んで獣医を志しましたが、なかなかうまくいかない時期もありました。でも動物から学ぶことは多くて、それが支えになっていたんです」
お互いの想いを打ち明けあう中で、エピソードから人生観まで、さまざまな話が弾んでいった。時には大笑いを交わし、時に真剣に耳を傾け合う。この夜の出会いは、二人にとって運命的なものだった。
酒が進むにつれ、猛はアイリの魅力にすっかりひかれていく。
気づけばすでに惚れ惚れしていたのだ。アンリの方もまた、この優しくて誠実な多朗に好意を持ち始めていた。
「獣医さん、この先ずっと付き合っていけたらいいですね」
アイリはほろ酔い加減で猛に言った。
「はい、ぜひ!アイリさんがそうおっしゃってくれるなら」
急に照れくさくなった猛は、にこりと笑みを浮かべた。
二人は手を取り合って、街を散策することにした。
ここちよい夜風にあたりながら語らい合う。
動物への愛を軸に過ごしてきた猛だったが、このアイリとの出会いで、新たな恋の扉が開かれたのだった。
アイリの言動一つ一つに心を奪われ、これからの二人の行く末をしっかりと想像し始めていく。
疑いなく、猛は真剣にアイリを愛し始めていた。
この出会いをきっかけに、猛の人生はまた新たな局面を迎えることになるのだった。
〜つづく〜
〜天月乃綾〜
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